或る日の私。
さあ、キッチンを片付けよう。
そう思って流しに行くと、満杯に水が満たされたグラスに感動をした。
なんてなんて綺麗なんだろう。
或る日の私。
ゆで卵を作ろうと卵を冷蔵庫から出して常温に戻す。
転がってはいけないと大根の葉の向こう側に置く。
なんて言うか、これ愛らしい。
茂みに隠された卵みたい。
或る日の私。
ベランダの花に水遣りをしていて、花たちにちょっとおすそ分けをして貰った。
窓辺に飾って、これだけでなんとなく嬉しい。
昨日の私。
久しぶりに友人とランチ。
人のことは言えないが、友人はいつも遅れてくる。
珍しく時間通りに行ったから、一人でのんびりお茶。
ストロベリーのお茶。
良い香り。
今だけのものを楽しみたい。
今日の私。
週に何回かを、朝、うどんを食べるのが良いと夫が聞いてきた。
何が根拠か知らないが、パンをかじって行くよりかは美味しそう。
今朝は早起きをしたので、簡単にうどんを作る。
葱しか入っていない素うどんだけど。
葱と包丁とまな板。
なんだかこんな普通の風景が素敵に見えちゃったりして、
キッチンに立つのが楽しかったりしてね。
グラスの水はこぼされて、大根の葉っぱももうない。
パンジーの花ももう枯れて、すべて時間の波に乗って過ぎ去っていく。
毎日はささやかな事の連続。
ささやかな事に喜んで、ささやかな事に傷ついて
あっという間に過ぎていく。
今日と言う日を過ごす事は、まるで広い野原に立つ様なもの。
その野原の中で、何輪の花を摘んでいけるのかなんて
そんな事を考えている朝。