CLASS3103 三十三組

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【読書】地図なき山 日高山脈49日漂泊行

2025-03-05 21:05:58 | 読書感想文とか読み物レビウー
地図なき山 日高山脈49日漂泊行  著:角幡唯介

表紙の雰囲気から、おどろおどろしい山のお話かと思ったんだが
地図を持たずに山を歩こうという思いのまま漂泊した
その記録をつづった本でありました

3分の1くらいがちょっとした哲学書みたいな雰囲気になってて
山登りというのは、一種哲学なのかもなと思わされたんだが
この著者が変わっているだけかもしれない
断片的な情報ながら、北極やらアラスカやらを割とうろうろしては、
海獣に襲われたりとかしているようで
いわゆる冒険家というジャンルの人なんだと思うのだが
そういう人をして、冒険とは何かと突き詰めた時
まったく知らないところへ、情報を持たぬまま行く、
山を自身の力だけで拓くというか、そういう状態で山に入っていくという
その行動が本当の登山ではないかとそんなことを考えていく
その思考の道程も含めた、山登り記録であった

専門的といっていいと思うのだが、
登山用語がさっぱりわからないので、どういう状態のところを登っているか
どういう感じなのかよくわからんままだったのだが、
ともかく大変なところを釣りをしながら進んでいく、
その途中での述懐が、ちょっと感情的すぎるというか、
独白が続きすぎている感じがある意味面白くて、読まされたというか
思考に連れ去られる感じでありました
とはいえ、相当に自我が強くないとできないことでもあろうから
当たり前なんだとも思うところながら、
同行者がいるけど、ほぼ気遣うことなく、なんなら便利だから連れてきたという感じですらあり
それは人としてどうなんだとか思ってしまったが、
わざとそう書いているだけなのか、相方の人のコメントがちょっとほしいと思うところ

表題から凄い長い間山に入っていたかと思ったら合計でのことなので
だいたい10日強くらいで、はたしてどれくらいの距離を移動していたかわからないけど
相当の移動をして、また、知らないところへ入っていく恐怖や、
熊と隣り合わせになることなどなど、味わっていく姿が面白いと思ったのである

実際のところ、本人は相当に面白かったようだが
その面白さが、ちょっとよくわからないというか、
テンションの高さについていけない感じで、自分が山登らないから
ちゃんとシンクロできないのかと、悔しいというわけでもないけど
少し置いて行かれる感じで読んでいったのだが、
それでも非常に楽しく読んだのである
釣りで食料をまかなう、途中できのこをいっぱい採るようになるとか、
だんだん野食のレベルがあがっていっているのも興味深かったけど
実際こういうことができる年齢というのも
限られているのかなと、述懐の中にあった通りに考えさせられるのであった
何事も思ったらやってみないといけない

最終的には踏破したところの確認を地図で行うというくだりが
なかなか拍子抜けのようで、案外面白くて
個人的にはいいオチというか、それでこそとも思ったりしたのだが
冒険の楽しさの一端に触れる本だったと思うのである


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