暗号の子 作:宮内悠介
主に仮想通貨を扱った短編小説集だったと思う
説明もなく専門用語が並ぶので面食らったんだが
そのあたりは雰囲気で処理するとして、実というか、
ストーリーの根幹というか、設定の大半は、仮想世界による新世界の構築というと
陳腐で古臭いから、ちょっと違う気がするんだけど
理想の世界というものを理論的に構築して、
実際それを実装させてみようという、あらゆる角度の話しをまとめていて
なかなか刺激的で面白かったのである
実際、こういう感じの人もいるのかもしれないと思いつつも
そこまで万能であったり、運よく儲ける人がどれほどいるかと
そのあたりが物語だなと納得しようと思ってしまうのだが
本当にこんなことを考えて、また、真に頭のいい人というか、
そんな状態になりうる人は、当然のように考えてしまうものかもしれないなと
一種の新宗教ともいえる内容で興味深かった
ブロックチェーンを使って、仮想通貨というものがあって、
その信用拠点としての集まりがある、そんな仮想コミュニティの姿と、
そこに依存というか居場所を見つける人のお話が、
辿っていくと結局は、仮想世界であろうとも
人の居場所という問題についてのお話で、どこでも生きづらいという人が
ここにはもしかしたらというユートピアを見ると
そんな風にも読めたわけだが、そこもまた、
あっという間にぼろぼろと崩壊というか、崩れていくという
コミュニティの興亡という部分においては、長らくネット世界に生きていると
どこかで感じた哀愁のようなものと似たそれが扱われていたと
思ったりしたのである
そういうものの終焉がどう訪れるか、あるいは、
それは終焉ととらえているのはそういうメンバーだけで、
実際は新たなメンバーによって、また新しい世界が育まれている可能性もあったりして
結局は、わかりあえないという根本原因によって、
ずっと彷徨い続けなくてはならないということのようにも思えるのであった
思考実験として面白すぎるというか
行き過ぎているなと思いつつも、なるほどと感心したのが
AIに様々任せていくと、次第に、人間でいるということに人間は疲れていることに気づくというくだりで
落語みたいだが、ありそうだなと思ったりするのである
とはいえ、それにまた飽きるという状態になるのも人間だというのが
もう、どうしようもねぇなと思いつつも、それが愛するべき何かなのかと
気づかされるでもないけど、意図的にそういう物語になってて
うまいなと思ったりして、シニカルなのか、アイロニックなのかも
もうわからないまま、とりあえず楽しんで読んだのであった
面白いからいいやと思うのだが、
何年かすると、このあたりが叶っていたり、古くなっていたりするんだろうかと
今読める小説というものかもしれないなんて偉そうなことを思ったりする
一方で技術の話しだけでなく、科学分野全般のといっていいような話しもあり
いっぱい楽しめる一冊でありました
主に仮想通貨を扱った短編小説集だったと思う
説明もなく専門用語が並ぶので面食らったんだが
そのあたりは雰囲気で処理するとして、実というか、
ストーリーの根幹というか、設定の大半は、仮想世界による新世界の構築というと
陳腐で古臭いから、ちょっと違う気がするんだけど
理想の世界というものを理論的に構築して、
実際それを実装させてみようという、あらゆる角度の話しをまとめていて
なかなか刺激的で面白かったのである
実際、こういう感じの人もいるのかもしれないと思いつつも
そこまで万能であったり、運よく儲ける人がどれほどいるかと
そのあたりが物語だなと納得しようと思ってしまうのだが
本当にこんなことを考えて、また、真に頭のいい人というか、
そんな状態になりうる人は、当然のように考えてしまうものかもしれないなと
一種の新宗教ともいえる内容で興味深かった
ブロックチェーンを使って、仮想通貨というものがあって、
その信用拠点としての集まりがある、そんな仮想コミュニティの姿と、
そこに依存というか居場所を見つける人のお話が、
辿っていくと結局は、仮想世界であろうとも
人の居場所という問題についてのお話で、どこでも生きづらいという人が
ここにはもしかしたらというユートピアを見ると
そんな風にも読めたわけだが、そこもまた、
あっという間にぼろぼろと崩壊というか、崩れていくという
コミュニティの興亡という部分においては、長らくネット世界に生きていると
どこかで感じた哀愁のようなものと似たそれが扱われていたと
思ったりしたのである
そういうものの終焉がどう訪れるか、あるいは、
それは終焉ととらえているのはそういうメンバーだけで、
実際は新たなメンバーによって、また新しい世界が育まれている可能性もあったりして
結局は、わかりあえないという根本原因によって、
ずっと彷徨い続けなくてはならないということのようにも思えるのであった
思考実験として面白すぎるというか
行き過ぎているなと思いつつも、なるほどと感心したのが
AIに様々任せていくと、次第に、人間でいるということに人間は疲れていることに気づくというくだりで
落語みたいだが、ありそうだなと思ったりするのである
とはいえ、それにまた飽きるという状態になるのも人間だというのが
もう、どうしようもねぇなと思いつつも、それが愛するべき何かなのかと
気づかされるでもないけど、意図的にそういう物語になってて
うまいなと思ったりして、シニカルなのか、アイロニックなのかも
もうわからないまま、とりあえず楽しんで読んだのであった
面白いからいいやと思うのだが、
何年かすると、このあたりが叶っていたり、古くなっていたりするんだろうかと
今読める小説というものかもしれないなんて偉そうなことを思ったりする
一方で技術の話しだけでなく、科学分野全般のといっていいような話しもあり
いっぱい楽しめる一冊でありました
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます