介護保険料、下げていければよいが、これ以上の伸びをおさえる仕組みを、介護予防を進めつつ構築せねばなりません。
中央区の状況も、以下、出ています。お隣の千代田区は、下げることができています。
***********朝日新聞20180322***************
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13414338.html
介護保険料、6000円以上6割 74自治体の月額、4月改定へ 朝日新聞社調査
2018年3月22日05時00分
65歳以上が払う介護保険料=キーワード=について朝日新聞が主要74自治体にアンケートしたところ、6割を超える47市区が4月時点で月額6千円以上になることがわかった。保険料は3年ごとに見直され、21市区では月500円以上の引き上げとなる。介護保険の費用が膨れあがっていることが原因で、今後もさらに上がる見通しだ。▼3面=自治体間に差
65歳以上の介護保険料は市区町村ごとに決める。朝日新聞は政令指定市と県庁所在市、東京23区の計74市区に対し、2018~20年度の月額保険料(所得に応じた保険料の基準となる額)の見込みを聞いた。
74市区のうち15~17年度の保険料が7千円を超える自治体はなく、21市区が6千円を超える。18年度からは大阪市(7927円)と那覇市(7055円)が7千円台に。26市区が新たに6千円台に乗る。引き上げ額が最も大きいのは大阪市の1169円増。
一方、岡山市や盛岡市、大分市、東京都中央区など10市区は保険料を据え置く。要介護者数が予測を下回り、余ったお金を保険料の抑制に回した。介護予防などの成果とする自治体もある。唯一の引き下げは東京都千代田区で、400円減って5300円になる。
介護保険サービスにかかる費用は、制度が始まった00年度の3・6兆円から毎年増え続け、18年度には11・1兆円に達すると見込む。65歳以上の保険料を00年度と比べると、ほとんどの自治体で倍増している。
「団塊の世代」がすべて75歳以上になる25年度の保険料については、回答した56市区のうち8割近い43市区が月8千円以上になると見込んだ。
(船崎桜、及川綾子)
◆キーワード
<介護保険料> 自己負担を除く介護保険サービスの費用は、40歳以上の人が払う介護保険料と税金で折半する。保険料の負担配分は世代の人口を考慮し、新年度から40~64歳が27%、65歳以上が23%。65歳以上の保険料は、市区町村が利用されるサービス量を予想して3年ごとに決める。所得に応じて段階的に変わるため、今回の調査では基準となる額を尋ねた。全国平均は制度が始まった00年度の月2911円から、15~17年度の月5514円まで上昇している。
■4月からの介護保険料見込み(月額・円)
◇政令指定市
介護保険料 現行比
札幌市 5773 +596
仙台市 5893 +400
さいたま市 5421 +158
千葉市 5300 +150
横浜市 6200 +210
川崎市 5825 +285
相模原市 5800 +425
新潟市 6353 +178
静岡市 5492 +225
浜松市 5534 +334
名古屋市 6391 +497
京都市 6600 +520
大阪市 7927 +1169
堺市 6623 +495
神戸市 6260 +531
岡山市 6160 0
広島市 6170 +302
北九州市 6090 +390
福岡市 6078 +307
熊本市 6760 +1060
◇県庁所在市(指定市以外)
介護保険料 現行比
青森市 6679 +285
盛岡市 6174 0
秋田市 6232 0
山形市 5700 +300
福島市 6100 +200
水戸市 5900 0
宇都宮市 5281 +750
前橋市 6233 +450
富山市 6300 0
金沢市 6590 +310
福井市 6300 +200
甲府市 6482 +609
長野市 5670 +180
岐阜市 6580 +800
津市 6456 +289
大津市 6350 +200
奈良市 5844 +920
和歌山市 6600 0
鳥取市 6500 +275
松江市 6343 +495
山口市 5580 0
徳島市 6560 +700
高松市 6633 +508
松山市 6650 +430
高知市 5680 +189
佐賀市 5960 +690
長崎市 6800 +717
大分市 5994 0
宮崎市 5700 +220
鹿児島市 6241 +475
那覇市 7055 +905
◇東京23区
介護保険料 現行比
千代田区 5300 -400
中央区 5920 0
港区 6245 0
新宿区 6200 +300
文京区 6020 +378
台東区 6140 +490
墨田区 6480 +1080
江東区 5400 +200
品川区 5600 +300
目黒区 6240 +460
大田区 6000 +400
世田谷区 6450 +600
渋谷区 5960 +330
中野区 5726 +66
杉並区 6200 +500
豊島区 6090 +300
北区 6115 +677
荒川区 5980 +318
板橋区 5940 +560
練馬区 6470 +645
足立区 6580 +400
葛飾区 6400 +420
江戸川区 5400 +500
※議会での議決前を含む見込み額。佐賀市は佐賀中部広域連合の保険料
**********朝日新聞20180322******
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13414280.html
保険料、自治体で差じわり 大阪市「↑」・千代田区「↓」 介護保険調査
2018年3月22日05時00分
65歳以上の介護保険料は上がり続けるが、自治体による差も表れ始めた。保険料の上昇を抑えるため、自治体は高齢者の自立支援策に力を入れる。▼1面参照
大阪市の月額保険料は4月から8千円に迫る見込みで、主要自治体では突出して高い。なぜこれほど高くなるのか――。市介護保険課は大きく二つの理由があると分析する。
一つは高齢者がいる世帯の独居率が高いこと。2015年は約42%で、全国平均の約27%を大きく上回る。家族の支援を頼れないため、介護サービスの利用が増える傾向がある。
二つ目は低所得の高齢者が多いことだ。市によれば高齢者のほぼ半数が住民税非課税世帯。保険料を軽減される対象が多く、基準額を高くせざるを得ない。
市の担当者は「他都市と比較して高いことは認識している。介護予防などに取り組み、引き続き国に公費負担割合の引き上げを求めていく」と話す。一方、全日本年金者組合大阪府本部の伊藤一正・副委員長は「年金天引きの場合は『支払いを待って』とも言えない。保険料のために食費を削る事態になる」と危機感を募らせる。
対照的なのは、4月から保険料を減額する東京都千代田区。こちらは所得の高い高齢者の割合が多い。
一定の所得がある高齢者は、15年8月からサービス利用時の自己負担割合が1割から2割に上がった。2割負担の人の割合は全国平均が約9%で、千代田区が約30%。自己負担が増えた分、保険料の負担を抑えることができたという。
高齢者の所得格差の影響を緩和する国の調整交付金はあるものの、自治体の差は広がる可能性がある。
(清川卓史、船崎桜)
■高齢者元気に、事業者を後押し
25年度には大阪市の約1万200円を筆頭に、那覇市や東京都墨田区など6市区が9千円台になる見込みだ。自治体も対策を進める。切り札と期待するのが、要介護度を改善して介護サービスの費用を抑えようという取り組みだ。
川崎市は16年度から「かわさき健幸福寿プロジェクト」を始めた。高齢者の要介護度や日常生活で使う身体機能が改善されれば、1人あたりにつき年間5万円を介護事業者に支給する。
16年度は参加した高齢者のうち15・9%は要介護度が改善し、49・1%は状態を維持した。20年度には、それぞれ17%、65%に引き上げる目標だ。市の担当者は「元気な高齢者が増えれば、結果として保険料を抑えられる」と強調する。
事業者に支給金を出して「やる気」を促す取り組みは、東京都品川区や岡山市などでも始まっている。
宮崎市は18年度から、薬剤師や作業療法士らが参加する会議を正式に立ち上げる。軽度の要支援と認定された高齢者の一部を対象に、ケアプラン(介護計画)が自立支援に沿った内容になっているか複数の目で点検。要介護認定の必要がなくなる人の割合を1割にすることをめざす。
名古屋市は自立支援に沿ったケアプラン作りに向け、ケアマネジャーの研修を計画。18年度からの保険料が月6679円と調査対象の74自治体中5番目に高い青森市は、介護予防の体操などを実施する活動拠点を3割ほど増やす。
政府はこうした取り組みで効果を上げた自治体に対する交付金を増やすことで、後押しする。
(及川綾子、高橋健次郎)
中央区の状況も、以下、出ています。お隣の千代田区は、下げることができています。
***********朝日新聞20180322***************
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介護保険料、6000円以上6割 74自治体の月額、4月改定へ 朝日新聞社調査
2018年3月22日05時00分
65歳以上が払う介護保険料=キーワード=について朝日新聞が主要74自治体にアンケートしたところ、6割を超える47市区が4月時点で月額6千円以上になることがわかった。保険料は3年ごとに見直され、21市区では月500円以上の引き上げとなる。介護保険の費用が膨れあがっていることが原因で、今後もさらに上がる見通しだ。▼3面=自治体間に差
65歳以上の介護保険料は市区町村ごとに決める。朝日新聞は政令指定市と県庁所在市、東京23区の計74市区に対し、2018~20年度の月額保険料(所得に応じた保険料の基準となる額)の見込みを聞いた。
74市区のうち15~17年度の保険料が7千円を超える自治体はなく、21市区が6千円を超える。18年度からは大阪市(7927円)と那覇市(7055円)が7千円台に。26市区が新たに6千円台に乗る。引き上げ額が最も大きいのは大阪市の1169円増。
一方、岡山市や盛岡市、大分市、東京都中央区など10市区は保険料を据え置く。要介護者数が予測を下回り、余ったお金を保険料の抑制に回した。介護予防などの成果とする自治体もある。唯一の引き下げは東京都千代田区で、400円減って5300円になる。
介護保険サービスにかかる費用は、制度が始まった00年度の3・6兆円から毎年増え続け、18年度には11・1兆円に達すると見込む。65歳以上の保険料を00年度と比べると、ほとんどの自治体で倍増している。
「団塊の世代」がすべて75歳以上になる25年度の保険料については、回答した56市区のうち8割近い43市区が月8千円以上になると見込んだ。
(船崎桜、及川綾子)
◆キーワード
<介護保険料> 自己負担を除く介護保険サービスの費用は、40歳以上の人が払う介護保険料と税金で折半する。保険料の負担配分は世代の人口を考慮し、新年度から40~64歳が27%、65歳以上が23%。65歳以上の保険料は、市区町村が利用されるサービス量を予想して3年ごとに決める。所得に応じて段階的に変わるため、今回の調査では基準となる額を尋ねた。全国平均は制度が始まった00年度の月2911円から、15~17年度の月5514円まで上昇している。
■4月からの介護保険料見込み(月額・円)
◇政令指定市
介護保険料 現行比
札幌市 5773 +596
仙台市 5893 +400
さいたま市 5421 +158
千葉市 5300 +150
横浜市 6200 +210
川崎市 5825 +285
相模原市 5800 +425
新潟市 6353 +178
静岡市 5492 +225
浜松市 5534 +334
名古屋市 6391 +497
京都市 6600 +520
大阪市 7927 +1169
堺市 6623 +495
神戸市 6260 +531
岡山市 6160 0
広島市 6170 +302
北九州市 6090 +390
福岡市 6078 +307
熊本市 6760 +1060
◇県庁所在市(指定市以外)
介護保険料 現行比
青森市 6679 +285
盛岡市 6174 0
秋田市 6232 0
山形市 5700 +300
福島市 6100 +200
水戸市 5900 0
宇都宮市 5281 +750
前橋市 6233 +450
富山市 6300 0
金沢市 6590 +310
福井市 6300 +200
甲府市 6482 +609
長野市 5670 +180
岐阜市 6580 +800
津市 6456 +289
大津市 6350 +200
奈良市 5844 +920
和歌山市 6600 0
鳥取市 6500 +275
松江市 6343 +495
山口市 5580 0
徳島市 6560 +700
高松市 6633 +508
松山市 6650 +430
高知市 5680 +189
佐賀市 5960 +690
長崎市 6800 +717
大分市 5994 0
宮崎市 5700 +220
鹿児島市 6241 +475
那覇市 7055 +905
◇東京23区
介護保険料 現行比
千代田区 5300 -400
中央区 5920 0
港区 6245 0
新宿区 6200 +300
文京区 6020 +378
台東区 6140 +490
墨田区 6480 +1080
江東区 5400 +200
品川区 5600 +300
目黒区 6240 +460
大田区 6000 +400
世田谷区 6450 +600
渋谷区 5960 +330
中野区 5726 +66
杉並区 6200 +500
豊島区 6090 +300
北区 6115 +677
荒川区 5980 +318
板橋区 5940 +560
練馬区 6470 +645
足立区 6580 +400
葛飾区 6400 +420
江戸川区 5400 +500
※議会での議決前を含む見込み額。佐賀市は佐賀中部広域連合の保険料
**********朝日新聞20180322******
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13414280.html
保険料、自治体で差じわり 大阪市「↑」・千代田区「↓」 介護保険調査
2018年3月22日05時00分
65歳以上の介護保険料は上がり続けるが、自治体による差も表れ始めた。保険料の上昇を抑えるため、自治体は高齢者の自立支援策に力を入れる。▼1面参照
大阪市の月額保険料は4月から8千円に迫る見込みで、主要自治体では突出して高い。なぜこれほど高くなるのか――。市介護保険課は大きく二つの理由があると分析する。
一つは高齢者がいる世帯の独居率が高いこと。2015年は約42%で、全国平均の約27%を大きく上回る。家族の支援を頼れないため、介護サービスの利用が増える傾向がある。
二つ目は低所得の高齢者が多いことだ。市によれば高齢者のほぼ半数が住民税非課税世帯。保険料を軽減される対象が多く、基準額を高くせざるを得ない。
市の担当者は「他都市と比較して高いことは認識している。介護予防などに取り組み、引き続き国に公費負担割合の引き上げを求めていく」と話す。一方、全日本年金者組合大阪府本部の伊藤一正・副委員長は「年金天引きの場合は『支払いを待って』とも言えない。保険料のために食費を削る事態になる」と危機感を募らせる。
対照的なのは、4月から保険料を減額する東京都千代田区。こちらは所得の高い高齢者の割合が多い。
一定の所得がある高齢者は、15年8月からサービス利用時の自己負担割合が1割から2割に上がった。2割負担の人の割合は全国平均が約9%で、千代田区が約30%。自己負担が増えた分、保険料の負担を抑えることができたという。
高齢者の所得格差の影響を緩和する国の調整交付金はあるものの、自治体の差は広がる可能性がある。
(清川卓史、船崎桜)
■高齢者元気に、事業者を後押し
25年度には大阪市の約1万200円を筆頭に、那覇市や東京都墨田区など6市区が9千円台になる見込みだ。自治体も対策を進める。切り札と期待するのが、要介護度を改善して介護サービスの費用を抑えようという取り組みだ。
川崎市は16年度から「かわさき健幸福寿プロジェクト」を始めた。高齢者の要介護度や日常生活で使う身体機能が改善されれば、1人あたりにつき年間5万円を介護事業者に支給する。
16年度は参加した高齢者のうち15・9%は要介護度が改善し、49・1%は状態を維持した。20年度には、それぞれ17%、65%に引き上げる目標だ。市の担当者は「元気な高齢者が増えれば、結果として保険料を抑えられる」と強調する。
事業者に支給金を出して「やる気」を促す取り組みは、東京都品川区や岡山市などでも始まっている。
宮崎市は18年度から、薬剤師や作業療法士らが参加する会議を正式に立ち上げる。軽度の要支援と認定された高齢者の一部を対象に、ケアプラン(介護計画)が自立支援に沿った内容になっているか複数の目で点検。要介護認定の必要がなくなる人の割合を1割にすることをめざす。
名古屋市は自立支援に沿ったケアプラン作りに向け、ケアマネジャーの研修を計画。18年度からの保険料が月6679円と調査対象の74自治体中5番目に高い青森市は、介護予防の体操などを実施する活動拠点を3割ほど増やす。
政府はこうした取り組みで効果を上げた自治体に対する交付金を増やすことで、後押しする。
(及川綾子、高橋健次郎)