コアサンプル廃棄差止請求訴訟の第三回公判が東京地方裁判所で開かれ、傍聴してまいりました。
裁判で行われたことのひとつは、原告側は、以下の論理で、被告である東京都に資料請求を行ったことです。
******資料請求の論理と請求内容*****
1東京都は、技術会議が提言している土壌汚染対策が、「関係法令が求める対策に比べてはるかに手厚い土壌汚染対策」であると主張し、底面管理を行うことで不透水層の位置に関係なく土壌汚染の状況を把握した上で対策を行うとしている。
2しかしながら、技術会議が提言している土壌汚染対策をみても、抽象的に工法を記載しているだけで、具体的にどのような汚染対策を行うかが明らかではない。しかし、一方で同意見書では土壌汚染対策経費を586億円と推定している。
3経費の算定に際しては、積算根拠となる各対策工事の詳細な見積もりが存在するはずである。対策工事が実施されていない現時点では、積算根拠となる資料が最も土壌汚染対策の実質的な内容を明らかにしている資料と考えられる。
また、東京都は、東京都議会に対して、平成22年度予算の中に豊洲地区の土壌汚染対策費用として予算計上を行っている。上記1の資料とは別に被告が予算計上に際して積算根拠とした見積もり資料が存在するものと思われる。
4東京都は、技術会議の構想に基づいて移転対象土地の汚染除去、防止の工事を進行させようとしている。この構想は、専門家会議から技術会議への経過をみると、専門家会議の構想をさらに簡略化し、必要予算も減少させている。しかし、元々の専門家会議の分析と構想自体もそのずさんさについて厳しい批判が行われているところであるが、本件の争点との関係では現地の地層の状況、地下水の分布、土壌と地下水の汚染の汚染の広がりとの関連でいかなる工事が設計されているのかが具体的に明らかにされ、それが本件にかかわる原告、被告、裁判所の共通の認識にされなければならない。
よって、原告は、被告の東京都に対し、下記事項について東京都が明らかにすることを求める。
記
第1
1 技術会議が経費の算定に際して積算根拠とした見積もり資料、及びその基礎とされた汚染対策工事設計書またはその概要
2 東京都が予算計上に際して積算根拠とした見積もり資料、及びその基礎とされた汚染対策工事設計書またはその概要
第2
仮に上記文書に直接に該当する文書がないときは、上記積算の根拠となった何らかの文書資料
以上
*************
結局、技術会議のいうところの豊洲移転候補地での「汚染対策工事設計書」を要求したのでした。
すなわち、対策工事の面的な広がりの中で、どの場所に対して、かつ、深さ方向の広がりの中で、どの深さまで、どのような汚染対策工事をするのかをひとつひとつ書いた資料を要求しています。
もし、この資料が出されたならば、例えば、対策工事をするある地点の深さ方向の汚染対策が果たして十分かどうか、保存請求をしているコアサンプルにより、対策より深い部分の汚染状況を検証することができます。また、対策工事をしない地点の汚染が果たして大丈夫かどうかの検証も、コアサンプルにより、行うことができるのです。
第二回公判で、東京都と仲卸の関係は、『大家と店子の関係』にあり、「原告の疑問に答えずにコアサンプルを廃棄することは、『大家と店子の関係』に基づく信義則に反する」と主張をしました。
大家である東京都は、店子である仲卸を、土壌汚染の場所に、連れて行くわけであり、安全性について十分に説明する義務があるわけです。コアサンプルを廃棄すると、上記のような検証ができず、安全性を説明する義務を東京都は果たせなくなるのです!
よって、コアサンプルの廃棄をしてはならないと原告は主張しています。
一方、被告である東京都側の本日の主張は、汚染対策工事が安全になされるかどうかと、コアサンプル廃棄は別のことであり、関係がない。
よって、資料を提出する必要がないと主張いたしました。
今後、なさねばならないことは、裁判で要求はしながらも、被告が出さないと言っている汚染対策工事に関する資料をできる限り集める必要があります。
また、「汚染対策工事が土壌汚染を完全に処理できるかどうか」ということと、「コアサンプルの保全」が、東京都は関係ないと言っているが、関係が大いにあるということの論理の補強を行っていく必要があります。
コアサンプル廃棄差止請求訴訟は、食の安全・安心を守るために、絶対に引けない戦いであると考えています。
どうか、ご注目いただけますと幸いです。
できましたら、裁判の傍聴にご一緒いただけますとありがたいです。
<日程>
第4回公判:平成22年5月13日(木) 午前10時~ 第610号法廷
第5回公判:平成22年7月1日(木) 午前10時~ 第610号法廷
裁判で行われたことのひとつは、原告側は、以下の論理で、被告である東京都に資料請求を行ったことです。
******資料請求の論理と請求内容*****
1東京都は、技術会議が提言している土壌汚染対策が、「関係法令が求める対策に比べてはるかに手厚い土壌汚染対策」であると主張し、底面管理を行うことで不透水層の位置に関係なく土壌汚染の状況を把握した上で対策を行うとしている。
2しかしながら、技術会議が提言している土壌汚染対策をみても、抽象的に工法を記載しているだけで、具体的にどのような汚染対策を行うかが明らかではない。しかし、一方で同意見書では土壌汚染対策経費を586億円と推定している。
3経費の算定に際しては、積算根拠となる各対策工事の詳細な見積もりが存在するはずである。対策工事が実施されていない現時点では、積算根拠となる資料が最も土壌汚染対策の実質的な内容を明らかにしている資料と考えられる。
また、東京都は、東京都議会に対して、平成22年度予算の中に豊洲地区の土壌汚染対策費用として予算計上を行っている。上記1の資料とは別に被告が予算計上に際して積算根拠とした見積もり資料が存在するものと思われる。
4東京都は、技術会議の構想に基づいて移転対象土地の汚染除去、防止の工事を進行させようとしている。この構想は、専門家会議から技術会議への経過をみると、専門家会議の構想をさらに簡略化し、必要予算も減少させている。しかし、元々の専門家会議の分析と構想自体もそのずさんさについて厳しい批判が行われているところであるが、本件の争点との関係では現地の地層の状況、地下水の分布、土壌と地下水の汚染の汚染の広がりとの関連でいかなる工事が設計されているのかが具体的に明らかにされ、それが本件にかかわる原告、被告、裁判所の共通の認識にされなければならない。
よって、原告は、被告の東京都に対し、下記事項について東京都が明らかにすることを求める。
記
第1
1 技術会議が経費の算定に際して積算根拠とした見積もり資料、及びその基礎とされた汚染対策工事設計書またはその概要
2 東京都が予算計上に際して積算根拠とした見積もり資料、及びその基礎とされた汚染対策工事設計書またはその概要
第2
仮に上記文書に直接に該当する文書がないときは、上記積算の根拠となった何らかの文書資料
以上
*************
結局、技術会議のいうところの豊洲移転候補地での「汚染対策工事設計書」を要求したのでした。
すなわち、対策工事の面的な広がりの中で、どの場所に対して、かつ、深さ方向の広がりの中で、どの深さまで、どのような汚染対策工事をするのかをひとつひとつ書いた資料を要求しています。
もし、この資料が出されたならば、例えば、対策工事をするある地点の深さ方向の汚染対策が果たして十分かどうか、保存請求をしているコアサンプルにより、対策より深い部分の汚染状況を検証することができます。また、対策工事をしない地点の汚染が果たして大丈夫かどうかの検証も、コアサンプルにより、行うことができるのです。
第二回公判で、東京都と仲卸の関係は、『大家と店子の関係』にあり、「原告の疑問に答えずにコアサンプルを廃棄することは、『大家と店子の関係』に基づく信義則に反する」と主張をしました。
大家である東京都は、店子である仲卸を、土壌汚染の場所に、連れて行くわけであり、安全性について十分に説明する義務があるわけです。コアサンプルを廃棄すると、上記のような検証ができず、安全性を説明する義務を東京都は果たせなくなるのです!
よって、コアサンプルの廃棄をしてはならないと原告は主張しています。
一方、被告である東京都側の本日の主張は、汚染対策工事が安全になされるかどうかと、コアサンプル廃棄は別のことであり、関係がない。
よって、資料を提出する必要がないと主張いたしました。
今後、なさねばならないことは、裁判で要求はしながらも、被告が出さないと言っている汚染対策工事に関する資料をできる限り集める必要があります。
また、「汚染対策工事が土壌汚染を完全に処理できるかどうか」ということと、「コアサンプルの保全」が、東京都は関係ないと言っているが、関係が大いにあるということの論理の補強を行っていく必要があります。
コアサンプル廃棄差止請求訴訟は、食の安全・安心を守るために、絶対に引けない戦いであると考えています。
どうか、ご注目いただけますと幸いです。
できましたら、裁判の傍聴にご一緒いただけますとありがたいです。
<日程>
第4回公判:平成22年5月13日(木) 午前10時~ 第610号法廷
第5回公判:平成22年7月1日(木) 午前10時~ 第610号法廷