森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

音楽劇「海王星」

2022-07-03 23:33:51 | 観劇・コンサート日記

2021年の年末に公演されたものを6月のある日、WOWOWで録画して観ました。

この作品は、寺山修二が「天井桟敷」を結成する前に書いた未上演の音楽劇です。

なんだかティストが、シェークスピア悲劇のような感じがしました。

大好きな父の乗った船が難破して死んでしまったと嘆く猛夫の前に、その父と再婚するはずだった女性魔子が現れます。

ふたりは必然だったようにひかれあうのですが・・・・・・。

そこに猛夫を慕う那美がいたり、よく分からない不思議ちゃんの少女そばかすがいたり・・・・

 

今チェックしたら、この作品は、8月20日にまたWOWOWで放送されます。

 

だからネタバレ感想は止めようかなと思いました。

でも上に書いた「シェークスピア悲劇のような」というのは、大きなネタバレかも知れませんね。

 

主演の猛夫に山田裕貴、父・彌平にユースケ・サンタマリア、魔子に松雪泰子。他にはブルースを歌う老婆に中尾ミエなど。

 

最近山田裕貴の(敬称略ですみません。)活躍は凄いなと感じます。

次の時代を担う役者さんのひとりに成長しましたよね。

またユースケ・サンタマリアは、意外とどんな役でも同じような雰囲気を醸し出す人なのに、それでも悲しさを滲みだしその魅力に引き込ませるものがありますよね。「麒麟がくる」の朝倉義景も本当に良かったと思います。

そうでした !!

山田裕貴は、来年の大河「どうする家康」の重要な役どころ本多忠勝をやるのでしたね^^

魔子は目の前で悲劇が起きても、自分の行動を悔いても、けっして自分自身を責めない女だと思いました。

 

 

 


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「ハリーポッターと呪いの子」を観てきました

2022-06-25 12:27:25 | 観劇・コンサート日記

トップの画像は、ショップの「マホウドコロ」のショーウィンドウに飾ってあったフクロウ君。

お芝居終了後に遅い昼食なのか早い夕食なのかの食事の後に訪れたら、既に予定整理券配布が終わっていて入れませんでした。

未練たらしく窓から覗いていたら、そのフクロウ君と目が合って、可愛いなぁと思わずパチリです。

 

外観だけでも満足できる雰囲気です。

 

24日の日に観て参りました。

地下鉄から劇場に向かう階段からいきなり「ハリーポッター」の世界に引き込まれました。

だけどその画像は、お芝居の感想の後に載せますね。

 

もちろんお芝居自体も魔法がいっぱいで「ハリーポッター」の世界が展開されました。

あらすじや詳しい登場人物の事はネタバレになってしまうので書きませんが、ご一緒した友達は、今まで見たお芝居の中で一番好きと言っていました。私は何事も「一番」と言うものを決められない人なのでそこまでは言えませんが、どこまで演劇でやる事が出来るのかという限界に挑戦しているような作品であることは間違いのない事です。

「どうやってやったの、今のシーン?」とか

「どうやって作ってるの、このシーン?」

「うわぁ、すごーい!!!」と心の中で叫んだり呟いたりすることが多かったです。それでも見逃しも多かったかもしれない思ってしまいました。

こうやって書くと、それは照明(なんと1132回も変化するのですって。)、舞台演出に特化してるみたいな舞台と思われるかもしれませんが、それのみではもちろんありません。

私、ところどころで目が潤みました。

その「愛」に。

そしてあるシーンでは胸が締め付けられ、こらえきれずに泣きました。

終ったあと、隣の女性がその友人に、「嗚咽する声を抑えるのが大変だったわ。」と言っていたので「泣きますよね。分かります。」と声を掛けたい衝動に駆られましたが、変なおばさんと思われてもと思って我慢してしまいました。このお芝居で悔いが残るとしたら、そこで共鳴の一言を掛けられなかったなと思うくらいです。

これでは何を言ってるのか分からないと思うのですが、このお芝居は来年の5月までやるロング公演なんですよ。

「なんだろうな~?」と思われた方は是非に !!

残念ながら、藤原竜也主演は9月いっぱいなのですがそのチケットは完売です。10月からのチケットも残りわずかです。

1月からのチケットの先行販売は7月8日からです。

こんな事を書いているのは、もう一回行きたいかなと思っているからなんです。

 

カーテンコールは4回。もっとしたかったです。

だけど劇場全員のスタンディングオベーションには心が熱くなりました。

 

以下は赤坂周辺の「ハリーポッター」の世界・・・^^

画像が続きます。

 

上のオブジェの左側 ↓

そして右側 ↓

   思わず「いい子いい子」ってしたくなりますね^^

ハリーポッターカフェが見えます。

 

入場前の先頭の人はここから並んでいたのかな?

劇場内です↓

舞台 ↓

始まる前のみ特別に撮影が許されていました。

もっと気合を入れて撮れば良かったな。

「Harry Potter  Cafe」↓

こちらも完全予約制でした。今回、何のリサーチもしていなくて、いろいろと逃したかもしれませんが、予約をこの日に入れるのは難しかったかもしれないから、今回は良かったかもしれません。

赤坂に別枠で来るのも良いし、上にも書いたけれど、もう一回来ても良いかなって思ったりもしているんです。

 

代わりに頂いたのが、「梅梅」にて、

ふたりでシェアして、お腹がいっぱいになりました。

 ノンアルモヒート。美味しかったです。

 

買ったお土産はパンフと

 この「ホグワーツTシャツ。」です。

幸せな一日でした。

 


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第29回読売演劇大賞・大賞、優秀作品賞は「フェイクスピア」!

2022-02-06 17:52:05 | 観劇・コンサート日記

昨日(5日)に舞台の感想を書きました。→「フェイクスピア」

そしたら朝、ツイッターのトレンドに「#高橋一生」が入っていたんですよ。

何かしらと思ったら、タイトルのソレ。

そして一生さんは、最優秀男優賞だったのですよ。

素晴らしかったですものね。納得です。

 

で、その記事をリンクしようと思うわけですが、私がネタバレしちゃいけないかなと思って、避けて避けて書いたことが、2番目の記事にはスカッと書かれています。良いのか、なんだぁと思いました。(涙)&(笑)

「ネタバレ」ってどこまでかと、難しい所ですね。

 

「大賞・最優秀作品賞は「フェイクスピア」…第29回読売演劇大賞」

「第29回読売演劇大賞…受賞作・受賞者紹介」

 


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「フェイクスピア」

2022-02-05 20:25:29 | 観劇・コンサート日記

WOWOWで放送し録画してあったものを、1月の最後の日に観ました。

このお芝居、劇場でやっていた時もとっても気になっていたので、WOWOWで放送が決まった時は本当に嬉しかったです。

だけど、これは、私は劇場に行かなくて良かったと思いました。

そのラスト、私は声をあげて泣きました。

劇場ではできない事だったからです。

この時の公演数はどのくらいあったのだろうかと私は思いました。

あのお芝居を、その公演数だけ繰り返したのかと思うと、心が震えました。

映画も好きだけれど、やっぱりお芝居は「凄まじさ」と言うものを感じさせます。

 

これはネタバレでは詳しく感想は書けないと思います。

なぜなら2月19日から27日まで有料配信されるからです。チケットは今日5日から販売されています。

詳しい事は→ここです。

 

気にはなっていたけれど、全く情報を持っていませんでした。せいぜい主演は高橋一生さんで白石加代子さんが出るくらい。もちろんNODA・MAPのお芝居。そのくらいの情報量。橋爪功様ごめんなさいと言う所ですね、まったく。

その他にも川平慈英 伊原剛志 前田敦子 村岡希美 野田秀樹 。

私的には、前田敦子さんは好きな女優さんです。

 

これから見られる予定で、ほんのちょっとの内容でもピーンと来てしまう方は、以下は見られてからまたご訪問下さい。HPに書いてあるあらすじ程度しか書いていませんが、ある種のネタバレはしているかもしれませんから。

 

誰もいない森の奥で、大木が誰も聞いてないのに、大きな音を立てて倒れる。その時天から神の声が落ちてくる。

舞台は恐山でイタコの白石加代子の元にダブルブッキングしてしまった男が二人尋ねてきます。

男たちは誰なのか。

神の声が入っている箱は何なのか。

 

途中で、私は「ああ、そうか。あの箱はあれだな。そして・・・。」と気がつきました。いや誰でも気がつくことなのですが、その気がついた途中からの感情移入度が凄く、このお芝居に「面白い」と言う言葉は不謹慎なような気もしてしまうのですが、確かに面白かったのです。

そしてラストは、本当に凄まじかったです!!

永遠プラス36年の意味。

「頭を下げろ!!」と言う威嚇のように言う言葉の意味。

だけど、本来は違った意味で使われたその言葉が、最後に違う意味を持って、私たちにエールを送ってくることが、また心から素晴らしく思えました。

 

「頭をあげろ !

頭をあげろ !  」

 

 

※ この記事はリアクションボタンを外しています。

なんだか何か押さないと物足りないなと思われる方は、励みになりますのでランキングボタンなどを押していただけると、嬉しく思います。


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「首切り王子と愚かな女」

2021-12-28 01:52:31 | 観劇・コンサート日記

WOWOWで放送されたものを録画して、25日に見ました。

このお芝居は、今年の6月に公演されたもので、まだ新しい作品だったのですね。

 

呪われし首切り王子に井上芳雄、母を看取り、生きる目標を失って死のうとしていた愚かな女に伊藤沙莉が演じました。もともと伊藤沙莉さんは好きな俳優さんです。若いおばさん声(褒めてます)が強烈な個性となって光る彼女は、出て来た時に、この先になくてはならないバイプレイヤーになっていくのだと思っていました。それがいつの間にかど真ん中。

でもこの物語の彼女を見ていると、それに深く頷けるのです。

すごく良いです、彼女。

生きる事に投げやりだったり、ズルい野心を持ったり、そのくせ命がけで計算無しで守ったり、自分の気持ちのままに強く行動していく彼女に引き込まれて行きます。

そして井上芳雄さんを、この作品から一気にファンになりました。

 

美しい声でした。

作中で

「この世の呪いを払うかのような歌声」と出てきますが、まさにそんな声だと思いました。

 

この物語はダークファンタジー。

切ないお話です。

生きている限り、見るべきものを見てしっかりと生きていきたいと、そんな風に思える作品でした。

 

あらすじ(WOWOWサイトからお借りしました。)

【雪深く1年の半分が冬である王国ルーブ。母をみとったヴィリ(伊藤沙莉)は生きる理由をなくし自ら死を選び崖へ向かう。そこで目にしたのは、処刑をつかさどる第二王子トル(井上芳雄)の姿だった。幼いころから“呪われた子”とされ、城から遠ざけられていた王子トル。第一王子ナルが病に倒れたため、城に呼び戻されたトルは“永久女王”として国を統治していた母デン(若村麻由美)のため、反乱分子の首を次々に落とし“首切り王子”として恐れられていたのだった。
ヴィリは召使いとしてトルに仕えることになり城へ向かう。そこには野心や愛憎、陰謀が渦巻く人間たちの姿があった。トルの呪いとは?そして驚愕の展開の末、ヴィリがとった行動とは?】

作・演出 蓬莱竜太

 

インタビューと・・・・

伊藤沙莉、4年ぶりの舞台「シンプルに吐きそう」、井上芳雄・若村麻由美らと『首切り王子と愚かな女』公開ゲネプロ直前取材会

ゲネプロシーン。

伊藤沙莉、井上芳雄と愛憎・陰謀渦巻く大人ファンタジーに挑む 舞台『首切り王子と愚かな女』公開ゲネプロ


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舞台「プルートゥPLUTO」

2021-09-19 07:10:24 | 観劇・コンサート日記

かなり前に、WOWOWで放送されたものを録画していて、それをようやく9月14日に見る事が出来ました。だから今はどなたさまにもお役には立たない感想かもしれませんが、またの機会に見られることがあったり、または再演の時などのご参考になればと思います。

 

「プルートゥ」は、原作から素晴らしいんですよね。

原作者の浦沢直樹、大好きです。

だけど彼の難点は、物語が長いんです。で、エピソードが増えてくると、前の繋がりが時々分からなくなってくることも多いと思うのは、私だけでしょうか。

その長い物語をどう描くのかと思ったら、寧ろ、様々な細かい部分をざっくりと切って、テーマに沿った部分だけスッキリとまとめ上げ、非常に分かりやすくなっていました。

演出も、ロボットたちの背後にダンサーを据えて、舞台にはたくさんの人が居ると言うのに、かえって無機質にさえ感じさせたのは素晴らしいと思いました。

加えて、キャストさんたちの演技が、本当に素晴らしいと思いました。

アトム役の森山未來のシャープな演技が素晴らしいのはもちろんですが、ゲジヒトの妻のヘレナとウランの二役を演じた土屋太鳳には、改めて脱帽しました。

特にゲジヒトを失った後の辛い時に、天馬博士から泣いてみると良いと言われ、初めて泣いてみると言うシーンは、鳥肌ものでした。最初はマネでいいんだと言われ、「あーーーー」「うーーーー」と声を出していき、そしてその大きく見開かれた瞳が、真っ赤に染まって行き涙がこぼれていくのです。

映像なら、まだ分かります。

だけどこれを、毎回舞台の上でやるんですよ。

 

思わず、太鳳ちゃん、「まれ」の後、しばらく嫌いだったことを許してと、心の中で言ってしまいました^^

 

またそれから、世界最高峰の頭脳を持つ科学者アブラーが天馬博士の口から、自分の本当の正体を知らされた時の吹越満(アブラ―)も凄く良かったです。

まるで本当にロボットが混乱して壊れていくように見えました。

それから、今までほとんど知らなかったゲジヒト役の大東俊介という人を知る事が出来て、嬉しかったです。

 

原作もラスト8巻は最大のクライマックスで、涙無くしては読み切れませんでした。

この物語も、一体一体のロボットのエピソードを省いていますが、この舞台のクライマックスはその8巻の内容がメインになっていて、同じように終息していきます。

アトムがお茶の水博士に言います。

「憎しみが消える時はありますか。」

 

憎しみは連鎖するー。

 

大量破壊兵器があると、世界中のトップのロボットが投入されて、その戦いは終わったけれど、大量破壊兵器など無く、その国の人々に大きな被害があっただけ。

誤解された元になったものは、砂漠を緑化しようとする最強のロボットを生み出すために、その失敗作の山が出来、それが誤解の元だったという皮肉。

どこかでその憎しみは断ち切らなくては、その連鎖は止まらないと思います。

過去の憎しみを、わざわざ教育に組み込んでいる近隣の国の事を思うと、暗い気持ちにもなります。またこの舞台を、9.11過ぎに見る事が出来て良かったと思いました。

 

この物語には3組の親と子の物語があって、国を選ばず人間である事さえも選ばずの普遍の愛に、涙しない人は居ないと思いました。

素晴らしい舞台です。

いつかの機会があれば、是非是非ご覧になって頂きたい舞台だと思いました。

 

因みに、私の漫画の感想は→「プルートウ8」

なんでも書いておくことは良い事だなと思いました。この舞台が、原作の良さをまったく損なっていなくて、しかも分かりやすくなっていることがよく分かりましたから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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「てにあまる」を観ました♪

2021-07-13 01:26:27 | 観劇・コンサート日記

6月の最後の日、

「今月は、何もお芝居を見ていないな。」と思いました。なんだかそれも寂しいなと思いました。

それで、「そうだ、今日こそあれを見よう」と、時間を作ってwowowで放送してくれて録画してあった「てにあまる」をとうとう見る事にしたのです。

 

私、ちょっと吃驚しました。

このお芝居は、時期的に劇場に行って観るとは最初から思っていませんでした。そのせいだったからか、ずっととんでもない間違いをしていました。

つまり、このお芝居はコメディであると思っていたのです。

「とりあえず、お父さん」のような。

柄本明さんとの再びのタッグだったからでしょうか。

ところがまったく違かったのです。

※ とりあえず、ものすごく楽しかった「とりあえず、お父さん」の感想は→「とりあえず、お父さん」、見てきましたよ~♪です。

 

私は思いました。

しみじみと。

最近、この「しみじみと」という言葉を多用していますが、あれやこれやと深く考えてしまった作品に出合うと、時には苦しくなる時もありますが、やはりそういう作品に巡り合えることは、素晴らしい事だなと思います。

しみじみと、最初に何を思ったかと言うと、この藤原竜也と言う人は、本当に俳優として強い人だなと思ったのです。

この鳥居勇気という男を、繰り返し演じるたのですから。この壊れていく男を。

ふと私は思ってしまいました。「バットマン/ダークナイト」のジョーカー役だったヒース・レジャーの事を。彼はひと月もホテルの一室に引きこもって、ジョーカーの役作りをしていました。

彼がこの役を引き受けた時、やはり前に同じ役をやったジャック・ニコルソンが、彼に精神的にやられないように気を付けろとアドバイスをした話は、ヒースが亡くなった時には、かなり言われていた事ですね。

役者さんは、心の中で、自分の鎧を付けたり外したりして調節しているのかもしれないですね。

 

こんな話を書いたのは、この役を、毎日毎日演じていて、彼は大丈夫だったのだろうかと、思わず思ってしまうような過酷な役だったと思ったからです。

あらすじは画像の下です。

 

 

あらすじは、

【一人で暮らす老人(柄本明)の家に、 男(藤原竜也)がやってくる。 老人は戸惑うが、 その男は老人を家に連れて帰り、 二人の奇妙な同居生活が始まる。
男はベンチャー企業の経営者であり、 部下(高杉真宙)が彼を支えている。 部下は男の家を訪れ、 見知らぬ老人がいるのに驚く。 男は「家政夫だ」と老人を紹介する。 部下は男に対して盲目的な憧れと畏れがあり、 素直に信用する。
ある日部下は、 男の別居中の妻(佐久間由衣)を連れてくる。 妻は男と離婚をしたがっており、 その話し合いのためだ。 家政夫の老人に対して怪訝な目を向ける妻に、 老人は不敵な笑みを浮かべる。
妻と部下の関係を疑い、 壊れていく男。 その様子に心が離れていく妻と部下。
男と妻子の間には何があったのか。 そして老人しか知らない、 男の過去の真実とは何か。
これは家族をやり直そうとする物語。
あるいは、 家族を終わらせようとする物語。】

 

その環境しか知らなければ、それがその人の世界です。

父に殴られて育った子供が、同じように「しつけ」と称して我が子を殴ってしまうのは、それがその人の世界だからなのでしょうか。

ところどころで差し込まれる、アプリの兄との会話や、嘘か真実か分からない佐々木の話で、その日に何があったのかが分かっていくのです。

彼に向けられた愛を感じず、悲しい物語だと思いました。唯一、彼を親のように無条件に愛していたものの愛に気がつかず・・・・・

それでも、この物語に光はあったのでしょうか。

凄く見逃しが多いような気がします。

録画はどんどん見て、さっさと消そうと思っているのですが、もう一度見なければ、よく分からないような気がします。

舞台は一期一会。真剣さが違うからか、こんな風には思った事はありません。逆に言えば、録画でお芝居を観ると、繰り返し見て奥を深めるという事が出来るかもと言う点が、良い所なのかも知れませんね。

だけど竜也節炸裂。

繰り返し見る事は、物語の内容的に少々辛いような気がしますが、チャレンジしようと思います。

 

 

画像とあらすじはこちらからお借りしました。→こちら


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「贋作・桜の森の満開の下」NODA・MAP

2021-05-28 00:45:52 | 観劇・コンサート日記

「あー、困った、困った」、読みたい本がいっぱいになってしまった!!

※       ※       ※

録画フォルダーの中に、やたらとお芝居が溜まって行ってしまうのですが、家に居て3時間に近い時間をテレビ前で費やすことに、兼業主婦業の者は、なにげに罪の意識を感じて、なかなかその録画消化が出来ないでいました。

だけど「終わりよければすべてよし」の感激に、その時間を作ろうと思い立ち、そして見たのがこの作品でした。

NODA・MAPのお芝居は、ストーリー的には決して分かり辛いという事はないのですが、実はその解釈は奥が深くしかも難解です。

思わず

「だんな~、これは自分勝手に解釈したっていいもんですかい ?」などと芝居がかって言ってみたくなるってもんでしょう。

 

WOWOWで放送されたものの録画でしたが、野田さんと出演者のインタビューもありました。

印象深かったのは、妻夫木さんの

「お客さんはすべては分からなかいかも知れませんが・・・・・」

と言う正直なコメントがあって、分からないかも知れないと言うのは前提なんだなと思いました。

だけどまた、

「最後になんでか分からないのに涙が出てとおっしゃる方も多く・・・・・」と言う言葉もあって、ああ、それは私の事だなと思いました。

なんでかよく分からないのに、涙が零れました。

見た作品は2018年に公演されたものです。

深津絵里演じた夜長姫は、無邪気な少女でありながら、実は鬼女。残酷です。だけどその言葉には何か大事な真実が語られているような気がするのです。鬼女ゆえの遠慮のない真実が。

雨に降られ、雨宿りで軒下に逃げ込んだ人が

「あー、困った困った」と言うけれど、その顔はちっとも困っていなくて、その状況を楽しんでいるような所があると彼女は言います。なるほど、そうかも知れないと単純に思ってしまうと、その先があるのです。

「人間は戦争も何々も何々の時も・・・」と続けていき、何か人がそっと蓋をして決してばらさない人類の暗部を、彼女はさりげなく語っていくのでした。

またオオアマ(天海祐希)と言う人物が出てきます。暗に大海人皇子を指しているのかもしれません。自分の国を得るために、鬼たちを我が軍門に付け、そして国の堺を定めるために殺戮を繰り返します。はっきり言って極悪人にしか見えません。でも彼には彼の正義があるのですよね。たとえヒダの王(野田秀樹)の気持ちをそぐために娘をかどわかした後に殺してしまったとしても・・・・。

考えてみたら国境と言うのは、人々の血で引かれているものかも知れませんね。

盗賊マナコに古田新太、早寝姫に門脇麦。皆魅力的です。

 

ところで、このお芝居の中で

「木の下には死体が埋まっている?」

「それは詩人の言葉だよ。」と言うくだりがありました。(セリフは不正確です。)

 

私は子供の頃から、この「桜の木の下には死体が埋まっている」と言う言葉が好きで、このブログ内でも最初の頃はたびたび出てきました。私はそれを漫画の引用のセリフで知ったのです。だから出典も知らず。だけど自分でパソコンを持つようになると検索するのが楽しくて、それが何に書かれていたのかを知りました。

ところが、この作品のタイトルを見て、またもすっかりと勘違いをしてしまいました。

この「桜の森の満開の下」と言うのは、坂口安吾の短編です。

そして「桜の木の下に死体が埋まっている。」と言うのは、梶井基次郎「桜の樹の下には」の冒頭だったのです。

でもある資料によれば、

「また『日本現代文学大事典 作品編』で「さくら」を引くと、「桜の森の満開の下」の項に、梶井基次郎の「桜の樹の下には」に触発されて書いたとあり。」

とあるのです。

そしてそれは短編でありながら、散文詩とも言われているのですって。

だからあの「それは詩人の言葉」に繋がるのですね。

 

昔、漫画家さんたちがたくさん本を読んだり勉強して、作品を生み出し、それを読んで私も多くの知識を得ました。

お芝居を見たり映画を見たりすることは、それに通じていることだなとしみじみと思いました。

 

因みに「桜の樹の下には」は青空文庫で読めます。→「桜の樹の下には」

 

 

 

 

・・・・・


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「終わりよければすべてよし」を見にいけました♪

2021-05-25 16:17:45 | 観劇・コンサート日記

「見にいけた。」とは微妙な書き方ですが、まさにその通りで、チケットを人任せにしてのんびりしていたら、完売との事で諦めていたお芝居でした。

だけどある日、ツイッターで「当日券は劇場で当日には買えません。」と言うような文字を読んで、記憶の底に沈んでいた「当日券」と言う言葉が浮上してきたのです。当日券は当日劇場で買えなくてもネットで数日前に購入すればいいのでした。だけどそのためにネットの会員になるのなら・・・・もしかしてB席とか残っているのではないかと思いました。

思った通りでした。

お芝居仲間が出来るという事は、時には感動共有と言う良い事があっても、時にはこのような席で悪いかななどと変な事に迷うのです。だけど、今回は迷わずに即、最近お芝居仲間になった方に連絡して、そのB席を買い求め22日に見に行ったのでした。

彩の国シェイクスピア・シリーズ37弾のこの作品で、1998年からスタートしたこのシリーズも終わりです。

問題作として、あまり上演されてこなかったこの作品をラストに持ってきたのは、やはりタイトルからだったのでしょうか。

23年の最後だなんて言われたら、見逃したくない想いも高まっていました。

だから私、本当に、見に行く事が出来て、本当に、あっ、二回も「本当に」と言ってしまいましたが、良かった~と思いました。

 

藤原竜也と石原さとみ、美しかったです。

ご一緒したお友達は「最後はハッピーエンドだと思っていたけれど、思っていた以上に綺麗なシーンに、癒され幸せな気持ちになった。」と言いました。

彼岸花の中のふたり、美しかったです。

確かに「終わりよければすべてよし」でした。

だけどその時、私などはじいいいいと魅入ってしまい、劇場内もシーンとしていました。

その後の鋼太郎さんの挨拶で皆さんの拍手が爆発しました。そして彼の挨拶と、このシリーズのラストを見届けたであろう蜷川さんのお写真に、思わず涙が出そうになりました。

 

物語は

『舞台はフランス。ルシヨンの若き伯爵バートラムと家臣のパローレスらは、病の床にあるフランス国王に伺候するためパリに向かう。バートラムの母ルシヨン伯爵夫人の庇護を受ける美しい孤児ヘレンはバートラムに想いを寄せているが、身分違いで打ち明けられない。

ヘレンは優れた医師の父から受け継いだ秘伝の処方箋で瀕死の国王を治療し、見返りに夫を選ぶ権利を与えられる。ヘレンはバートラムを指名するが、バートラムは貧乏医師の娘とは結婚しないと断固拒否、しかし国王に𠮟責されしぶしぶ承諾する。やむを得ず結婚したもののヘレンと初夜を共にする気のないバートラムは「自分の身に着けている指輪を手に入れ、自分の子を宿さなくては夫婦にならない」と手紙で宣言し、伊フィレンツェの戦役へ赴く。

ヘレンは巡礼の旅という口実のもと、彼を追ってフィレンツェへ。そこでキャピレット未亡人の家に身を寄せ、当地でバートラムが大きな戦功を上げたこと、そしてバートラムが未亡人の娘ダイアナに求愛していることを知る。ヘレンは真の妻となるためにダイアナとキャピレット未亡人に協力してもらい、ある計画を実行に移す…。』

 

 

私はあまり素直ではないのか、本音を言えば、物語の展開にはちょっとだけ心がざわめくものを感じたのでした。お芝居だから深く考えてはいけないなと思うのですが、リアルでこれは、この先上手くいくかなんて余計な事を思ってみたり・・・・本当に余計かも(笑)
これはもっと時代の背景とか知りたいなと思いました。
 
知恵ある美しき娘ヘレンにバートラムが選ばれた時、彼は狼狽し逃げ出してしまいます。
その時私の脳内に、「ポーの一族」のエドガーの「「ピアノ教師と準男爵は結婚できるのでしょうか?」と言うセリフを思い出してしまいました。
現代の感覚を、そこに持ち込んではダメなのですよね。
 
他の男たちは、国王の後ろ盾のある美しき娘に寛大でした。じゃあ、なぜバートラムはNOだったのでしょうか。
同じ屋敷内で暮らしていた、彼にとっては侍女以外の者ではなかったからでしょうか。
屋敷での別れの時も、そっけなかったし興味のない人だったのですよね。それに彼女を娶れば、持参金もなしで新たなる後ろ盾も生まれないのです。しかもまだまだ若くいろいろな夢を持っていたと言うのに、いきなり自分は景品にされてしまったようなものですからね・・・・・単純にダメ男とは言い難いものがありますよね。
だけど戦場近くで凱旋して戻ってくると、ちょっとかばいきれないダイアナとのあれやこれや・・・・。
 
この時代の男対女の駆け引き。女性の立場、そんな事が背景に描かれていたのかもしれません。
 
心に残ったのは、横田さん演じるパローレスの言葉です。
殺されても仕方がないようなシーンで許されると
 
「ああ良かった。」と彼は呟きます。すべてを失ってちっともいい事なんかないのです。
だけど「飲んで食べて、眠る事は出来そうだ。」
なんかジーンとしました。
「生きていれば生きていける。」だったかしら。既に不正確。
 
今と言う時代を生きる、私たちへのメッセージだったように私は感じました。
 
幸せな一日でした。
 
 
原作の本を買いました。
 

 

6月に入ってから届くので、読んだらまた感想を書くと思います。

 
 

  

 


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映画版「ENDLESS SHOCK」を見てきました。

2021-02-06 01:27:35 | 観劇・コンサート日記

あれはいつだったのか、もう数年も前だったと思いますが、「ENDLESS SHOCK」のチケットを申し込んだことがあったのです。箸にも棒にも引っかかりませんでした。また来年もチャレンジしようと思ったのですが、この舞台は、「もっともチケット入手が困難な舞台」とも言われていて、チケット狂想曲を奏でる事に疲れていた私は、たった一回のチャレンジで諦めてしまったのでした。

それが映画館で見る事が出来ると分かったのが、2月1日からの公開なのに、ギリギリの1月31日でした。

手帳を開いて、この日しかないと2月4日にイソイソと行く事にしました。

Show must go on (ショー・マスト・ゴー・オン=何があってもshowを続けなければいけない)」をテーマに、ニューヨークのオフ・ブロードウェイでショーに出演する若者たちが、ブロードウェイでの成功を夢見て挫折を乗り越え羽ばたく姿を描いた作品。」

ウィキペディアより。

そのウィキ様の説明を読んでみると、この舞台は、まさにこのテーマそのものの舞台なのだと感じてしまったのでした。

劇場施設の故障があったり、事故によりけが人が出た事もあったり、2011年の震災の時には、やむなく休演にしないわけにはいかなかったりと、大変な20年だったのだと分かりました。

そして今は、コロナ禍。

堂本光一さんは凄い人なんだなと、しみじみと思いました。私の頭の中ではいつまでたっても、美しい銀狼のまま(分かります?)。だけど彼は、この物語の中の「コウイチ」の如く、溢れる才能と舞台愛で、完璧に近い舞台を作り続ける人だったのだなと、新たに認識させていただきました。

確かに昔、この舞台に興味を持ったのは、階段落ちとか空中浮遊とか、そのような派手な演出に惹かれたのは確かです。だけど本当に「見たいな」と思ったのは、この舞台に密着したドキュメントを見たからなんです。

ああ、そう言えば・・・・と、検索しました。

今の時代って、本当に便利ですよね。昔だったら、自分の記憶とか記録しか頼りにできなかったのに、今は調べたらわかるのですから。

それは・・・・。

つまり、それは2012年のドキュメントだったのかしら。

その中で、スタッフに支えられて楽屋に引きずられるように戻る彼の姿が映されていて驚きました。

「命を削るように」と森光子さんが言ったとか。まさにそんな感じ。

ジーンとしました。

 

あっ、待てよ・・・・と、またここまで書いて、考える私。2012年の前後なら、何処かに感想とか書いていないかなと、自分のブログ検索してみました。

ブログにはなかったのですが、ツイッターのログの方にありました。

ところが !!

「『堂本光一 すべてはステージのために~究極のエンターテインメント「SHOCK」~』再放送なう。 #nhk

「「堂本光一 すべてはステージのために」は見ごたえあったな。最後にテレビに向って拍手しそうになったよ。 #nhk

「私の中では藤原竜也と堂本光一には共通点があって、彼も凄く好きな人なのだ。銀狼の時から凄く好き。」

タイトルが違う ?

いいえ、タイトルどころではなく、日付が違っていました。私が見て、そしてツイッターに書き込んだのは、2010年11月6日(土)。(^_^;)(^_^;)(^_^;)

だけど上に張ったDVDのレビューにも、私が感じたようなことが書き込まれていたので、見たものとは違っていても、そのままにしておきますね。

つまり彼はずっと同じ姿勢を貫いていると言う事なのですね。

しかし、『私の中では藤原竜也と堂本光一には共通点があって、』って、それは何~ ?

思わず過去の私に問いかけてしまった私。たぶんそれは仕事に対しての姿勢かも知れませんね。

 

彼の想いが、舞台全体に貫かれているように感じました。ストーリーに関係なく、最後に思わず涙が滲みました。

あの階段落ちのシーンを、彼はずっとやり続けて来たのかと思うと、それはそれで凄いなと思いますが、私的にはあの空中浮遊に心打たれました。あまりにも美しくて、そして天使のように自由自在。本当に飛んでいるようで、夢に出て来てくれないかなと思うくらいでした。

でも一番魅入ってしまったのは、やはりダンスかも知れません。

もうこれでもかと言うくらいのサービスの良さ。

この舞台のオファーが来たら、役者さんは嬉しいと思いますが、それだけでは務まらないなと思いました。何せ要求されることが多数ですよね。歌って踊れて、それも半端の無い数をです。特に幼馴染役の人などはコウイチと同じく、大太鼓を打ててパーカッションをセッションして、ダンスも和も洋もですからね。そして殺陣もやり、お芝居の部分も、愛しながら憎むと言う、かなり複雑な心情を吐露して行かねばならず、又シェークスピアのセリフも覚え演じると・・・・・。

これって、お芝居の中のコウイチと同じく、堂本光一さんがアイデアを出しみんなを引っ張って行っているのではないかと思います。何せ、脚本・演出とも彼がやっているのですから。

その幼馴染役を上田竜也さんが演じていますが、とっても良かったです。

この映画を見に行った後、友人と会ったのですが、そこでこれを見て来たと言ったら、

「ジャニーズ、チェックしてなかったからなぁ、知らなかったわ。」と言われました。

いや、私だって「ジャニーズ」をチェックした事なんかないですよ。

ドラマを見て、そこに出てきた人の名前を覚えるくらいで、誰がどのグループの人なのか全く知りませんし。

しかし、こんないろいろと記録を塗り替えている舞台でも、ジャニーズの舞台と言われてしまうものなのかと、ちょっとだけ思ってしまいました。

だけどまあ、上田竜也さんってどんな人なのかと検索して、彼がKAT-TUNのメンバーである事は、しっかりと覚えました。ついでながら、そこからいろいろとネットの波に乗り、いろいろと検索してしまいました。

昨日より、かなりジャニーズに詳しくなった私です (笑)。

 

それはさておき、映画の終わりに光一さんの挨拶があって、

「エンドレス・ショックは舞台です。いつか機会があったら、是非舞台でご覧ください。」と言っていたので、いつかまた生の舞台を見たいものだと強く思ったのでした。

 

 

 

コメント (2)
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