アルマーニ標準服が提起する問題に通じるところの重要論点が、公取委が指摘している点。
すなわち、流通における公正な競争が、大切です。
**************朝日新聞 20171122******************************
https://digital.asahi.com/articles/ASKCP52KQKCPUTIL03W.html
公立中制服「安くできる」 公取委が学校に提言へ
矢島大輔、錦光山雅子
2017年11月22日05時00分
公立中学校の制服の価格を安くできないか――。こんな視点で、公正取引委員会が各地の学校制服の取引実態を調べたところ、学校などの取り組みで価格が安くなったケースが見つかった。ただ、こうした例は少なかったといい、公取委は近く、調査の結果から導いた改善案を公表する。
公立中学の制服の価格は上昇傾向にある。総務省統計局などによると、全国平均は10年前に比べて、男女の制服とも5千円ほど高くなり、3万2千~3万3千円になっている。
公取委は、価格の上昇は学校と制服メーカー、販売店の関係や、取引方法が原因になっている可能性があると判断。今年に入り、全国から抽出した公立中学600校への書面調査を実施した。
回答があった447校のほぼすべてで制服があった。調査結果を分析したところ、学校は指定したメーカーや販売店を長年見直さず、慣習として取引を続けていたケースが多かった。競争が適正に働かず、価格が高くなっている可能性があるという。
一方で、学校や自治体の取り組みで、平均で数千円安くなっているケースが確認された。
たとえば、価格交渉などで学校側が価格の決定に関わっている場合、関わっていない場合に比べ、男子生徒のブレザーが約2千円安い約3万1千円だった。ただ、学校側が関わっていたのは全体の3割未満。5割以上は、販売店やメーカーが単独か、または協議して決めていたという。
また、自治体が管内にある複数の学校の制服を同じ仕様にしていれば、仕様を共通化していない自治体に比べ、女子生徒のブレザーの場合で約8500円安い約2万4千円になっていた。
公取委はこうした調査結果を報告書にまとめて公表し、年内にも全国の教育委員会に送付するという。報告書では、学校側に期待する取り組みとして、コンペや入札といった方法でメーカーや指定販売店を選ぶ▽これまでの価格より安くなるよう業者に求める▽新規参入業者に制服の仕様を開示する、などを提言する。
公取委幹部は「学校は制服を指定しながら、購入するのは保護者なので、学校側に『1円でも安くする』というインセンティブ(動機付け)が働きにくかった。メーカーや販売店の競争を生むことで、保護者の経済的な負担を軽くしてほしい」と語る。(矢島大輔、錦光山雅子)
◇
〈学校の制服〉 詰め襟とセーラー服が多かった公立学校の制服は1990年代以降、少子化や学校選択制などを背景に学校が独自色を打ち出す路線が本格化し、デザイン性の高いブレザー服を採用する学校が増えた。小中高の制服(体操着など含む)の市場規模は約1100億円とみられ、大手4社のメーカーが7割のシェアを占める。学校ごとにデザインが異なるため、「多品種少量生産」によるコスト高になりやすいとされる。
すなわち、流通における公正な競争が、大切です。
**************朝日新聞 20171122******************************
https://digital.asahi.com/articles/ASKCP52KQKCPUTIL03W.html
公立中制服「安くできる」 公取委が学校に提言へ
矢島大輔、錦光山雅子
2017年11月22日05時00分
公立中学校の制服の価格を安くできないか――。こんな視点で、公正取引委員会が各地の学校制服の取引実態を調べたところ、学校などの取り組みで価格が安くなったケースが見つかった。ただ、こうした例は少なかったといい、公取委は近く、調査の結果から導いた改善案を公表する。
公立中学の制服の価格は上昇傾向にある。総務省統計局などによると、全国平均は10年前に比べて、男女の制服とも5千円ほど高くなり、3万2千~3万3千円になっている。
公取委は、価格の上昇は学校と制服メーカー、販売店の関係や、取引方法が原因になっている可能性があると判断。今年に入り、全国から抽出した公立中学600校への書面調査を実施した。
回答があった447校のほぼすべてで制服があった。調査結果を分析したところ、学校は指定したメーカーや販売店を長年見直さず、慣習として取引を続けていたケースが多かった。競争が適正に働かず、価格が高くなっている可能性があるという。
一方で、学校や自治体の取り組みで、平均で数千円安くなっているケースが確認された。
たとえば、価格交渉などで学校側が価格の決定に関わっている場合、関わっていない場合に比べ、男子生徒のブレザーが約2千円安い約3万1千円だった。ただ、学校側が関わっていたのは全体の3割未満。5割以上は、販売店やメーカーが単独か、または協議して決めていたという。
また、自治体が管内にある複数の学校の制服を同じ仕様にしていれば、仕様を共通化していない自治体に比べ、女子生徒のブレザーの場合で約8500円安い約2万4千円になっていた。
公取委はこうした調査結果を報告書にまとめて公表し、年内にも全国の教育委員会に送付するという。報告書では、学校側に期待する取り組みとして、コンペや入札といった方法でメーカーや指定販売店を選ぶ▽これまでの価格より安くなるよう業者に求める▽新規参入業者に制服の仕様を開示する、などを提言する。
公取委幹部は「学校は制服を指定しながら、購入するのは保護者なので、学校側に『1円でも安くする』というインセンティブ(動機付け)が働きにくかった。メーカーや販売店の競争を生むことで、保護者の経済的な負担を軽くしてほしい」と語る。(矢島大輔、錦光山雅子)
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〈学校の制服〉 詰め襟とセーラー服が多かった公立学校の制服は1990年代以降、少子化や学校選択制などを背景に学校が独自色を打ち出す路線が本格化し、デザイン性の高いブレザー服を採用する学校が増えた。小中高の制服(体操着など含む)の市場規模は約1100億円とみられ、大手4社のメーカーが7割のシェアを占める。学校ごとにデザインが異なるため、「多品種少量生産」によるコスト高になりやすいとされる。