CLASS3103 三十三組

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【読書】飛将軍 李広

2018-06-20 21:25:39 | 読書感想文とか読み物レビウー
飛将軍 李広  作:塚本 青史

思ったのと違った
中国は漢の時代のお話であります
遠くは、秦の時代に活躍した李信の子孫にあたるという男の物語なんだが
三国時代に呂布を見て、飛将軍と呼んだ
その語源にあたるというから、物凄い大活躍のお話だと思ったら
案外というか、まったくそうでもなく
なかなか衝撃的でありました
若い頃は確かに凄かったようでありますが、
新しい時代に埋もれていったような英雄でもあったようで
なんというか、戦場で死ねない将軍というのは
こうも、悲しいものかと思わされるような
非常に考えさせられた小説でありました

結局、時代的にどのあたりなのか、
劉邦から数えて近い年代のようだから前漢なんだろうが
ともかく、匈奴との戦いで酷い目にあいまくる漢において
そこで活躍できたというのが凄いところなんだけど
その華々しさに、ある日突然かげりが見えると
そこから転がるように悪くなっていくというか
まぁ、それをあえて、李広という人物の限界として描いていて
こういうのは、読み物として斬新だなと
結構楽しく読めたのであります
主人公が、尻すぼみで駄目になっていく話しと
平たくいえばそういう感じなんだが、
それを生々しく、それでいて、受け入れていくような
受け入れられないようなという歴史が詰まれていくと
なんというかな、今の自分には
大変面白い物語だと思えてならなかったのでありました

実際どうだったか、こんな古くのことがわかるはずもないのだけど
凄い将軍であったのも確かであろうけども、
そのあと、もっと凄いのが出てきてつぼんでしまうというのは
悲しいことだが、彼が祖先に強い思いを持って
彼の活躍をして、李信が見直されたなんていう
劇中劇がまた、いかす展開だと思いながら読んだのでありました

すかっともしないし、歴史物語としても、
大舞台ではない部分の話なので、あんまりなんだけど
ただただ、物語が面白かった
そんな風に思えた、小説でありました


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