「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

中央区を変えなくてはならない理由 在宅医療介護の視点から

2011-02-04 06:08:05 | マニフェスト2011

 昨日もこの中央区に危機感を覚えている人がどんなに多いことか実感した一日でした。

 もちろん、私もそのひとりです。だから、行動を起こさなくてはならないと考えています。

 一見、人口増加が順調で、本区はこれからも安泰であると安心感をいだくひとがいらっしゃるかもしれません。

 人口増加の裏返しは、例えば急激な人口増加により、保育園・学校施設不足や駅・交通機関などインフラ整備が追いつかないこと、急激な人口増加によりコミュニティの形成ができにくいこと、今はよくても20年後30年後に介護福祉の問題が生じることなどあります。

 中央区を変えなくてはならない、危機感を覚える理由のひとつは、在宅医療介護をもっと真剣に取り組まねばならないことがあります。

 ちょうど、昨日2月3日、中央区医師会主催の在宅医療推進シンポジウムが開催されました。


シンポジウムに参加して、私が感じた現況の問題点を列挙致します。

*急変時に入院できる病院がない。緩和ケアでは緊急入院率が高い。(急変時の対応として①家族との連絡体制、②訪問看護ステーションとの連携、③後方支援病院が重要)

*在宅医療を担当している医師が携帯をオフにする時間を持てるパートナーがいない。

*病院での退院支援によって、在宅を選択するか否かが大きく影響される。

*国立がん研究センター中央病院、聖路加国際病院(緩和ケア科等)との連携が欠かせない。

*レジデントの段階からの教育に導入していく必要がある。

*がん治療において、ホスピス緩和ケア(とくに終末期では、しかし、がん治療早期からの関わりが重要である。)を提供する必要がある。その場合、多くの他職種との連携(聖路加緩和ケア科の場合:医師、看護士、チャプレン、薬剤師、音楽療法士、アロマ・リフレクソロジーなど専門ボランティア、ボランティア、チャイルドスペシャリストなど)が欠かせない。

*肺炎での死亡が多い。

*緊急ショートステイがない。

*認認介護がなされている。(認知症が認知症を介護)

*他職種で在宅医療を見る場合の情報共有体制、媒体

*訪問歯科診療の体制の整備。訪問でできる歯科治療はかなり制約された中で行わねばならない。

*口腔ケアの徹底が必要。(歯科衛生士の定期的訪問の介護メニューでの選択)。口腔ケアが肺炎を減らす。

*在宅医療の可能性を、医療者側も患者側も知らない。

*家族関係の希薄化から、在宅医療がなされにくくなってきている。

などなど、順不同で感じました。

 

 そこで、中央区は、喫緊の課題として、早急に解決に向けて取り組まねばならないと思っています。

*在宅医療に関する情報提供

*後方支援の病院確保

*訪問歯科診療の普及

*在宅医療の鍵を握る訪問看護、ケアマネージャーの体制強化

*在宅ですごせるための介護予防からの取り組み

*緊急ショートステイ整備

*顔の見える関係でのネットワーク

*認知症対策、成年後見人制度の普及

*特養等整備

*これらを推進する行政側の体制整備と在宅療養支援協議会(2009年11月より設置)支援

 

 上記を、喫緊の課題として行っていかねばならない、そのためには、中央区を変えていかねばならないと思っています。

 国の社会保険財政が破綻する前に、中央区こそ国にモデルケースを示していくことまで見据えて。

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