CLASS3103 三十三組

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【読書】シャーリー・ホームズとジョー・ワトソンの醜聞

2025-01-13 21:05:02 | 読書感想文とか読み物レビウー
シャーリー・ホームズとジョー・ワトソンの醜聞  作:高殿円

のっけから展開が粗っぽくて、物語に乗っていくのに難儀した
ワトソンが、唐突な記憶喪失みたいな状態でスタートして
その顛末が、だんだんとわかってくるようになるんだが
いかんせん、その始末が理解を超える内容のため、
なかなか感情移入できず、苦戦して読んでしまった

最終的にはなるほどというオチになるんだが
そうなるまでが長いので、なんか、妙な感じをかかえたまま
物語がずんずん進むので、しっかりと楽しみきれなかった印象で読み終えてしまった
面白かったようにも思うんだが、なんというか、
あれこれ難しいことも織り込み過ぎていて、ちょっと渋滞してよくわかんなかった

壮大な医学実験の話しのようでもあったし、
そのあたりはかなり面白く読めたのだけども、
実際にそんなことが、そういう可能性がまだ存在するだろうかと
ちょっと考えさせられるところでもあった
マイノリティを扱うわけだが、それがいかにも童話的というか
まさに幻想世界のそれのようで、だからこその小説だと思うのだが
あまりにもできすぎた壮大さが見事で、
その憐憫の部分がかなり楽しめたと思うのである
とはいえ、根幹にある人間のありようというのが
結構重めだったこともあってか、また、ワトソンがかなり振り回されていたというのに、
読む側としても同じくらいか、それ以上に振り回されて
安心して読めないというか、なんか、はらはらとは違う、おろおろして読むみたいな
そんな読書となったように思うのである

もっとコメディに振った話しで読みたいと
勝手な感想を添えつつも
なんだかんだ、楽しく読んで、なるほどなーと感心して終えたのである
本歌がわからないので、どうなのか気になるところだが
この近未来と現代と、そしてSFめいた世界観は本当によいなと
感心してしまうのである


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