なんだか怖い、嫌な話だと思いました。
怖いと思ったのは、犯人や殺し方にではありません。
俗に言う、「本当に怖いのは人間」と言う言葉がぴったりだった村人たちでしたね。
確かに連続殺人犯だった者が、村に住んでいたら怖いと思います。だけどそれは容疑者だっただけ。しかも別に疑わしきは罰せずとかのグレーゾーンの人とかではなくて、ちゃんと真犯人が捕まっている事件だったのですよ。
それを犯人と同じような扱いをして、更に殺害してしまうなんて酷すぎます。
そしてそれを目撃されると、村や仕事を愛していた女性さえも殺害してしまうのですから、話になりません。
良い人たちだったと他の村人たちから信頼のあった、殺害された村人たち。
だけど彼らこそが殺人者。彼らはその小さな小さな世界の中の法律を持って、橋沼と目撃者になってしまった女性を殺してしまったのだと思います。
彼らの世界ではそれが正義だったのでしょう。
これって殺人と言う項目ではありませんが、意外と似たような事をやっている人はいるのではないかしら。
今回、山中で磔にされていた男の死因は溺死だったと言うところが、サスペンス的ツボだったと思います。あのグルグルとロープで巻かれた死体を見た時に、ガリバーみたいだなと思いました。それはまったく意味もない感想ですが、大地に磔って、けっこう怖い構図になるんだなと思いました。
しかし女性一人で、どうやってやったんだろうとかと思ってしまったのですが、「女は弱しされど母は強し」と言う事なのでしょうね、きっと。
最後に霊体質の右京さんが、幸せそうに寄り添っている二人の姿を見る事が出来たのは、救いだったと思いました。