本日2/16、毎日新聞朝刊都内版で、築地市場移転候補地、豊洲6丁目東京ガス跡地の新事実が報道されました。
土壌汚染対策を考える専門家会議では報告されなかったといいます。
新事実とは、軟弱地盤の土地に、埋設杭1万8000本埋まっているとのことです。
いままで、有楽町層という不透水層(実は難透水層)が存在して、有害化学物質は、その下に行かない、故に土壌汚染調査自体も汚染を有楽町層の下に広げてはいけないので、その部分で調査を止めるということが東京都の言い分でした。
1万8000本の杭は、有楽町層を貫き、汚染を有楽町層の下にまで、広く拡散してしまっている可能性が大いにあるのではないでしょうか。
また、埋設杭1万8000本を打たねばならないほどの軟弱地盤の土地であるということが、わかります。
震災時の液状化現象は必発ではないでしょうか。
震災時に卸売市場は、食料供給基地にならねばならないのに、これでは、震災時に使い物にならない恐れがたぶんにあります。
すなわち、豊洲埋立て地は、土壌汚染の点からも、震災時の液状化の恐れがある点からも、市場建設に不適切な土地であることがわかります。
新聞記事にもありますが、都合の悪いデータは、隠蔽したままことを運ぶ東京都行政の姿勢はとても残念に思います。
今後なされるという土壌汚染技術に関する「実証試験」の結果は、隠すことなくすべてを公開していただきたいと考えます。
以下、記事です。なお、下線、赤字、太字は、小坂がつけました。
*****毎日新聞(2010/02/16)****
築地市場移転:計画地に埋設杭1万8000本 都、専門家会議に報告せず /東京
築地市場(中央区)の移転が計画されている江東区豊洲の東京ガス工場跡地にコンクリートや鋼管製の杭(くい)約1万8000本が埋設されていることが分かった。都の土壌汚染対策を取りまとめた専門家会議には報告されておらず、同会議のメンバーは「杭があっても対策に変更が生じることはないが、杭が腐って空洞化した場合、汚染の通り道になる可能性はゼロではない」と指摘している。
埋設されているのはコンクリート杭(長さ平均17・5メートル)約1万4000本、鋼管杭(同平均34メートル)約500本のほか、木製杭(松杭、同平均10メートル)や合成材の杭(同平均16メートル)。都情報公開条例に基づく市民団体の開示請求で明らかになった。豊洲は埋め立て地で地盤が緩いため、工場施設などを建設する際に深く杭を打ち込む必要があったとみられる。
都は06年3月、用地購入の際に埋設物の撤去費用として約36億円を代金から控除する協定を東京ガス側と結んでおり、「都側に新たな負担は生じない」としている。土壌改良を施す際には埋設物は取り除かず、邪魔になった場合は切断して処理するのが一般的といい、「対策を検討する上で影響がないため、専門家会議に報告する必要はないと判断した」という。
専門会会議の座長を務めた平田健正・和歌山大理事(環境水理学)は「松杭は腐りにくいが、鋼管杭などが朽ちて土壌汚染の通り道になる可能性はないとは言えない」と指摘。「こうした事実が一般市民の情報公開で出てくることが問題で、汚染に関連する情報は進んで開示した方がよい。後追いだと都合の悪いデータを隠していると受け取られる恐れがあり、信頼関係を損なうことになりかねない」と都の対応を批判している。【市川明代】
〔都内版〕
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