<ポイント>
①築地市場地元中央区が現在地再整備を求めていることを示すためにも、平成12年12月に行った「現在地再整備の促進の基礎調査」を再度行うべきである
②築地市場移転を前提として地上化した環状二号線の計画のみが、現在地再整備が言われている中、進行させることは、誤っている。
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○小坂委員
以前、タウンミーティングがあり、区長がお話しされていた中では、環状2号線は、やはり市場が残るのであれば、地下にもう一回するというふうなことを御発言なさっていたのを私、覚えておりまして、8月4日ごろでしたか。私はやはりこれは再度地下に戻してもいいんじゃないかというか、移転という前提が崩れたわけですから、地下に戻してもいいんじゃないかなと思います。もしわかる範囲で、再度確認になりますけれども、500億円ぐらい違うとか聞いたこともあるんですけれども、すみません、もう一度確認なんですが、地下でつくる場合と地上でつくる場合のおのおのの費用というのはどれだけになりますか。
○矢田区長
タウンミーティングで、私、地下化ということを言明した覚えはございません。
○越地土木部長
詳細な費用については、今、手元に数字がございませんけれども、確かに、委員おっしゃったような、差額でいけば、今御発言のあったような差額が出ていたという記憶がございます。
○小坂委員
アスベストの問題や耐震性の問題や、幾らかかるかという環状2号線の価格、これら基本的な情報が地元区に伝わってこないという東京都の姿勢がいかがなものかと思います。それで、区長、この環状2号線、どうしましょうか。私は、セットでこれは地下化すべきだというふうに受けとめているんですけれども、再整備をするのであれば環状2号線が邪魔になってくるんじゃないかなと思うんですけれども、区長、そのあたり、東京都に何と申していくお考えですか。
○矢田区長
タウンミーティングは、いつでしたかね。まあ、いいや。それは別にいたしまして、政治状況がどんどんどんどん変わってきているわけですね。都議会の構成もかわり、また政権もかわってきているわけでありますし、鳩山総理が来て、これは総理になる前ではあったけれども、都議選の初日ですか、築地市場は断固移転させないということを言明しているわけでありますし、そういう意味では政権公約であろう、こういうふうに先般来申し上げているわけであります。ですから、地下化でやるか、あるいはどうやったらいいかというのは、現在地で整備ということで、こういう政治状況、都議会のほうは、これはもう4年間かわらないわけでありますし、政権のほうはどうなるかということも、長ければ4年間はかわらないんであろうし、ですから、そういう中で現在地整備ということで東京都のほうも考えていくであろう。特別委員会も決まったわけですから、そこでも大いに論議されるであろうということを期待して、また大いに私たち、見守っていかなければならない、こういうふうに思っております。
○小坂委員
環状2号線は、地元の区民の方々も多数、恐らく大半だと思うんですけれども、地下に戻してほしいというふうな思いを持っていると私は受けとめております。そこからすると、区の立場としては、前提が崩れた以上は再度地下に戻していくというのが区のまちづくりの考え方かと思いますけれども、いかがですか。
○吉田副区長
委員は前提が崩れたというお話なんですが、基本的には、いわゆる状況は変わりました。では、現在地再整備はどういう形でやるのか、これは平成5年から平成11年まで市場の中できちんと現在地再整備については話し合いをされたわけです。それぞれ使う側、荷受けの方、青果の方、仲卸の方々を中心にして、そこの事業者の中でいろいろ話し合いをされて、話がまとまらなかったという経過もあるわけでございますけれども、いずれにしても、現在地再整備なら現在地再整備というテーマに沿って、ではどういう現在地再整備があり得るのかということについて、きちっと議論しなきゃいけないわけでしょう。それは、私ども以前に、市場開設者である東京都と、そこの中で仕事をされる方がどういうふうにあるべきかということを議論するわけですよ。そういう中で、仮に現在地再整備なら現在地再整備をやっていく中で、再整備のやり方についても現実にその地域の中で細分化して、築地のあの23haの中でブロッキング化してやれば、これは10年、20年かかっちゃう話ですから、そういうものではない方法も含めて、現在地再整備のあり方はどうなんだということをいろいろ検討されるはずですよ。さまざまに検討される。そういう検討をされる際に、では環状2号線という道路はどういう形であるべきなのかということもさらに議論をされていくわけであって、そういったものについて、一つ一つきちっと議論をして、検証をし、そして具体的に話をまとめていくということが必要であろうというふうに思っておりますし、そのことについては、基本的な話の主体はやはり市場開設者である東京都と、そこの中で大きな市場流通に携わっている業者の方々がきちっと話し合っていく。その結論として、どういうふうな構造が必要なんだということについて話し合いが出ていく。そのことをまた、地元区として見ながら、その部分について、地域の全体の環境も含めて私どもなりの判断をしていく。私どもは、やはり基本的に築地に市場が残ってほしいということはあるわけですから、市場の残し方なら残し方ということの議論がされていく過程の全体構図を見ていかないと、必ずしも……。
大変恐縮でございますが、例えば、あそこの耐震化されているアーケードは残すべきだ、歴史的建築物としては確かに残すべきかもしれませんが、その部分については、築地の中で、ここでお仕事をされている方がどうするかということを考えて、絵をかいていく中でどう残すかを決めるべきことでしょう。それは、外の話ではないんですよ。そのことを私たちがきちっと見て、それとの対応の中で環状2号線に対してもどうしていくか。順番というものは、まず話し合い、そこで再整備をするなら再整備をする絵姿とやり方を見、そのときに環状2号線というものがどういう役割を果たすのかを見、そして、その中でどういうことが期待されているから、これはこうだなという順番で話を詰めていくべきであって、そこについて私どもは区として、逆に悪い影響が出ないように、それぞれの段階で検討されたものについて対応していくというのが私ども区の基本的な立場であろうというふうに思っております。
○小坂委員
環状2号線については、1つには移転を前提に我々は都市計画決定を地上化に変更しているわけなので、その移転の前提が崩れたら、また別の考え方をしていくべきであると私は考えます。
それと、環状2号線は市場との兼ね合いの中で、どのような姿であるべきかを考えるべきだと、今、副区長の御答弁でお伺いしました。であれば、今、どのように市場があるべきかが論議されている中で、環状2号線の話だけ先へ先へと進んでいくというのもおかしいと思いませんか。これは、環状2号線もセットでストップがかかるべきだと思いますが、そこに関してはそのまま事業が、そこだけは進んでいくというのはおかしな話と思いませんか。
○吉田副区長
環状2号線については、この点については、その件も含めて、私どもとしては注目しておるわけでございます。率直に申し上げて、ことしの1月の、やはり東京都の予算案の中でその部分についてどういうふうな作業をするか。具体的に、今まで事業は現実の問題として、臨海部から晴海のところまでの部分については、もう工事を進めているわけです。御案内のとおり、もう橋げたもできている状態になっています。その先の部分については、来年度からの予算なんですよ。1月に発表される東京都の予算の中でどういうふうになってくるかなんです。そのことを含めて、私どもは見たいと思っています。
それと同時に、これは理解をしていただきたいんですが、これは現在地再整備という中で、やはり現実に手狭なところで再整備をするというようなことになったときに、豊海の地域にございます冷凍倉庫群でありますとか、多角的にいろいろなことと連携をしないと、現在地再整備はなかなか難しいところがあるわけなんですよ。では、そのときに単純に、ある意味で決めつけて、これは現実のところ、地下化といいますと、晴海の地域から潜らないと築地で上がってこられないんですよ、環状2号線。隅田川をくぐりますから。下をくぐりますから。現実に、それでは勝どき地区との連携であるとか、いろいろさまざまな連携が、ある意味これから出てくるかもしれない。そういったことを、市場再整備のあり方の中でトータルで見詰め直してやらないと、言えないでしょうというふうに申し上げている。現在地再整備なら現在地再整備の絵姿がどうあるんだと、地元の方できちっと話し合って、そのときに環状2号線がどういう役割を果たすんですか。
仮に1月に環状2号線の事業が動くということになったとしても、現実の問題として、築地の部分については、今、掘り割り式で入れませんよ。市場をやっているんですから。東京都は必ず暫定道路という話になりますよ。これは、正直言って、曲げますよ、市場の中に入らない形で。その曲げた道路というものについての効能とか役割というものも考えなきゃいけないわけですから、そういうことも含めてトータルに考えないといけませんよということを申し上げている。順番は、再整備のあり方についての一つ一つの詰めだと思っておりますので。
○小坂委員
おっしゃっている部分はわかりますが、ただ、我々は現在地再整備を望んでいるわけですし、市場で働く人たちは区民なわけであり、その方々が望んでいる以上、区としてもその方々の思いをいかに実現していくか。その中で、都にさまざまな提案をしていく必要があるわけで、その提案をどのようにしていくかというところですよ。現在地再整備を実現するに当たっては、区としてはどう考えるかというふうなことも考えてしかるべきだと思います。現在地再整備を区民が望んでいるからです。そのプランを、昔はつくったわけですよね、現在地再整備に向けての計画ということを。それをつくったわけで、そのような書物を出したではないですか。きょうは持ってきていませんけれども。
○吉田副区長
これは誤解があるといけませんけれども、私どもは築地市場に手をつけて、市場の中で絵をかいたことは一度もございません。私ども、現在地再整備は一貫して望んでおります。ただし、あそこの平成5年に寄稿した絵についても、これは市場がかいたんですから。あくまでも東京都の機関としての市場が絵をかいたんですよ。それに協力するために、私どもとしては、現実に東支川、南支川の埋め立てをやったわけです。うちは絵をかいていませんから。これは、基本的に東京都がやるべきなんですよ。
○小坂委員
再整備に向けての計画なり書物はつくったわけであり、そのことをこの現状において再度評価して、同じようなものを私は再整備に向けて区の考え方という計画なりをつくるべきだと思って、今、発言させていただいているわけですが。
○小泉企画部長
これまでに本区で行ってきましたのは、平成12年12月の現在地再整備の促進の基礎調査とか、それから2回にわたるアンケートとか、そういった取り組みがございました。それと同時に、移転した場合、万が一の対策としてのあの敷地をめぐっての構想みたいな、それは場外市場を中心とした鮮魚マーケット、こういったものはございますけれども、今の市場を再整備するというような形で区がそういう絵をかいたということはございません。
○小坂委員
再整備に向けての基礎調査、それをすべきじゃないかなと私は考えますが、いかがですか。12年につくったのであれば、再度この時点でそれを行うべきだと考えますが、いかがですか。
○吉田副区長
申しわけありませんが、平成12年のときの、つまり再整備の絵というのは、東京都がつくった絵ですからね。私どもはつくっていないと、先ほど私も申し上げているし、企画部長も申し上げているように、私ども、市場の中の絵というのは一度もつくったことはないんですから。
大変申しわけありませんが、私、先ほど答弁した引き続きで、私のほうから答弁させていただきますけれども、現在地再整備は我々も一貫して望んでおりますけれども、そこの絵をかくのは市場開設者である東京都と、その東京都が責任を持って、あそこで働く人々にどういう市場であるべきかということを御相談しながら絵をかくべきであって、私どもがかくべきであるというふうには私は思いません。それは、基本的に使う側の利便性を含めて絵をかかなきゃいけないので、私どもがかくべきことではないというふうに考えております。
○小坂委員
絵について言っているのではなくて、そのような絵があれば、かければかいて出すべきだと思いますけれども、そこまで望むのが難しいのであれば、市場の中で働く人たちの今の経営がどのような状態であるのかとか、場外市場の今の状況がどうであるのかをまとめた基礎調査を再度、再整備実現に向けて行うべきであると、今、申させていただいているわけであり、それが平成12年でしたっけ、あるわけですよね、基礎調査。
○小泉企画部長
この当時、現在地の評価分析で、どちらかといったら文言整理を行って、この当時、土壌汚染の問題というのはございませんでした。東京ガスが公表したのは13年のたしか1月で、ホームページで公表して、それ以降5つの疑問が7つにふえた、実はそれ以前の取り組みでございますので、現在地で、要するに交通の利便性だとか、これは地元で現在地を望む、そういう考え方で都心商業との関係だとか歴史的蓄積、こういうものとの関連、こういった整理をするとともに、東京都が整備されたA案とかB案とかC案とかいう中身を、当時、現在地の整備推進会議ですか、これは築地市場の現在地で整備を促進していこうといった会議体が業界との関係で東京都に行いましたけれども、その中でいろいろな検討を、平成8年の見直し以降の案を検討していた。その検討案について、一定程度の評価をしながら、そのほかにアスベストの対策の問題があるとか、それからほかの事例で、大阪市の中央卸売市場、ここでも現在地で再整備できたんだと。そういう事例も紹介しながら、現在地再整備を促進する、そういうことが可能じゃないかという、平成12年12月のときに調査を行ったものでございます。これは、あくまでも区のほうが何か市場の中での絵をかいたとか、そういった議論ではない。その時点での調査をまとめながら、現在地での再整備をどうやって促進していくか、そういった考え方の取りまとめを行ったものでございます。
それを今やれということの御提案なのかもわかりませんけれども、今、こういう形でやるべきなのか、それはまた、じっくり考えなきゃならない部分はございますけれども、少なくとも、今、東京都の中で東京都の開設者としての行政と議会との話し合いがこれから始まる。そういう中を、やはり動きを見ていきたい、そういう考え方で、現在、私どもはおります。
○小坂委員
ですので、絵をかいたとかいうわけではなく、恐らくその調査の中で、A案、B案、C案を評価したというところだと思います。それで、私も実際に絵があるとか、そういうことは申しておりません。それらを評価したということです。そのような基礎調査を再度行うべきであると私は考えます。それでないと、地元自治体がどのように考えているかということが東京都に伝わらないからです。そのような基礎調査をぜひとも行っていただきたいと考えますけれども、いかがでしょうか。
○橋副区長
さまざまな理事者が答弁しておりますけれども、委員がそうお考えになるのは、それは結構です。ただ、これは先ほどからそれぞれの理事者が答弁していますように、開設者は東京都で、そういうような基礎調査が必要ならば東京都が当然にやらなければいけない、そういう問題ですから、先ほどからそういうふうにお答えをしているわけで、私どもとしては、あくまでも、これももう以前から同じように築地市場はずっと中央区にあってほしいという思いは一貫して変わっていないわけで、常々区長も言っているわけです。ただ、開設者である東京都がその市場の中で働いている、あるいは業を営んでいる方々の御意見を十分に酌んで、その方々の合意のもとに、市場の現在地の再整備でもしできるのであれば、そういう図をかいていく、計画を立ててやっていくというのが東京都の仕事であります。これは、法令上もそういうことになっているわけです。
ですから、先ほどから答弁申し上げていますように、もしそういう調査が必要であれば、あくまでも東京都がやるべきであって、また、今現在は東京都が土壌汚染の問題についてもきちんと安全という宣言ができるようなレベルにまだ達していない。それも東京都の責任できちんと結末をつけるわけです、都民の方が納得できるように。それもこれもすべて東京都がやらなければいけない仕事ですから、私どもとしては、側面から、そういう中で市場の方々がどういう市場整備を望んでいるか、地元区としてそういう方々の支援を側面から支えていく、そういう立場では、中央区としては地元区としてお役に立てるところがあるんじゃないかと。
ただ、基本的に市場をどういうふうに整備していくというのは、何回も言うようで、くどいようですけれども、開設者である東京都が考えなくて、だれが考えるんですか。中央区は開設者ではないんですから。これは、東京都が責任を持ってやるべきです。何度お答えしても同じ答えになると思いますから、私のほうからも、あえてお答えをさせていただきました。
○決算特別委員会委員
第6款「土木建築費」の質疑半ばでありますが、暫時休憩し、午後3時30分に委員会を再開されるようお諮り願います。
⇒(3)へ続く