逃亡者 作:中村文則
難しい小説だった
作者特有の空気感と、お約束のような悪というか、舞台装置が出てくるのだが、
人智を超えた理不尽というか、神がいるのかいないのか、
そういうものと別なのか、一緒なのか、
まったくわからない恐怖と背中合わせのまま、
大きな謎に引きずり込まれていく感じでありました
隠れキリシタン、第二次大戦中の謎の喇叭、怪しい宗教組織、
暴走する政治なんていうものが、
ごたまぜに、あれこれ出てくるんだが、
どれもこれも、確かにそういうもので、しっかりと描かれているけども、
どこか意味をなさないというか、
それが何かをしているというのではなく、
複雑にあわさって、漠然とした不安というか、
ただ、言語化できない気持ち悪さというのが空気として描かれているのが秀逸
もやもやするといったらいいのか、
なんとも居心地が悪い世間、そこに対する不審が極まって、
一種の精神障害めいた状態になるあたりとか、
どこから現実で、どこから虚妄なのかもわからないのが
読み応えあるというか、恐ろしいというか
現代の日本を揶揄したような内容も含まれているけども、
そのあたりはわざとらしく浅く書いている節もあって、
あんまり、そういう政治思想の物語という感じではなく、
人間という生き物が、根っからいじめが好きで、
暴力を肯定し、どうしようもなく争うということを
歴史から、また、その中で虐げられた側なんかを描きつつ、
共通する何か、それは人間のカルマ的なものではないかと
思わされるような、臭わせ文章で進むのでありました
でも、そういうことを言いたいわけでもなさそうなのが
不思議というか、結局何を書いているか
わからなくなるといった本でありました
ちょっと難しくなりすぎている感じがしたので、
もっと、軽くというか、テーマは同じでも、
するっと、爽快さをまとったものを読みたいと
願ってしまいたくなるような、
なんとも陰鬱とした、でも、そんなに暗い話でもない
不思議な物語でありました
読み解けてないということなんだろうかな
難しい小説だった
作者特有の空気感と、お約束のような悪というか、舞台装置が出てくるのだが、
人智を超えた理不尽というか、神がいるのかいないのか、
そういうものと別なのか、一緒なのか、
まったくわからない恐怖と背中合わせのまま、
大きな謎に引きずり込まれていく感じでありました
隠れキリシタン、第二次大戦中の謎の喇叭、怪しい宗教組織、
暴走する政治なんていうものが、
ごたまぜに、あれこれ出てくるんだが、
どれもこれも、確かにそういうもので、しっかりと描かれているけども、
どこか意味をなさないというか、
それが何かをしているというのではなく、
複雑にあわさって、漠然とした不安というか、
ただ、言語化できない気持ち悪さというのが空気として描かれているのが秀逸
もやもやするといったらいいのか、
なんとも居心地が悪い世間、そこに対する不審が極まって、
一種の精神障害めいた状態になるあたりとか、
どこから現実で、どこから虚妄なのかもわからないのが
読み応えあるというか、恐ろしいというか
現代の日本を揶揄したような内容も含まれているけども、
そのあたりはわざとらしく浅く書いている節もあって、
あんまり、そういう政治思想の物語という感じではなく、
人間という生き物が、根っからいじめが好きで、
暴力を肯定し、どうしようもなく争うということを
歴史から、また、その中で虐げられた側なんかを描きつつ、
共通する何か、それは人間のカルマ的なものではないかと
思わされるような、臭わせ文章で進むのでありました
でも、そういうことを言いたいわけでもなさそうなのが
不思議というか、結局何を書いているか
わからなくなるといった本でありました
ちょっと難しくなりすぎている感じがしたので、
もっと、軽くというか、テーマは同じでも、
するっと、爽快さをまとったものを読みたいと
願ってしまいたくなるような、
なんとも陰鬱とした、でも、そんなに暗い話でもない
不思議な物語でありました
読み解けてないということなんだろうかな