「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

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ポリオ予防接種の不活化ワクチンを承認することを求める意見書

2011-03-01 23:00:00 | 築地を守る、築地市場現在地再整備
 以下は、葛飾区議会の意見書です。

 時々、かかりつけの親御さんからもお尋ねされる案件です。私のクリニックでも、ポリオ不活化ワクチンの導入には至っていないわけではありますが、今後、導入を図っていきたいと思っています。

 中央区としても何らかの形で、区民の皆様が、ポリオ不活化ワクチンを受けることができる体制整備ができないか、検討をしていきたいと思います。

*****葛飾区議会ホームページより*****
http://www.katsushika-kugikai.jp/30431.html

ポリオ予防接種の不活化ワクチンを承認することを求める意見書

 現在日本では、ポリオ予防接種のワクチンについて、弱毒化したポリオウイルスを使う生ワクチンが使用されている。日本においては、原生種による発症はなくなり、発症事例は予防接種の生ワクチンに起因するものだけになっている。先進国では、ポリオウイルスを完全に無毒化して一部を使うことで、発症のリスクを少なくする不活化ワクチンが主流であり、先進国の中では日本だけが生ワクチンを使っている。
 しかも、日本では、リスクのある生ワクチンでの予防接種を回避しても、周囲の子どもたちが生ワクチンの予防接種を受ければ二次感染の可能性があり、受けざるを得ないのが実情である。また、生ワクチンでの予防接種を受けることで、統計上100万から200万人に1人程度の割合でワクチン由来の発症者が出る。年間出生数が約109万人である日本において、感染の危険性は大いに考えられる。
 また、国立感染症研究所感染症情報センターによれば、昭和50年から52年生まれの人に1型の抗体保有率が低い傾向があるとされる。
 この年齢が、現在33~35歳位であり、子どもたちの親の世代になってきている。予防接種をした子どもから親への二次感染の可能性もあり、親子での予防接種が奨励されているが、ここでも生ワクチンが使用される。
 さらに、この出生年代がポリオ感染の可能性がある海外へ行く場合の再接種も重要となるが、この際にも、感染の可能性がある生ワクチンが使用される。
 こうした感染の可能性を限りなく少なくするためには、ポリオウイルスを完全に無毒化して一部を使う「不活化ワクチン」の早期全面導入が重要なカギとなる。一部病院では、有料で国の承認を得てない不活化ワクチンを接種させることができるが、副作用等に対する救済制度は適応できないのが現状である。
 よって、本区議会は政府に対し、すべてのポリオ予防接種を早期に不活化ワクチンへと変更するため、不活化ワクチンの承認を行うよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成22年12月15日
                                         葛飾区議会議長
 
 内閣総理大臣、厚生労働大臣 あて

*****以上*****
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