「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

秘密保護法案の撤回・修正求める声明 外国特派員協会

2013-11-11 15:15:23 | メディア・リテラシー
 秘密保護法案は、廃案にすべきものです。

 外国特派員協会からも声が上がっています。

 日本の民主主義を、特定秘密保護法案によって、後退させないでほしい。


******************************************
http://www.asahi.com/articles/TKY201311110075.html

秘密保護法案の撤回・修正求める声明 外国特派員協会

2013年11月11日13時47分


 日本外国特派員協会は11日、国会で審議入りした特定秘密保護法案について、「報道の自由や民主主義の根本を脅かす悪法」として、法案の撤回か、報道活動を脅かさないように大幅な修正を求める声明文を出した。政府と自民党などすべての政党に提出するという。

 ルーシー・バーミンガム会長名の声明文では、同法案は「記者を標的にして起訴と懲役刑の対象にしかねない」と懸念を表明。報道の役割を「開かれた社会において、政府と政治家の活動に関する秘密を明らかにし、国民に知らせること」と強調したうえで、「調査報道は犯罪ではなく、民主主義の抑制と均衡のシステムに不可欠な役割を果たしている」と訴えている

 同協会は、1945年に設立。日本で取材する外国報道機関の特派員を含む約2千人が所属している。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小児インフルエンザ予防接種、お早めに!当院は、水銀であるチメロサールがフリーを使用。

2013-11-10 23:00:00 | 小児医療
 インフルエンザ予防接種を実施中です。

 子ども(13歳未満)は、4週間の間隔で2回、年内に接種が終わることをお勧めします。
 乳児は、6ヶ月から接種可能。


 インフルエンザは冬に猛威を振るいます。

 まだ、大丈夫ですが、救急診療では、ちらほらインフルエンザの大人が出ていることを聞きます。

 毎年、インフルエンザ脳炎・脳症で幼い命が奪われています。
 小児科医としては、なんとしても不幸な事態は防ぎたいと思っています。


 第一にできることは、予防接種です。
 (第二、第三は、十分な休養と人ごみを避けること。外出時のマスクと帰宅後の手洗いうがい。)
 

 ご家族でまずは、予防接種をして防いでください。


 受験等大切な行事のあるかたも、接種をお忘れなく。


 親御さんの接種も実施致します。


 ご予約:03-5547-1191(日曜日、祝日も接種致します。)


*なお、当院の小児用インフルエンザワクチンは、保存剤に水銀であるチメロサールが入っていないものを用いています。
 チメロサール入りを気にせずに接種される医師はいます。特に極端にワクチン価格が低い医院はチメロサール入りのワクチンを安易に用いていることが多いと思いますので、医院にお確かめください。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

こども元気クリニック・病児保育室 年末までの日曜、祝日の急病対応の日程

2013-11-09 23:00:00 | 小児医療


11月の日曜日/祝日の午前中は、11/17(日)を除き急病対応致します。
12月の日曜日/祝日の午前中は、12/23(祝)を除き急病対応致します。

 急病対応可能な日曜日/祝日

 11月=11/3(日)、11/4(月、祝)、11/23(土、祝)11/24(日)

 12月=12/1(日)、12/8(日)、12/15(日)、12/22(日)、12/29(日)

 年末年始=年末12/31まで診療、年始1/4から診療開始


*月曜日朝一番で登園できるよう治癒証明なども日曜日に書きますのでご利用ください。

*予防接種枠が、平日がかなりいっぱいになってきており、当院としても、日曜日に予防接種のご予約をいただくとありがたいです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ポータブル鼻吸引器(医療用)の無料貸し出しを始めました!

2013-11-08 23:00:00 | 小児医療
ポータブル鼻吸引器(医療用)の無料貸し出しを始めました!

 鼻水、風邪のシーズンです。
 小さい子は、鼻をかめなくて、鼻水が咳になったり、鼻が詰まり呼吸し辛くて睡眠できなくなったりしてたいへんです。

 口で吸う鼻吸引器では、なかなか効果が出ません。

 そこで、当院では、医療用のポータブル鼻吸引器(医療用)の無料貸し出しを始めました。

 鼻水でお困りの方は、診療の時、お気軽にご相談下さい。


 すでに、フル稼働中の段階。
 ご利用希望の方は、お早めにご連絡ください。

 2013年11月1日から開始しましたが、鼻水の治りが、一週間程度に短くなる手ごたえを得ています。(もちろん、年齢、症状により個人差あることを前提に)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東電送電線談合:公取委、40社に課徴金総額7億円

2013-11-07 17:56:37 | シチズンシップ教育
 談合では、一番乗りでその事実を告げれば、課徴金がかかりません。
 二番、三番も減免有り。

 どういう経過で発覚したのか。
 さらに、近接分野にも広がるのだろうか。


***************************
http://mainichi.jp/select/news/20131107k0000e040203000c.html
東電送電線談合:公取委、40社に課徴金総額7億円

毎日新聞 2013年11月07日 15時00分


 東京電力が発注する送電線設備工事の談合疑惑で、公正取引委員会が独占禁止法違反(不当な取引制限)で電気工事会社約40社に総額約7億円の課徴金納付命令を出す方針を固め、各社に処分案を事前通知したことが分かった。談合で引き上げられた工事費は電気料金に転嫁されているとみられ、公取委は再発防止を求める排除措置命令も併せて出すとみられる。

 事前通知を受けたのは、東証1部上場の関電工(東京都港区)や東電のグループ会社のTLC(荒川区)など。公取委は各社の意見を聞き、最終的な処分を決める。

 関係者によると、各社は東電が発注する送電線設備の建設工事やメンテナンスなどの入札で、事前に話し合って落札業者を決めていた疑いがある。公取委は立ち入り検査を行った昨年11月までの約1年間にあった入札について、違反を認定するとみられる。ほとんどの業者が談合を認めている模様だ。

 入札に参加できるのは事前に東電の審査に合格した「登録業者」に限られ、新規業者の飛び入り参加は不可能なため、談合が可能だったとみられる。各社は東電の事前説明会で参加業者の顔ぶれを把握し、その後に会合を開いていたという。

 関電工などは「通知の詳細を確認して対応を考えたい」としている。

 送電線設備工事を巡っては、関西電力の発注分でも談合の疑いがあり、公取委が調査している。【古関俊樹】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

売買は、賃貸借を破る 旧司法試験 論述 民法 平成20年度第1問

2013-11-06 09:41:34 | シチズンシップ教育

 Aは,工作機械(以下「本件機械」という。)をBに代金3000万円で売却して,引き渡した。この契約において,代金は後日支払われることとされていた。本件機械の引渡しを受けたBは,Cに対して,本件機械を期間1年,賃料月額100万円で賃貸し,引き渡した。
 その後,Bが代金を支払わないので,Aは,債務不履行を理由にBとの契約を解除した。
 なんも悪くないCは、Aに、工作機械を返さねばならない。

 「売買は、賃貸借を破る」を、まさに体現した問題。
 Cは、解除前に契約をしているのに、法律(民法545条1項但書き)は守ってくれない。

*民法(解除の効果)
第五百四十五条  当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。ただし、第三者の権利を害することはできない
 前項本文の場合において、金銭を返還するときは、その受領の時から利息を付さなければならない。
 解除権の行使は、損害賠償の請求を妨げない。



 法律を知らなければ、納得がいかない問題である。
 自分も、普通の感覚とは、異なるがゆえに、理解に苦労しているところ。

 債権は、その契約の相手方にのみ主張できる。物権は、あらゆるひとに主張できる。物権・債権の違いから端を発している。
 以下の図で、甲から乙は借りていたが、甲がそれを丙に売った。乙は、甲から借りていたものを、丙に返さねばならない。





【問題】旧司法試験 論述 民法 平成20年度第1問


 Aは,工作機械(以下「本件機械」という。)をBに代金3000万円で売却して,引き渡した。この契約において,代金は後日支払われることとされていた。本件機械の引渡しを受けたBは,Cに対して,本件機械を期間1年,賃料月額100万円で賃貸し,引き渡した。この事案について,以下の問いに答えよ。

 設問(1 ) その後,Bが代金を支払わないので,Aは,債務不履行を理由にBとの契約を解除した。この場合における,AC間の法律関係について論ぜよ。



 設問(2)  AがBとの契約を解除する前に,Bは,Cに対する契約当初から1年分の賃料債権をDに譲渡し,BはCに対し,確定日付ある証書によってその旨を通知していた。この場合において,AがBとの契約を解除したときの,AC間,CD間の各法律関係について論ぜよ。




【法務省の出題趣旨】

 小問1は,解除の効果と「第三者」(民法第545条第1項ただし書)の意義・要件,動産賃借権の対抗力の有無とその根拠,対抗力の有無から導かれる解除者と第三者との関係及び解除者が権利を主張するための要件などを論じさせ,基本的知識とその応用力を試すものである。小問2は,債権譲渡の有効性と対抗要件に関する基礎的理解を前提としつつ,債権譲渡が小問1の帰結に影響を及ぼすか否かについて,前記「第三者」や民法第468条第2項の「事由」等との関係を検討させ,基本的知識に加え,論理的思考力及び判断能力を問うものである。




設問(1)

1 Aによる売買契約の解除後の、BC間の賃貸借契約

1)Bは、Cに対して、本件機械の使用収益させる債務を負っていた。

2)AがCに対し、本件機械の返還を請求すると、Bは上記債務は、履行不能となった。
  Bの責めに帰すべき事由による、履行不能である。

3)Cは、賃貸借契約を、解除できる。損害賠償をすることもできる。


2 BC間の賃貸借契約の解除

 BC間には、CのBに対する本件機械の使用収益権と、BのCに対する賃料債権が存在していたが、
 履行不能となったことから、使用収益権は、消滅するが、賃料債権が存続する。
 一方、Cは、使用収益できないことから、損害賠償請求権を、新たに有する。
 損害賠償請求権と賃料債権を相殺できる。


3 いつ履行不能となるか、


 AB間の売買契約の解除時か、Aが本件機械の引渡しをCに請求した時か、


 論理的には、AB間の売買契約の解除時解除時であるが、Cのあずかり知らないことである。
 Aが本件機械の引渡しをCに請求した時点は、Cも知ることができ、この時点が、賃貸借契約の履行不能の時点とする。判例のとる立場でもある。



4 Aは、自己の所有権に基づき、Cに、本件機械の引渡しを請求できる。




設問(2)

 通知後の解除。

1、CD間の関係

 CがBに対抗できたことは、Dにも対抗できる。

 譲渡人Bが譲渡の通知をしたにとどまるときは、債務者Cは、その通知を受けるまでに譲渡人Bに対して生じた事由をもって譲受人Dに対抗することができる

 民法468条2項
(指名債権の譲渡における債務者の抗弁)
第四百六十八条  債務者が異議をとどめないで前条の承諾をしたときは、譲渡人に対抗することができた事由があっても、これをもって譲受人に対抗することができない。この場合において、債務者がその債務を消滅させるために譲渡人に払い渡したものがあるときはこれを取り戻し、譲渡人に対して負担した債務があるときはこれを成立しないものとみなすことができる。
2  譲渡人が譲渡の通知をしたにとどまるときは、債務者は、その通知を受けるまでに譲渡人に対して生じた事由をもって譲受人に対抗することができる。

 債権譲渡の前から、もともと、Aの解除で、履行不能となる性質をもっていた債権である。


2、AC間の関係

 Aは、自己の所有権に基づき、Cに、本件機械の引渡しを請求できる。

以上

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

メモ:病児保育に関する質問主意書 参議院(官報H25.11.1 6163号)

2013-11-05 12:24:50 | 各論:病児保育

病児保育の質問主意書が出されていたのを目にしたので、メモ。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

積極的平和主義でやるべきことは、積極的留学生の受け入れ、留学生が学びたくなる国造り

2013-11-05 10:36:13 | 国政レベルでなすべきこと

 資源がない国だから、知を財にしていくしかない。

 積極的平和主義で、第一にやるべきことのひとつは、積極的留学生の受け入れ、その前に、留学生が学びたくなる教育研究活動の場づくりである。




 私達国民は、言葉に騙されてはならない。
 安倍晋三首相が、「積極的平和主義」という言葉を巧みに操ってやりたいことは、何なのか、よく見極めねばならない。


 自民党改憲草案では、その姿勢が、全く現れていない。http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/98ebbc20603d093623644c64acb5b933
 真に「積極的平和主義」をいうなら、憲法改正案にも、国防軍など軍備だけでない内容も盛り込むべきでしょう。
 憲法の章の題目を、「第二章 戦争の放棄」から、「第二章 安全保障」に題目を変えておきながら、書いている主たる内容は、国防軍を作るということのみ。
 言っていることと、やっていることが、あっていません。



******自民党改憲案******
 
第二章 安全保障

(平和主義)
第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動としての戦争を放棄し、武力による威嚇及び武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては用いない。
2 前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない。

(国防軍)
第九条の二 我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する。〔新設〕
2 国防軍は、前項の規定による任務を遂行する際は、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。
3 国防軍は、第一項に規定する任務を遂行するための活動のほか、法律の定めるところにより、国際社会の平和と安全を確保す
るために国際的に協調して行われる活動及び公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るための活動を行うことができる。
4 前二項に定めるもののほか、国防軍の組織、統制及び機密の保持に関する事項は、法律で定める。
5 国防軍に属する軍人その他の公務員がその職務の実施に伴う罪又は国防軍の機密に関する罪を犯した場合の裁判を行うため、法律の定めるところにより、国防軍に審判所を置く。この場合においては、被告人が裁判所へ上訴する権利は、保障されなければならない。

(領土等の保全等)
第九条の三 国は、主権と独立を守るため、国民と協力して、領土、領海及び領空を保全し、その資源を確保しなければならない。〔新設〕

**********************************


****現行の日本国憲法 9条*****

第二章 戦争の放棄

第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2項 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
*****************


 



***************************************************
http://www.kobe-np.co.jp/column/shasetsu/201311/0006471143.shtml
2013/11/04


積極的平和主義/軍事面に偏っていないか


 「積極的平和主義」。安倍晋三首相が最近、この言葉を盛んに口にするようになった。国連総会や臨時国会の所信表明演説でも取り上げ、自身の考えを披露した。

 年内の策定を目指す外交・安全保障の指針「国家安全保障戦略」の基本理念として掲げ、政権のキャッチフレーズとして使われている。

 戦後の日本には外交と安全保障を統合した国家戦略がなかったとされるだけに、発言には力がこもる。

 「積極的に世界の平和と安定に貢献する国になる」と首相は語る。そのことに異論はない。日本が激動する21世紀の国際社会でどんな役割を果たせるか、国の進むべき道を考える上で大きな意味がある。

 ただ、首相自身はどんな「貢献」を思い描いているのか。発言にじっくり耳を傾けると、むしろ「平和国家」としての在り方を見直そうとしているのでは、との疑念が膨らむ。

 折しも、政府は集団的自衛権の行使容認に向けて従来の憲法解釈の変更を検討している。与党の公明党に配慮して結論は来春に持ち越す方針だが、安倍首相がかねて実現に意欲を示してきたテーマだ。

 「積極的」という言葉に、日本が堅持してきた専守防衛の枠を踏み越えようとの狙いが込められているとしたら、話は全く違ってくる。

 実際、国連演説では次のように語っている。「PKOをはじめ、国連の集団安全保障措置に積極的に参加できるよう、図ってまいります」

 国連の安全保障活動は重要だが、自衛隊の参加には制約がある。復興支援や和平の環境づくりなど、さまざまな貢献の仕方があるはずだ。

 憲法解釈の変更自体を疑問視する専門家は少なくない。国の根幹が時の政権の思惑で左右されかねないからだ。その議論をする前に多国籍軍参加に意欲を示したと受け取れる発言は、明らかに行き過ぎている。

 積極的平和主義はもともと、ノルウェーの平和学者ヨハン・ガルトゥング氏らが提唱してきた言葉である。本来、貧困や搾取、差別など、争いや暴力につながる問題を取り除く地道な取り組みを指す。

 国連総会で、安倍首相は女性や難民などへの支援も約束した。力による封じ込めでなく、紛争の原因を見極めて当事者同士の対話と和解を後押しする。平和的な解決を促す姿勢こそ、日本にはふさわしい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ダンダリン」の活躍を援護する社会。第1話 会社にしがみつくのではなく、命にしがみつけ

2013-11-05 09:46:06 | シチズンシップ教育

 労働基準監督署の話。『ダンダリン』、日テレ水曜日22:00-放送中。


 第一話は、残業時間をまったく申告させない悪徳リフォーム業者社長を、労働基準監督官が逮捕する話。

 
 残業時間をまったくしない社員自身が、そのことを、絶対に会社にいうなと、労働基準監督官に頼んだ。
 「ダンダリンの活躍が、ひとを不幸にする。」とまでの言いようで。
 彼は、やっとの思いで見つけた職場を失いたくはなかった。


 会社の方も、幹部社員が、「うちの会社は残業やってないな。申告するものがあれば、言ってほしい。」と社員全員に問うが、自ら挙手するものがいなかった。

 契約を取りにがし、会社社長にどやされて、自殺を図る社員がでるところであったが、幸いに未遂で終わった。


 その状況で、労働基準監督署のとった対応は、労働基準監督官自身で(警察官に頼んでではなく)、社長逮捕。



労働基準法102条
第百二条  労働基準監督官は、この法律違反の罪について、刑事訴訟法 に規定する司法警察官の職務を行う。


 ダンダリンは言う。

 「会社にしがみつくのではなく、命にしがみつけ」

 
 私もそれが、正しいと思う。

 生き方は、何通りもある。


 ダンダリンの活躍を援護する社会。それは、ダンダリンの活躍がひとを不幸にしない社会でもある。

 そのさらに先に目指すべきは、ダンダリンが活躍しなくてもよい社会が、あたりまえであるということ。

 

 *****過去のダンダリン*****

実際の題名ではなく、各話、自分の感じたことを一行で述べています。

「ダンダリン」の活躍を援護する社会。第1話 会社にしがみつくのではなく、命にしがみつけ

ダンダリンの活躍を援護する社会。第2話労働基準法41条名ばかり店長

ダンダリンの活躍を援護する社会。第3話 労働基準監督官はルール それ以下でもそれ以上でもない。

ダンダリンの活躍を援護する社会。第4話 内定切りは解雇と同じ。 労働基準法104条2項

ダンダリン活躍を援護する社会。第5話労働者と雇い主のwin-win。そのためには労働者に手段が要る。

ダンダリンの活躍を援護する社会。第6話最低賃金の半分も行かない時給で外国人労働者が働く環境とは

ダンダリンの活躍を援護する社会。第7話行政解剖の前に死亡画像診断Aiを。

ダンダリンの活躍を援護する社会。第8話 ブラック企業 会社嫌なら会社を→×辞める○変える。 

ダンダリンの活躍を援護する社会。第9話請負契約は事業主となること。雇用ではない。

ダンダリンの活躍を援護する社会。第10話えん罪を起こしてくるやつはいる。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小泉氏の言:私は首相の時は原発推進論者だった。それを批判されているが、人間の考えは変わるものだ。

2013-11-04 09:36:48 | 地球環境問題

 小泉純一郎氏のことばを、是非、信じたいと思う。

 「私は首相の時は原発推進論者だった。それを批判されているが、人間の考えは変わるものだ」

 今度こそは、男に二言がなきよう、成し遂げる形で、がんばっていただきたい。
 人頼みではなく、私達国民ひとりひとりの努力にかかっていることではあるが。

 

 おそらく、新聞記事のもととなった小泉氏のスピーチの録画映像:
http://www.youtube.com/watch?v=Nl_2e-zNiwQ&feature=youtu.be 


 「過ちては改むるに憚ること勿れ」
 日本の政治家の皆様、どうか、原発エネルギー政策の過ちを正して下さい。

******************************
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013110402000129.html 

【政治】


「政治が方針を」 小泉元首相 脱原発批判に反論


2013年11月4日 朝刊

 小泉純一郎元首相は三日、横浜市で講演し、自身の「脱原発」発言が無責任だと批判を受けていることに対し「大事なのは政治が方針を出すことだ。原発に代わる再生可能エネルギーをどのように導入するか、議論すれば必ずいい案が出る」と反論し、安倍政権に重ねて政策転換を促した。「原発ゼロに向け自分なりに頑張っていく」と主張を続ける決意も示した。


 同時に「私は首相の時は原発推進論者だった。それを批判されているが、人間の考えは変わるものだ」と指摘。明治維新の際に鎖国論者が開国論に転じたケースや、第二次世界大戦後に日本が米国を同盟国としたことを引き合いに出した。


 原発から出る使用済み核燃料などの最終処分場建設は「住民の反対」で不可能だと強調。「東京電力福島第一原発事故の前から処分場は造れなかった。強い指導者が現れても住民の反対を無視して十万年使う処分場ができるのか。造れると考えている方が楽観的で無責任だ」と訴えた。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

たとえ山本議員の行為が不適切だとしても、議員辞職勧告決議案を考える国会議員は、国会議員失格です。

2013-11-03 11:57:35 | 国政レベルでなすべきこと

 たとえその行為が不適切だとしても、議員辞職勧告決議案は、民主主義の否定です。

 なぜならば、多数派により少数派を排除してよいという論理に通じるからです。

 もし、この手法が取れると考える国会議員がいるなら、そのひとこそ、民主主義をわかっていません。


 以下、沖縄タイムスにもご指摘のように、「この問題は憲法に基づいて議論すべきで、戦前の不敬罪感覚で議論すべきではない」ということに同感です。

 自民党の憲法改正草案では、天皇を「元首」に位置づけ、政治利用する意図が見えているため、あわせて議論していただきたいものです。


*********
*現行憲法

(天皇の地位と国民主権)
第一条  天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。


*自民党改憲草案

(天皇)
第一条 天皇は、日本国の元首であり、日本国及び日本国民統合の象徴であって、その地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく。

*********


<自民党改憲草案が、天皇を政治利用する意図があると見える根拠は、以下。>
日本が壊されぬように。 日本国憲法第1条ー自民党改憲草案の問題点 象徴天皇制を否定するのか

日本が壊されぬように。 日本国憲法第2条ー自民党改憲草案の問題点 国会の議決を絶対略すな

日本が壊されぬように。 日本国憲法第3条ー自民党改憲草案の問題点 違和感、なぜ3条に?

憲法4条 自民党改憲案問題点:これまた大事な条文の条ずれ/「のみ」を略している!天皇の非政治化を否定?

憲法5条 自民党改憲案問題点:自民党改憲案7条には、同6条3項も準用する規定を置くべきでは?

憲法6条 自民党改憲案問題点:自民党改憲案6条1項で内閣と最高裁の規定を一緒くたになぜ?

憲法7条 自民党改憲案問題点:天皇の「国事行為」や「公的行為」が安易に拡大される危険性あり。

憲法8条:皇室財政を皇室自立主義から国会中心主義に転換。「国会の議決」の文言のままでよいのでは?



******************************
http://article.okinawatimes.co.jp/article/2013-11-03_56119 
社説[山本議員「直訴」]辞職要求はやり過ぎだ

沖縄タイムス 11月3日(日)9時27分配信



 園遊会で天皇陛下に手紙を手渡した山本太郎参院議員(無所属)のとっぴな行動が、問題になっている。

 閣僚や自民党幹部からは「議員辞職もの。政治利用そのものだ」(下村博文文部科学相)などと厳しい処分を求める意見が噴出、野党からも批判の声が相次いだ。
 山本議員の手紙は、東京電力福島第1原発事故による子どもの被ばくや、作業員の労働環境の現状を記したもので、当の本人は「実情をお伝えしたいという気持ちがあふれ出た」と釈明している。
 日本国憲法は第4条で天皇の地位について「国事に関する行為のみを行い、国政に関する権能を有しない」と定める。これを受けて第7条は、国事に関する行為について具体的に10項目を列記している。天皇の国事に関する行為はすべて、内閣の助言と承認が必要だ。
 国会議員が政治家として、天皇に対し、政治的問題についての手紙を渡すことは、天皇を政治の場に引き込む恐れのある行為である。
 思慮分別を欠いた軽率な行動だという批判は免れない。
 それにしても、市民派として脱原発を訴えて当選した新人議員のやむにやまれぬ行動が天皇への直訴だったことを、どう考えればいいのだろうか。民主主義への絶望が天皇直訴という手段を選ばせたとすれば、戦後憲法は根付いていないことになる。
 直訴は天皇の政治利用に当たり議員辞職は当然だ-と主張する強硬派議員の言い分にも強い違和感を感じる。

    ■    ■

 天皇の政治利用に関する規定は憲法にも他の法律にもなく、どのような行為が天皇の政治利用に当たるか、あいまいだ。
 安倍政権は、サンフランシスコ講和条約が発効した日にちなんで、4月28日、天皇・皇后両陛下を招いて「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」を開いた。沖縄にとって「4・28」は、日本本土の主権回復と引き換えに、沖縄に対する一切の統治権を米国に委ねた日である。
 そのような事情を考慮して歴代政権は式典開催を避けてきた。
 それなのになぜ、安倍政権は沖縄の強い反対を押し切って式典開催に踏み切り、天皇・皇后両陛下を招いたのか。
 時の政権は、政治的主張や施策のために天皇の権威を利用することを厳に慎まなければならない。それが、憲法の趣旨だ。
 この際、あらためて政府や政党に問いたいのは、山本議員の行動と、天皇の「4・28式典」出席と、どちらが天皇の政治利用度が高いのか、という点である。

    ■    ■

 自民党の中には、議員辞職勧告決議案を提出すべきだとの意見もあるようだ
 国会として、議長による注意、けん責処分を検討するのは理解できるが、山本議員は、主権者である国民の信を得て参院選に当選した議員である。辞職要求は議論の走りすぎであり、議員辞職する必要はない。
 この問題は憲法に基づいて議論すべきで、戦前の不敬罪感覚で議論すべきではない
.
最終更新:11月3日(日)9時27分


***************************

日本が壊されぬように。 日本国憲法第1条ー自民党改憲草案の問題点 象徴天皇制を否定するのか

2013-08-01 19:15:33 | 国政レベルでなすべきこと

 8月1日から、自民党改憲草案(日本国憲法改正草案 平成24年4月27日http://www.jimin.jp/policy/policy_topics/pdf/seisaku-109.pdf  http://www.jimin.jp/policy/pamphlet/pdf/kenpou_qa.pdf )を一日一条ずつ、その問題点を考えていきたいと思います。(8月31日までで、31条を終わらせるのをひとつの目標とします。31条まででも、日本国憲法の重要な基本部分はカバーできます。)

 自民党改憲草案は、日本の危機を感じさせる案です。「自民党壊憲草案」というひとがいましたが、申し訳ないですが、言い得ていると思います。
 日本国憲法96条改正を主張するような勉強不足の政治家、法律を知らない政治家に、日本を絶対に壊されたくない思いです。
 

 一小児科医師として、また、法律を学ぶ一法科大学院生として、不偏不党の立場から、憲法学の視点をもって分析をして行きます。自分の憲法学のベースは、故芦部信喜先生です。
 日本を守りたい一心で、一日一条ずつ進めたいと思っています。まだまだ学ぶ過程の初学の身であり、考えが至らぬ点は、ご指摘をいただけましたら幸いです。

 なお、自民党改憲草案の口語訳は、http://akiharahaduki.blog31.fc2.com/blog-entry-1372.html を参照させていただだくことを考えています。この場を借り、感謝申し上げます。


 では、まず、第一章天皇 一条から


*********
*現行憲法

(天皇の地位と国民主権)
第一条  天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。


*自民党改憲草案

(天皇)
第一条 天皇は、日本国の元首であり、日本国及び日本国民統合の象徴であって、その地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく。

*********

 自民党改憲案では、いきなり、「元首」の登場です。


 自民党による元首としたことの説明は、以下。
「Q4 「日本国憲法改正草案」では、天皇を「元首」と明記していますが、これについてどのような議論があったのですか?

憲法改正草案では、1 条で、天皇が元首であることを明記しました。
元首とは、英語では Head of State であり、国の第一人者を意味します。明 治憲法には、天皇が元首であるとの規定が存在していました。また、外交儀礼上でも、天皇は元首として扱われています。
したがって、我が国において、天皇が元首であることは紛れもない事実ですが、それ をあえて規定するかどうかという点で、議論がありました。
自民党内の議論では、元首として規定することの賛成論が大多数でした。反対論とし ては、世俗の地位である「元首」をあえて規定することにより、かえって天皇の地位を 軽んずることになるといった意見がありました。反対論にも採るべきものがありました が、多数の意見を採用して、天皇を元首と規定することとしました。」
(自民党 日本国憲法改正草案 Q&A 7ページhttp://www.jimin.jp/policy/pamphlet/pdf/kenpou_qa.pdf


 自民党内の議論が足りていないと思います。
 
 現行憲法で、「象徴」という言葉を選んだのは、「「象徴」とは、法的に特定的な意味を持たない言葉であり、憲法制定時の議論からは、国民が天皇の権力性を「必要以上に」考えるおそれがないよう、あえてそのような言葉が選択された」(貴族院帝国憲法憲法改正案特別委員会9・11国務大臣・金森徳次郎)ことがうかがわれます。

 憲法学者芦部信喜先生も、「わが国では、元首という概念自体が何らかの実質的な権限を含むものと一般的に考えられてきたので、天皇を元首と解すると、認証ないし接受の意味が実質化し、拡大するおそれがあるところに、問題がある。」(『憲法』5版 岩波書店 48ページ)と指摘されています。

 認証:一定の行為が正規の手続で成立したことを公に証明する行為

 接受:接見する事実上の行為



 自民党改憲案では、「象徴」という言葉を「元首」に変えて、なんらかの実質的な意味を天皇に与えて行こうとする意図があるのではないかと考えます。
 すなわち、明治憲法における天皇は、「統治権の総覧者であって、国家のすべての作用を統括する権限を有するとされた」(『憲法』5版 岩波書店 45ページ)わけですが、形式的・儀礼的な権能としての現在の象徴天皇制としての有り様から、明治憲法下の体制に時代を巻き戻したい意図でもあるのでしょうか?
 もし、自民党に、そのような意図や、象徴天皇制を否定する意図があるなら、その必要性までわかりやすく、国民に説明すべきと考えます。

以上

************************************

日本が壊されぬように。 日本国憲法第2条ー自民党改憲草案の問題点 国会の議決を絶対略すな

2013-08-02 00:00:01 | 国政レベルでなすべきこと

 第二条はほぼ同じです。

***************
日本国憲法
(皇位の継承)
第二条 皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。


自民党改憲案
(皇位の継承)
第二条 皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。

大日本帝国憲法
第二条 皇位ハ皇室典範ノ定ムル所ニ依リ皇男子孫之ヲ継承ス


****************

 違いをみつけて下さいと言った場合、細かいことをいうと日本国憲法「世襲のものであつて」→自民党改憲案「世襲のものであって」と「つ」が小さな「っ」へと自民党改憲案では、現代口語体に表記が改められています。
 
 わざわざ、現代口語体に近づけようと自民党改憲案は修正していますが、それが逆に自民党改憲案の格調のなさに影響をしているように、私は感じます。
 


 さて、第二条は、皇位についての世襲制が定められています。

 憲法上は、皇位継承者を皇男子孫とは規定されていませんが、皇室典範1条により、「皇統に属する男系の男子」たる皇族が皇位継承資格を有するものとされています。
 逆に、女性が天皇であることを意味する「女性天皇」や、母方だけが天皇の血筋を引く天皇を意味する「女系天皇」については、現行制度上認められていません。

 世襲制や男系男子主義を採用している点について、憲法学者の芦部先生は、「世襲制は、本来、民主主義の理念および平等原則に反するものであるが、日本国憲法は天皇制を存置するためには必要であると考えて、世襲制を規定したものであろう。そういう世襲制を憲法が認めている以上、女子の天皇即位を否定して男系男子主義を採用する(皇室典範1条)ことも、憲法14条の男女平等の原則の例外として許されることになる。」と説明されています。(『憲法』5版 岩波書店 46ページ)

 

 現行の「皇室典範」全文を以下、掲載します。
 皇室典範は、明治憲法の下では、議会の関与の及ばない、憲法と対等の地位にある独自の法規範(「皇室ノ家法」)でしたが(皇室自律主義)、日本国憲法においては、「国会の議決」によって定められる法律の一形式となり、その性格は大きく変わりました。
 よって、今後、自民党改憲案においては、「国会の議決した皇室典範」の文章から、「国会の議決した」が省かれないかについて、注意して見て行かなければなりません。

******「皇室典範」全文*******
皇室典範
(昭和二十二年一月十六日法律第三号)

最終改正:昭和二四年五月三一日法律第一三四号

   第一章 皇位継承

第一条  皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。
第二条  皇位は、左の順序により、皇族に、これを伝える。
一  皇長子
二  皇長孫
三  その他の皇長子の子孫
四  皇次子及びその子孫
五  その他の皇子孫
六  皇兄弟及びその子孫
七  皇伯叔父及びその子孫
○2  前項各号の皇族がないときは、皇位は、それ以上で、最近親の系統の皇族に、これを伝える。
○3  前二項の場合においては、長系を先にし、同等内では、長を先にする。
第三条  皇嗣に、精神若しくは身体の不治の重患があり、又は重大な事故があるときは、皇室会議の議により、前条に定める順序に従つて、皇位継承の順序を変えることができる。
第四条  天皇が崩じたときは、皇嗣が、直ちに即位する。


   第二章 皇族

第五条  皇后、太皇太后、皇太后、親王、親王妃、内親王、王、王妃及び女王を皇族とする。
第六条  嫡出の皇子及び嫡男系嫡出の皇孫は、男を親王、女を内親王とし、三世以下の嫡男系嫡出の子孫は、男を王、女を女王とする。
第七条  王が皇位を継承したときは、その兄弟姉妹たる王及び女王は、特にこれを親王及び内親王とする。
第八条  皇嗣たる皇子を皇太子という。皇太子のないときは、皇嗣たる皇孫を皇太孫という。
第九条  天皇及び皇族は、養子をすることができない。
第十条  立后及び皇族男子の婚姻は、皇室会議の議を経ることを要する。
第十一条  年齢十五年以上の内親王、王及び女王は、その意思に基き、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる。
○2  親王(皇太子及び皇太孫を除く。)、内親王、王及び女王は、前項の場合の外、やむを得ない特別の事由があるときは、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる。
第十二条  皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる。
第十三条  皇族の身分を離れる親王又は王の妃並びに直系卑属及びその妃は、他の皇族と婚姻した女子及びその直系卑属を除き、同時に皇族の身分を離れる。但し、直系卑属及びその妃については、皇室会議の議により、皇族の身分を離れないものとすることができる。
第十四条  皇族以外の女子で親王妃又は王妃となつた者が、その夫を失つたときは、その意思により、皇族の身分を離れることができる。
○2  前項の者が、その夫を失つたときは、同項による場合の外、やむを得ない特別の事由があるときは、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる。
○3  第一項の者は、離婚したときは、皇族の身分を離れる。
○4  第一項及び前項の規定は、前条の他の皇族と婚姻した女子に、これを準用する。
第十五条  皇族以外の者及びその子孫は、女子が皇后となる場合及び皇族男子と婚姻する場合を除いては、皇族となることがない。


   第三章 摂政

第十六条  天皇が成年に達しないときは、摂政を置く。
○2  天皇が、精神若しくは身体の重患又は重大な事故により、国事に関する行為をみずからすることができないときは、皇室会議の議により、摂政を置く。
第十七条  摂政は、左の順序により、成年に達した皇族が、これに就任する。
一  皇太子又は皇太孫
二  親王及び王
三  皇后
四  皇太后
五  太皇太后
六  内親王及び女王
○2  前項第二号の場合においては、皇位継承の順序に従い、同項第六号の場合においては、皇位継承の順序に準ずる。
第十八条  摂政又は摂政となる順位にあたる者に、精神若しくは身体の重患があり、又は重大な事故があるときは、皇室会議の議により、前条に定める順序に従つて、摂政又は摂政となる順序を変えることができる。
第十九条  摂政となる順位にあたる者が、成年に達しないため、又は前条の故障があるために、他の皇族が、摂政となつたときは、先順位にあたつていた皇族が、成年に達し、又は故障がなくなつたときでも、皇太子又は皇太孫に対する場合を除いては、摂政の任を譲ることがない。
第二十条  第十六条第二項の故障がなくなつたときは、皇室会議の議により、摂政を廃する。
第二十一条  摂政は、その在任中、訴追されない。但し、これがため、訴追の権利は、害されない。


   第四章 成年、敬称、即位の礼、大喪の礼、皇統譜及び陵墓

第二十二条  天皇、皇太子及び皇太孫の成年は、十八年とする。
第二十三条  天皇、皇后、太皇太后及び皇太后の敬称は、陛下とする。
○2  前項の皇族以外の皇族の敬称は、殿下とする。
第二十四条  皇位の継承があつたときは、即位の礼を行う。
第二十五条  天皇が崩じたときは、大喪の礼を行う。
第二十六条  天皇及び皇族の身分に関する事項は、これを皇統譜に登録する。
第二十七条  天皇、皇后、太皇太后及び皇太后を葬る所を陵、その他の皇族を葬る所を墓とし、陵及び墓に関する事項は、これを陵籍及び墓籍に登録する。


   第五章 皇室会議

第二十八条  皇室会議は、議員十人でこれを組織する。
○2  議員は、皇族二人、衆議院及び参議院の議長及び副議長、内閣総理大臣、宮内庁の長並びに最高裁判所の長たる裁判官及びその他の裁判官一人を以て、これに充てる。
○3  議員となる皇族及び最高裁判所の長たる裁判官以外の裁判官は、各々成年に達した皇族又は最高裁判所の長たる裁判官以外の裁判官の互選による。
第二十九条  内閣総理大臣たる議員は、皇室会議の議長となる。
第三十条  皇室会議に、予備議員十人を置く。
○2  皇族及び最高裁判所の裁判官たる議員の予備議員については、第二十八条第三項の規定を準用する。
○3  衆議院及び参議院の議長及び副議長たる議員の予備議員は、各々衆議院及び参議院の議員の互選による。
○4  前二項の予備議員の員数は、各々その議員の員数と同数とし、その職務を行う順序は、互選の際、これを定める。
○5  内閣総理大臣たる議員の予備議員は、内閣法 の規定により臨時に内閣総理大臣の職務を行う者として指定された国務大臣を以て、これに充てる。
○6  宮内庁の長たる議員の予備議員は、内閣総理大臣の指定する宮内庁の官吏を以て、これに充てる。
○7  議員に事故のあるとき、又は議員が欠けたときは、その予備議員が、その職務を行う。
第三十一条  第二十八条及び前条において、衆議院の議長、副議長又は議員とあるのは、衆議院が解散されたときは、後任者の定まるまでは、各々解散の際衆議院の議長、副議長又は議員であつた者とする。
第三十二条  皇族及び最高裁判所の長たる裁判官以外の裁判官たる議員及び予備議員の任期は、四年とする。
第三十三条  皇室会議は、議長が、これを招集する。
○2  皇室会議は、第三条、第十六条第二項、第十八条及び第二十条の場合には、四人以上の議員の要求があるときは、これを招集することを要する。
第三十四条  皇室会議は、六人以上の議員の出席がなければ、議事を開き議決することができない。
第三十五条  皇室会議の議事は、第三条、第十六条第二項、第十八条及び第二十条の場合には、出席した議員の三分の二以上の多数でこれを決し、その他の場合には、過半数でこれを決する。
○2  前項後段の場合において、可否同数のときは、議長の決するところによる。
第三十六条  議員は、自分の利害に特別の関係のある議事には、参与することができない。
第三十七条  皇室会議は、この法律及び他の法律に基く権限のみを行う。

   附 則
○1  この法律は、日本国憲法施行の日から、これを施行する。
○2  現在の皇族は、この法律による皇族とし、第六条の規定の適用については、これを嫡男系嫡出の者とする。
○3  現在の陵及び墓は、これを第二十七条の陵及び墓とする。

**************************

   附 則 (昭和二四年五月三一日法律第一三四号) 抄
1  この法律は、昭和二十四年六月一日から施行する。




******************************************

日本が壊されぬように。 日本国憲法第3条ー自民党改憲草案の問題点 違和感、なぜ3条に?

2013-08-03 00:00:01 | 国政レベルでなすべきこと

 8月3日の今日は、日本国憲法三条。

 これまた大問題といいますか、3条に来て早々に、自民党改憲草案は、自己矛盾を起こしております。

 
**********
日本国憲法
〔内閣の助言と承認及び責任〕
第三条 天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。


自民党改憲草案
(国旗及び国歌)
第三条 国旗は日章旗とし、国歌は君が代とする。
2 日本国民は、国旗及び国歌を尊重しなければならない。

大日本帝国憲法
第三条 天皇ハ神聖ニシテ侵スヘカラス
*************

 現行日本国憲法、自民党改憲草案、大日本帝国憲法とそれぞれの三条の内容が大きく異なるのがわかります。

 自民党改憲草案は、なぜ、「天皇」の章にわざわざ、今までなかった国旗や国歌の規定を新設し、条ずれを起こすことを覚悟で、三条に規定をおいたのか、何か不自然さ、違和感を感じさせます。

 自民党案として、第一章を「第一章 天皇」と題名をつけたのであれば、「天皇」に関わることのみで統一すべきであり、「国旗」「国歌」を入れたいのであれば、第一章の表題は、「第一章 天皇、国旗、国歌」とすべきです。自民党改憲草案は、三条にして早々に、自己矛盾を来していることになります。



 それは、さておくとしても、第三条は、大きな問題点をはらんでおります。

 〇1 国旗、国歌を憲法に規定することの是非
   国旗、国歌を、憲法においても、わざわざ改正をして、新設すべきであるかどうか。

 〇2 国旗、国歌を具体名まで出して規定することの是非
   わざわざ、「日章旗」「君が代」の文言を出さずとも、規定をおけるのではないか。
  「国旗及び国歌に関する法律」があるわけだから、「第二条 皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。」のように、例えば、「国旗、国歌は、国旗及び国歌に関する法律により、これを定める。」でよかったのではないか。

 〇3 国旗、国家を天皇の章の第三条に規定し、天皇の章に条ずれを起こすことの是非。
  万が一、国旗、国歌の規定を新設すべきとしても、天皇の章に条ずれを来してまで、第三条に規定をすべきであるかどうか。
  国家の形式面という点であれば、天皇の章に条ずれを起こすよりは、憲法の後半の方で規定をおけるのではないか。

 〇4 憲法の本質に反する規定を第三条2項に置くことの是非。
  憲法は、本質的には、現行憲法が規定(参照 〔憲法尊重擁護の義務〕第99条天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。)するように、権力側を縛るもの。
  にもかかわらず、すでに3条2項から、自民党改憲案では、「日本国民は、・・・尊重しなければならない。」などと国民を縛る内容の規定においている点は、憲法の本来の趣旨に反し大いに問題がある。
  3条2項で、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、国旗及び国歌を尊重しなければならない。」という文言を置きたいのであれば、置けないこともないと思われるが、99条がすでにあるわけだから不要であろう。





 自民党側の説明は以下。

「Q5 国旗・国歌及び元号について規定を置いていますが、これについて
どのような議論があったのですか?

答(国旗・国歌について)

 我が国の国旗及び国歌については、既に「国旗及び国歌に関する法律」によっ
て規定されていますが、国旗・国歌は一般に国家を表象的に示すいわば「シン
ボル」であり、また、国旗・国歌をめぐって教育現場で混乱が起きていることを踏まえ、
3 条に明文の規定を置くこととしました。
 当初案は、国旗及び国歌を「日本国の表象」とし、具体的には法律の規定に委ねるこ
ととしていました。しかし、我々がいつも「日の丸」と呼んでいる「日章旗」と「君が
代」は不変のものであり、具体的に固有名詞で規定しても良いとの意見が大勢を占めま
した。
 また、3 条2 項に、国民は国旗及び国歌を尊重しなければならないとの規定を置きま
したが、国旗及び国歌を国民が尊重すべきであることは当然のことであり、これによっ
て国民に新たな義務が生ずるものとは考えていません。」
(自民党 日本国憲法改正草案 Q&A 7-8ページ)

 

 自民党案は、「国旗及び国歌を国民が尊重すべきであることは当然のことであり、」と述べられておりますが、だからと言って、「日の丸及び君が代を国民が尊重すべきであることは当然のこと」まで言いえるかは、別問題です。 先の太平洋戦争の経験により、日の丸及び君が代を尊重できない方々もおられることを考慮に入れて、規定に十分な配慮をすべきであるのではないかと考えます。


*****国旗及び国歌に関する法律(全文)**************


国旗及び国歌に関する法律
(平成十一年八月十三日法律第百二十七号)



(国旗)
第一条  国旗は、日章旗とする。
2  日章旗の制式は、別記第一のとおりとする。

(国歌)
第二条  国歌は、君が代とする。
2  君が代の歌詞及び楽曲は、別記第二のとおりとする。

   附 則


(施行期日)
1  この法律は、公布の日から施行する。
(商船規則の廃止)
2  商船規則(明治三年太政官布告第五十七号)は、廃止する。
(日章旗の制式の特例)
3  日章旗の制式については、当分の間、別記第一の規定にかかわらず、寸法の割合について縦を横の十分の七とし、かつ、日章の中心の位置について旗の中心から旗竿側に横の長さの百分の一偏した位置とすることができる。


別記第一 (第一条関係)

  日章旗の制式


   一 寸法の割合及び日章の位置
       縦 横の三分の二
      日章
       直径 縦の五分の三
       中心 旗の中心
   二 彩色
      地 白色
      日章 紅色
別記第二 (第二条関係)

  君が代の歌詞及び楽曲
   一 歌詞
      君が代は 千代に八千代に さざれ石の いわおとなりて こけのむすまで
   二 楽曲 



*************************************************

憲法4条 自民党改憲案問題点:これまた大事な条文の条ずれ/「のみ」を略している!天皇の非政治化を否定?

2013-08-04 11:53:33 | 国政レベルでなすべきこと
 8月4日は、4条関連の問題点を考えます。

**************
日本国憲法
(天皇の機能の限界、天皇の国事行為の委任)
第四条  天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。
○2  天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。



自民党改憲案
(元号)
第四条 元号は、法律の定めるところにより、皇位の継承があったときに制定する。

(天皇の権能)
第五条 天皇は、この憲法に定める国事に関する行為を行い、国政に関する権能を有しない。
***************


 日本国憲法で4条のところに、自民党改憲案では、元号の新設がなされて入れられています。

 わざわざ、3条の君が代、日の丸の新設と共に、元号も、憲法に新設して、条ずれを起こしてまでも「第一章天皇」の第三条、第四条の大事な場所に規定を置くべきかは、大いに議論すべきところです。

 現行の「元号法」と「元号を改める政令」を後掲します。
 これら法律と政令だけでも十分であると思われるが、どのような理由から、憲法に規定を置くべきと、自民党側はお考えなのでしょうか。

 自民党側の説明では、「(元号について)さらに、4 条に元号の規定を設けました。この規定については、自民党内でも特に異論がありませんでしたが、現在の「元号法」の規定をほぼそのまま採用したものであり、一世一元の制を明定したものです。」(自民党 日本国憲法改正草案 Q&A 7-8ページ)
 このような自民党の側の説明だけでは、なぜ、憲法にも、規定を置きたいと思ったのか、理由が伝わりません。



 さて、自民党改憲草案では、日の丸と君が代、元号の規定に場所をとられ、追いやられる形になった憲法3条も4条もものすごく大事な規定です。
 3条は、条の形から、項に格下げされ、6条4項に移動されました。
 4条は、条ずれをおこし、5条に移動させられました。
 こんな大事な条文を、なぜ、追いやるのかなと思います。


 現行日本国憲法3条は、昨日8月3日にも取り上げたのですが、
日本国憲法
〔内閣の助言と承認及び責任〕
第三条 天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。

⇒天皇の国事行為は、すべて内閣の責任で行っており(内閣自身の責任であって天皇の責任を代位するものではない)、天皇の意思ではなされません(天皇の発意を禁ずる)。
 

日本国憲法
第四条  天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。
○2  天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。

⇒天皇は、一切政治に関わらないことを、規定した、大事な条文です。
 第2項は、臨時代行の規定。⇒後掲、「国事行為の臨時代行に関する法律」参照


 自民党改憲草案では、実は、気を付けてみなければならないのですが、国政に関わらないとする重要な規定(天皇の非政治化)において、「のみ」の文言が落ちています。

 「のみ」をとることのリスクのほうが大きくないかなと、気になるところです。
 国事行為以外に、国会開会式における「おことば」、国内巡行、海外親善旅行、外国元首の接受といった、純粋な私的行為ではない行為を天皇はされていますが、それら行為の位置づけのために、「のみ」を取ったのかもしれませんが、「のみ」がないばかりに、あれもこれもと天皇の行為が拡大してくことを許す結果になりリスクの方が大きいと私は考えます。


自民党改憲案
(天皇の権能)
第五条 天皇は、この憲法に定める国事に関する行為を行い、国政に関する権能を有しない。

 現行憲法4条1項と比較してください。「のみ」が落ちてます!!!

 

 
<下のブログにつづく>
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

上からの続き

2013-11-03 11:55:30 | 国政レベルでなすべきこと





***************************************

憲法5条 自民党改憲案問題点:自民党改憲案7条には、同6条3項も準用する規定を置くべきでは?

2013-08-05 13:44:02 | 国政レベルでなすべきこと

 8月5日は、憲法5条を見ます。

 現行憲法5条にあたると思われる自民党改憲草案の条文は、7条です。

 
*********************
日本国憲法
第五条  皇室典範 の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名でその国事に関する行為を行ふ。この場合には、前条第一項の規定を準用する。

参照:
1)前条第一項
⇒第四条一項  天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。

*実質的に準用していると解される条文で、準用の明記がない条文
2)三条 天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。

3)四条二項 天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。


自民党改憲案
(摂政)
第七条 皇室典範の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名で、その国事に関する行為を行う。
第五条及び前条第四項の規定は、摂政について準用する。

参照:
1)第五条
⇒第五条 天皇は、この憲法に定める国事に関する行為を行い、国政に関する権能を有しない。

2)前条第四項
⇒第六条四項 
天皇の国事に関する全ての行為には、内閣の進言を必要とし、内閣がその責任を負う。ただし、衆議院の解散については、内閣総理大臣の進言による。

*準用規定をすべて明記するのであれば、明記すべきと私は考える条文
3)六条三項 天皇は、法律の定めるところにより、前二項の行為を委任することができる。

*********************

 

 憲法5条が、自民党改憲案でどのように変えられるのか。

 自民党改憲案では、3条の日の丸、君が代規定と4条の元号の規定の挿入に伴い、条ずれを起こし、なおかつ、この摂政に関する規定は、現行5条から7条へとうしろの方に行きました。
 また、また、準用する規定は、現行5条では、4条のみのところ、自民党改憲案では、現行憲法4条にあたる5条と、現行憲法3条にあたる6条4項(条文であったものが項のひとつに格下げされた大事な条文)が準用されています。



 現行憲法5条は、天皇が自ら国事行為を行い得ないような状態のときに、法廷代行機関として摂政を置くことを規定しています。
 どのような場合に置くかは、皇室典範16条に規定されています。

******皇室典範16条******
第十六条  天皇が成年に達しないときは、摂政を置く。
○2  天皇が、精神若しくは身体の重患又は重大な事故により、国事に関する行為をみずからすることができないときは、皇室会議の議により、摂政を置く。
******************

 摂政の順位は、皇室典範17条に規定されています。


******皇室典範17条******
第十七条  摂政は、左の順序により、成年に達した皇族が、これに就任する。
一  皇太子又は皇太孫
二  親王及び王
三  皇后
四  皇太后
五  太皇太后
六  内親王及び女王
○2  前項第二号の場合においては、皇位継承の順序に従い、同項第六号の場合においては、皇位継承の順序に準ずる。
******************


 現行憲法5条は、4条1項のみを準用していますが、4条2項及び3条も実質的に準用されていると解されます。
 そのことを自民党改憲草案では、明文で規定したため、準用条文が多くなっているのだと思います。
 しかし、だとするなら、現行憲法4条2項にあたる自民党改憲草案の6条3項も、準用することを明文規定すべきであろうと思います
 現行憲法で、書かれていないけど、実質的に準用してきた内容を、明文規定におこうとした努力は認めますが、不十分です。実質的なものも明文におくなら、すべて明文におくべきです。
 ただ、6条3項が現行憲法と大きく内容を異なるものにされているため、あえて準用から外したのかもしれません。


 明日とりあげる現行憲法6条に関わりますが、

現行憲法:四条二項 天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。

自民党改憲草案:六条三項 天皇は、法律の定めるところにより、前二項の行為を委任することができる。

 自民党改憲草案では、委任できる国事行為が狭められています。


 なお、摂政を置くまでに至らない場合(例えば海外旅行や長期にわたる病気の場合)は、「国事行為の臨時代行に関する法律」により、臨時の代行が国事行為を行います(憲法4条2項⇒昨日8/4記載。)




(参考文献:『判例憲法 1』第一法規)


*****皇室典範 第三章摂政 第三章の全文抜粋**************
第三章 摂政

第十六条  天皇が成年に達しないときは、摂政を置く。
○2  天皇が、精神若しくは身体の重患又は重大な事故により、国事に関する行為をみずからすることができないときは、皇室会議の議により、摂政を置く。

第十七条  摂政は、左の順序により、成年に達した皇族が、これに就任する。
一  皇太子又は皇太孫
二  親王及び王
三  皇后
四  皇太后
五  太皇太后
六  内親王及び女王
○2  前項第二号の場合においては、皇位継承の順序に従い、同項第六号の場合においては、皇位継承の順序に準ずる。

第十八条  摂政又は摂政となる順位にあたる者に、精神若しくは身体の重患があり、又は重大な事故があるときは、皇室会議の議により、前条に定める順序に従つて、摂政又は摂政となる順序を変えることができる。

第十九条  摂政となる順位にあたる者が、成年に達しないため、又は前条の故障があるために、他の皇族が、摂政となつたときは、先順位にあたつていた皇族が、成年に達し、又は故障がなくなつたときでも、皇太子又は皇太孫に対する場合を除いては、摂政の任を譲ることがない。

第二十条  第十六条第二項の故障がなくなつたときは、皇室会議の議により、摂政を廃する。

第二十一条  摂政は、その在任中、訴追されない。但し、これがため、訴追の権利は、害されない。


*************************************
 


******************************

憲法6条 自民党改憲案問題点:自民党改憲案6条1項で内閣と最高裁の規定を一緒くたになぜ?

2013-08-06 14:11:35 | 国政レベルでなすべきこと
 8月6日、一日一条の自民党改憲草案の問題点の分析。

 今日は、日本国憲法6条。1項2項があります。

 自民党改憲草案では、5つの項で構成される6条の第1項に、2項分をまとめて規定されました。


****************
日本国憲法
(天皇の任命権)
第六条 天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。
二項  天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。

自民党改憲案
(天皇の国事行為等)
第六条 天皇は、国民のために、国会の指名に基づいて内閣総理大臣を任命し、内閣の指名に基づいて最高裁判所の長である裁判官を任命する。
****************

 現行日本国憲法6条は、天皇の二つの国事行為が規定されています。

 1項では、天皇が、内閣総理大臣を任命するが、その実質的決定権は、国会にあることを、

 2項では、天皇が、最高裁判所の長たる裁判官を任命するが、その実質的決定権は、内閣にあることを、

 それぞれ明らかにしています。

 内閣総理大臣任命、最高裁裁判所裁判長を任命するというそれぞれ大事な条文は、その重要性に鑑み、少なくとも別の項に分けて規定しておくべきと考えます。

 なぜ、内閣と裁判所という別のものを一緒くたにしたのか、理解に苦しみます。


 また、自民党改憲草案で、現行日本国憲法ではなかった「国民のために」という文章が入れられました。
 任命は、あくまで、形式的・儀礼的になされるものであり、主観的な目的や意図は入りようがない話です。
 主観的な意図ともとれる文章を、なぜ入れたのか疑問です。
 あたかも、天皇が、実質的決定権をもって、任命しているかのように誤解するひとがでないでしょうか?
 当たり前の語句、しかし、誤解を生み出す可能性のある語句は、入れるべきでないと考えます。

以上


**************************************
 
 

憲法7条 自民党改憲案問題点:天皇の「国事行為」や「公的行為」が安易に拡大される危険性あり。

2013-08-07 10:38:49 | 国政レベルでなすべきこと

一日一条ずつ進む自民党改憲草案の問題点分析。

 8月7日は、7条です。

 憲法7条に相当する条文は、自民党改憲草案では6条であり、その6条と比較して見ます。


*************
(日本国憲法)
第七条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
二 国会を召集すること。
三 衆議院を解散すること。
四 国会議員の総選挙の施行を公示すること。
五 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。
六 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
七 栄典を授与すること。
八 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
九 外国の大使及び公使を接受すること。
十 儀式を行ふこと。


(自民党改憲草案)
(天皇の国事行為等)
第六条 天皇は、国民のために、国会の指名に基づいて内閣総理大臣を任命し、内閣の指名に基づいて最高裁判所の長である裁判官を任命する。

2 天皇は、国民のために、次に掲げる国事に関する行為を行う。
一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
二 国会を召集すること。
三 衆議院を解散すること。
四 衆議院議員の総選挙及び参議院議員の通常選挙の施行を公示すること。
五 国務大臣及び法律の定めるその他の国の公務員の任免を認証すること。
六 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
七 栄典を授与すること。
八 全権委任状並びに大使及び公使の信任状並びに批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
九 外国の大使及び公使を接受すること。
十 儀式を行うこと。

3 天皇は、法律の定めるところにより、前二項の行為を委任することができる。

4 天皇の国事に関する全ての行為には、内閣の進言を必要とし、内閣がその責任を負う。ただし、衆議院の解散については、内閣総理大臣の進言による。

第一項及び第二項に掲げるもののほか、天皇は、国又は地方自治体その他の公共団体が主催する式典への出席その他の公的な行為を行う。

**************************

1)自民党側の説明

 以下、6条関連の自民党側の説明を見ます。

*****自民党Q&A*****

Q6 その他、天皇に関して、どのような規定をおいたのですか?

6条に天皇の行為に関する規定を置きましたが、現行憲法を一部変更してい
る所があります。

(国事行為には内閣の「進言」が必要)
現行憲法では、天皇の国事行為には内閣の「助言と承認」が必要とされていますが、
天皇の行為に対して「承認」とは礼を失することから、「進言」という言葉に統一しま
した(6 条4 項)。従来の学説でも、「助言と承認」は一体的に行われるものであり、区
別されるものではないという説が有力であり、「進言」に一本化したものです。

(天皇の公的行為を明記)
さらに、6 条5 項に、現行憲法には規定がなかった「天皇の公的行為」を明記しました。
現に、国会の開会式で「おことば」を述べること、国や地方自治体が主催する式典に出
席することなど、天皇の行為には公的な性格を持つものがあります。しかし、こうした
公的な性格を持つ行為は、現行憲法上何ら位置付けがなされていません。そこで、こう
した公的行為について、憲法上明確な規定を設けるべきであると考えました。
一部の政党は、国事行為以外の天皇の行為は違憲であると主張し、天皇の御臨席を仰
いで行われる国会の開会式にいまだに出席していません。天皇の公的行為を憲法上明確
に規定することにより、こうした議論を結着させることになります。

(国事行為の基本に変更なし)
なお、6 条2 項では、天皇の国事行為について列記されていますが、規定を分かりや
すく若干整理したものの、基本は変えていません。

********************




2)さて、以下、問題と感じることを書きます。

問題点1 整理して書いたというが、整理されていなく、逆にわかりずらい。

問題点2 現行憲法3条の大事な条文「天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。」が、条文から項に格下げされ、自民党案のこの6条4項に追いやられている。

問題点3 「進言」という言葉を持ち出しているが、現行憲法の「助言と承認」のままでよいのではないか。

問題点3 1項は、内閣と司法のことを、日本国憲法では2項に分けて書いていたものを一緒くたに書いている。これは、よろしくない。2項に分けて書くべき。

問題点4 衆議院の解散は、「内閣」ではなく、「内閣総理大臣」の「助言と承認」(自民党の言葉では、進言)でよいか。

問題点5 5項で、「天皇は、国又は地方自治体その他の公共団体が主催する式典への出席その他の公的な行為を行う。」と「公的な行為」の規定がなされている。
    議論が必要で、必要最小限の「公的行為」となるようにすべき。そのための手立てはあるのか。
    現行憲法では、国事行為を限定して書くことを目指していたのが、自民党案5条で、大事な「のみ」(現行憲法4条には入っていた)をとったことと相まって、天皇の「国事行為」や「公的行為」が安易に拡大される素地がつくられている。

cf.
自民党案5条
(天皇の権能)
第五条 天皇は、この憲法に定める国事に関する行為を行い、国政に関する権能を有しない。

現行憲法
第四条 天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。





3)自民党改憲案は、天皇の国事行為を整理して書いたということだが、逆にわかりにくくされてしまったため、改めて整理します。

 日本国憲法では、天皇の国事行為を13明文規定(日本国憲法4条2項、6条1、2項、7条1号~10号)しています。これらは、すべて、内閣の助言と承認を必要とする行為です(現行憲法3条「天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。」)

 それら規定の文言が、どのように自民党改憲案でなっているのか。



○4条2項
現行憲法:天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。

自民党案:天皇は、法律の定めるところにより、前二項の行為を委任することができる。(自民党改憲案では、6条3項)




○6条1項
現行憲法:天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。

自民党案:天皇は、国民のために、国会の指名に基づいて内閣総理大臣を任命し、内閣の指名に基づいて最高裁判所の長である裁判官を任命する。(自民党改憲案では、6条1項)

⇒自民党案では、内閣は内閣、司法は司法で条文をわけるべき。



○6条2項
現行憲法:天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。

自民党案:天皇は、国民のために、国会の指名に基づいて内閣総理大臣を任命し、内閣の指名に基づいて最高裁判所の長である裁判官を任命する。(自民党改憲案では、6条1項)

⇒自民党案では、内閣は内閣、司法は司法で条文をわけるべき。


○7条1号~10号
現行憲法:天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。

自民党案:天皇は、国民のために、次に掲げる国事に関する行為を行う。

⇒自民党案では、「内閣の助言と承認により」が削られています。後の条項で補足するのではなく、柱書きに入れるべきだと思います。自民党案6条4項だけでは、わかりにくい。

現行憲法:
一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
二 国会を召集すること。
三 衆議院を解散すること。
四 国会議員の総選挙の施行を公示すること。
五 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。
六 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
七 栄典を授与すること。
八 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
九 外国の大使及び公使を接受すること。
十 儀式を行ふこと。

自民党案:
一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
二 国会を召集すること。
三 衆議院を解散すること。
四 衆議院議員の総選挙及び参議院議員の通常選挙の施行を公示すること。
五 国務大臣及び法律の定めるその他の国の公務員の任免を認証すること。
六 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
七 栄典を授与すること。
八 全権委任状並びに大使及び公使の信任状並びに批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
九 外国の大使及び公使を接受すること。
十 儀式を行うこと。


以上


************************************

 

憲法8条:皇室財政を皇室自立主義から国会中心主義に転換。「国会の議決」の文言のままでよいのでは?

2013-08-08 12:20:31 | 築地を守る、築地市場現在地再整備

 一日一条づつ自民党改憲案の問題点を見ていきます。  

 8月8日の今日は、8条。第一章天皇は、この8条で終わり、9条からは第2章に入ります。

***************************
日本国憲法
(財産授受の制限)
第八条 皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財産を譲り受け、若しくは賜与することは、国会の議決に基かなければならない。

自民党改憲草案
(皇室への財産の譲渡等の制限)
第八条 皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が財産を譲り受け、若しくは賜与するには、法律で定める場合を除き、国会の承認を経なければならない。
***************************  

 憲法8条は、88条とともに、皇室経費に関する規定です。  
 (うまく皇室経費に関する条文は、「8」でそろえたのかな?それは、さておき)

****日本国憲法88条*****
第八十八条  すべて皇室財産は、国に属する。すべて皇室の費用は、予算に計上して国会の議決を経なければならない。

自民党改憲草案
(皇室財産及び皇室の費用)
第八十八条 全て皇室財産は、国に属する。全て皇室の費用は、予算案に計上して国会の議決を経なければならない。
****************  

 さて、新憲法の施行とともに、天皇の財産(御料)および皇族の財産(これを合わせて皇室財産と言う)は、「国に属する」ことになりました。  
 そして、天皇および皇族の活動に要する費用は、「すべて…予算に計上して国会の議決を経なければならない」と規定されました。内閣により「日本国憲法第8条の規定による議決案」として国会に付議されます。  

 予算に計上される皇室経費には、皇室経済法(最後に全文を掲載します。)で、三つの区分がされています。  

〇内廷費 皇室経済法4条  

〇宮廷費 皇室経済法5条  

〇皇族費 皇室経済法6条  

 一定の種類の行為については、その度ごとに国会の議決を経ることを要しないとされています(皇室経済法2条)。  

 8条と88条により、明治憲法下の皇室自立主義を国会中心主義に、皇室財政制度においても変更することとなりました。  

 「皇室に再び大きな財産が集中したり、皇室が特定の個人ないし団体と特別の関係を結び不当な支配力をもつことを防止することを目的」としています(『憲法第5版』岩波新書 芦部信喜 53ページ)。  

 自民党改憲草案では、「国会の議決」の文言が、「国会の承認」とされています。  

 わざわざ、文言を変えなくてもよいのではないでしょうか。


*****皇室経済法 全文****


皇室経済法
(昭和二十二年一月十六日法律第四号)


最終改正:平成一一年一二月二二日法律第一六〇号

 

第一条  削除

第二条  左の各号の一に該当する場合においては、その度ごとに国会の議決を経なくても、皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が財産を譲り受け、若しくは賜与することができる。
一  相当の対価による売買等通常の私的経済行為に係る場合
二  外国交際のための儀礼上の贈答に係る場合
三  公共のためになす遺贈又は遺産の賜与に係る場合
四  前各号に掲げる場合を除く外、毎年四月一日から翌年三月三十一日までの期間内に、皇室がなす賜与又は譲受に係る財産の価額が、別に法律で定める一定価額に達するに至るまでの場合

第三条  予算に計上する皇室の費用は、これを内廷費、宮廷費及び皇族費とする。

第四条  内廷費は、天皇並びに皇后、太皇太后、皇太后、皇太子、皇太子妃、皇太孫、皇太孫妃及び内廷にあるその他の皇族の日常の費用その他内廷諸費に充てるものとし、別に法律で定める定額を、毎年支出するものとする
○2  内廷費として支出されたものは、御手元金となるものとし、宮内庁の経理に属する公金としない。
○3  皇室経済会議は、第一項の定額について、変更の必要があると認めるときは、これに関する意見を内閣に提出しなければならない。
○4  前項の意見の提出があつたときは、内閣は、その内容をなるべく速かに国会に報告しなければならない。

第五条  宮廷費は、内廷諸費以外の宮廷諸費に充てるものとし、宮内庁で、これを経理する

第六条  皇族費は、皇族としての品位保持の資に充てるために、年額により毎年支出するもの及び皇族が初めて独立の生計を営む際に一時金額により支出するもの並びに皇族であつた者としての品位保持の資に充てるために、皇族が皇室典範 の定めるところによりその身分を離れる際に一時金額により支出するものとする。その年額又は一時金額は、別に法律で定める定額に基いて、これを算出する
○2  前項の場合において、皇族が初めて独立の生計を営むことの認定は、皇室経済会議の議を経ることを要する。
○3  年額による皇族費は、左の各号並びに第四項及び第五項の規定により算出する額とし、第四条第一項に規定する皇族以外の各皇族に対し、毎年これを支出するものとする。
一  独立の生計を営む親王に対しては、定額相当額の金額とする。
二  前号の親王の妃に対しては、定額の二分の一に相当する額の金額とする。但し、その夫を失つて独立の生計を営む親王妃に対しては、定額相当額の金額とする。この場合において、独立の生計を営むことの認定は、皇室経済会議の議を経ることを要する。
三  独立の生計を営む内親王に対しては、定額の二分の一に相当する額の金額とする。
四  独立の生計を営まない親王、その妃及び内親王に対しては、定額の十分の一に相当する額の金額とする。ただし、成年に達した者に対しては、定額の十分の三に相当する額の金額とする。
五  王、王妃及び女王に対しては、それぞれ前各号の親王、親王妃及び内親王に準じて算出した額の十分の七に相当する額の金額とする。
○4  摂政たる皇族に対しては、その在任中は、定額の三倍に相当する額の金額とする。
○5  同一人が二以上の身分を有するときは、その年額中の多額のものによる。
○6  皇族が初めて独立の生計を営む際に支出する一時金額による皇族費は、独立の生計を営む皇族について算出する年額の二倍に相当する額の金額とする。
○7  皇族がその身分を離れる際に支出する一時金額による皇族費は、左の各号に掲げる額を超えない範囲内において、皇室経済会議の議を経て定める金額とする。
一  皇室典範第十一条 、第十二条及び第十四条の規定により皇族の身分を離れる者については、独立の生計を営む皇族について算出する年額の十倍に相当する額
二  皇室典範第十三条 の規定により皇族の身分を離れる者については、第三項及び第五項の規定により算出する年額の十倍に相当する額。この場合において、成年に達した皇族は、独立の生計を営む皇族とみなす。
○8  第四条第二項の規定は、皇族費として支出されたものに、これを準用する。
○9  第四条第三項及び第四項の規定は、第一項の定額に、これを準用する。

第七条  皇位とともに伝わるべき由緒ある物は、皇位とともに、皇嗣が、これを受ける。

第八条  皇室経済会議は、議員八人でこれを組織する。
○2  議員は、衆議院及び参議院の議長及び副議長、内閣総理大臣、財務大臣、宮内庁の長並びに会計検査院の長をもつて、これに充てる。

第九条  皇室経済会議に、予備議員八人を置く。

第十条  皇室経済会議は、五人以上の議員の出席がなければ、議事を開き議決することができない。
○2  皇室経済会議の議事は、過半数でこれを決する。可否同数のときは、議長の決するところによる。

第十一条  皇室典範第二十九条 、第三十条第三項から第七項まで、第三十一条、第三十三条第一項、第三十六条及び第三十七条の規定は、皇室経済会議に、これを準用する。
○2  財務大臣たる議員の予備議員は、財務事務次官をもつて、これに充て、会計検査院の長たる議員の予備議員は、内閣総理大臣の指定する会計検査院の官吏をもつて、これに充てる。

   附 則 抄


○1  この法律は、日本国憲法施行の日から、これを施行する。
○2  この法律施行の際、現に皇室の用に供せられている従前の皇室財産で、国有財産法の国有財産となつたものは、第一条第二項の規定にかかわらず、皇室経済会議の議を経ることなく、これを皇室用財産とする。
○3  この法律施行の際、従前の皇室会計に所属する権利義務で国に引き継がるべきものの経過的処理に関し、必要な事項は、政令でこれを定める。

   附 則 (昭和二四年五月三一日法律第一三四号)抄


1  この法律は、昭和二十四年六月一日から施行する。

   附 則 (昭和二七年二月二九日法律第二号)


1  この法律は、昭和二十七年四月一日から施行する。
2  この法律施行の際既婚者たる親王は、改正後の皇室経済法第六条第三項の適用については、独立の生計を営む親王とみなす。
3  この法律施行の際未婚者たる親王又は内親王は、改正後の皇室経済法第六条第三項の適用については、独立の生計を営まない親王又は内親王とみなす。

   附 則 (昭和二八年六月三〇日法律第四七号)

 この法律は、昭和二十八年七月一日から施行する。


   附 則 (昭和四〇年五月二二日法律第七六号)

 この法律は、公布の日から施行し、昭和四十年四月一日から適用する。


   附 則 (平成一一年一二月二二日法律第一六〇号) 抄


(施行期日)
第一条  この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。

 

 

*******************************

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

出光興産創業者 出光佐三氏が今の日本に生まれていたらー日章丸事件

2013-11-02 23:00:00 | 書評

      
 出光佐三氏及び出光興産社員の敗戦直後の活躍に感謝したい気持ちである。


 「石油の一滴は血の一滴」と言われ、日本は、石油のために太平洋戦争をし、石油のために敗れた。大きな要因として石油があったことは言い得ている。
 戦後、第二の敗戦として、石油業界が外国の石油資本7大メジャー(7人の魔女)に日本の各社が飲み込まれるも、出光は、日本全体が蹂躙されてしまうことを防いだ。


 その出光の創業以来の社是は、「社員は家族」「非上場」「出勤簿は不要」「定年制度は不要」「労働組合は不要」。小さな個人商店ならわかるが、大企業がこのような社是とは、驚きと、社員は大丈夫かとふと思いたくなる。しかし、社員は、なんら文句を言うこともなく、逆にいきいきと、例えば、GHQから指令されたが、どの企業もやることに手を上げなかった石油タンクに残った油のくみ出しを、出光社員の人海戦術でやりとげたのである。


 なぜ、社員がそこまでできたのか。佐三氏の魅力やその精神すなわち「人間尊重」、「和の精神」、「国のためを第一に考えること」につきる。
 戦後の焼け野原となった日本において、失業者があふれる中、佐三氏は、1000人の社員を一人と首にすることなく、家族のように養った。事情が事情なのだから、社員を縮減して企業存続を考えるであろうが、佐三氏の発想はそうではなかった。なんとか仕事を探し、ラジオの修理の全国展開を銀行から多額の借金をしてもやろうとした。


 石油の業界団体に加わっていなかったことから、周囲の妨害も並大抵のものではなかった。偽の情報からGHQには「公職追放」と指定され、石油配給公団の指定する「販売業者」からはずされかけ、イランへ送るタンカーを借りる契約を直前に破棄され、石油販売の配給比率のメジャーを有利にする制限など、同業者からも、政府からも、国際石油カルテルからも標的にされた。


 悲しくなるのは、自らの企業の利益や組織の存続という点にのみ目を向ける他企業の幹部や政府役人の存在である。佐三氏は、無私無欲で、日本のためにしているにも関わらず、情け容赦のない妨害をしてきた。


 和の精神の佐三氏、そして社員は家族の出光興産は、それら妨害につぶされることなく、乗り切った。朝鮮戦争が勃発し、「特需」とともに石油消費の需要もあったという運もあったが、それだけではない。
 難題を乗り切ろうとして必死に努力をする社員と、佐三氏が有する信頼できる人脈が、危機を回避し、交渉を実りあるものへと変えて行った。


 出光興産の大きな偉業のひとつは、イランからの石油の買い付けである。
 その名も、「日章丸事件」。
 イランは、7大メジャーに長い間支配されて来たことに闘って、モサデク首相のもとイギリスの国策会社アングロ・イラニアンを自国の会社とした。そのために厳しい経済封鎖をかけられ、イランの石油を運び出そうとする船舶は、イギリスの軍艦により拿捕される状況にあった。
 佐三氏は、隠密裏にイランとの交渉を進め、自社の日章丸をイランへ送った。日章丸の乗組員さえ行き先を正しく教えられることなく航海した。
 イランへ行き先を変更したとき、「イランの石油を購入することでイランを助け、日本の石油業界の未来に貢献する」という佐三氏の檄文を船長が読み上げると、戦場に赴く危険な任務を明かされたのにもかかわらず乗組員から「万歳」の声が何度も轟くのであった。
 無事、イランの石油を輸入し、正当性が国際法上も認められた。
 その後、メジャーの逆襲、すなわち、アメリカCIAの仕組んだクーデターで、パーレビ国王が元首とされ、モサデク首相がひきずり降ろされ、イラン革命までの間、イランの石油は、メジャーの手に落ちる。
 そのことからすると日章丸の石油の輸入はほんの一矢にすぎないが、イランと日本の友好関係が続いてほしかったと思うところである。


 「99人の馬鹿がいても、正義を貫く男がひとりいれば、間違った世の中にはならない。そういう男がひとりもいなくなったときこそ、日本は終わる」佐三氏の言。
 たとえ、組織の内向きの論理でつぶしにかかっても、正しいことを行っている以上、そのことを見ている人は必ずいて、救いの手は差し出されるし、運命も見方する。
 佐三氏の人生は、そのことを証明してくれる。さらにいうなら、佐三氏の正義は、単なる主義という漠然としたものではなく、人間の尊厳から出てくるものであった。


 出光興産の社是は、今も通じるように思う。それこそが、日本の企業の理想とすべき姿と考えるがいかがか。


 今、私は法律を学んでいる。小児科医として、子ども達の育つ環境を政策的にも制度的にも街づくりからもよくするためには、法律という“刀”が必要であると考えるからである。
 法律では、民主主義、自由主義など主義という言葉が多用され、思考のはじめに○○主義から入って行こうとしていた。
 佐三氏は、「主義の奴隷になるな」と言う。主義を主張する一方で、人間尊重、和の精神に立ち返ることを忘れずにもちたいと思う。人間尊重、和の精神は、敗戦後の最も困難な時期でさえ通じたのであるから、今も通じるはずである。


参考文献
『海賊とよばれた男』  百田尚樹 著 
『マルクスが日本に生まれていたら』 出光佐三 著

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

医療法人小坂成育会 こども元気クリニック・病児保育室(東京都中央区月島3丁目)11月のお知らせ

2013-11-01 16:20:02 | 小児医療
こんにちは、


いよいよ11月です。街が、イルミネーションで美しく飾られる季節。


小坂クリニックから11月のお知らせをさせていただきます。


**********************************
<小坂クリニック11月のお知らせ>

【1】インフルエンザ予防接種を実施中です。

 子ども(13歳未満)は、4週間の間隔で2回、年内に接種が終わることをお勧めします。


 インフルエンザは冬に猛威を振るいます。
 毎年、インフルエンザ脳症で幼い命が奪われています。
 小児科医としては、なんとしても不幸な事態は防ぎたいと思っています。

 第一にできることは、予防接種です。
 (第二、第三は、十分な休養と人ごみを避けること。外出時のマスクと帰宅後の手洗いうがい。)
 

 ご家族でまずは、予防接種をして防いでください。


 受験等大切な行事のあるかたも、接種をお忘れなく。


 親御さんの接種も実施致します。


 ご予約:03-5547-1191(日曜日、祝日も接種致します。)


なお、当院の小児用インフルエンザワクチンは、保存剤に水銀であるチメロサールが入っていないものを用いています。
 チメロサール入りを気にせずに接種される医師はいます。特に極端にワクチン価格が低い医院はチメロサール入りのワクチンを安易に用いていることが多いと思いますので、医院にお確かめください。
 


【2】11月の日曜日/祝日の午前中は、11/10(日)と11/17(日)を除き急病対応致します。

 急病対応可能な日曜日/祝日

 11月=11/3(日)、11/4(月、祝)、11/23(土、祝)11/24(日)

 12月=12/1(日)、12/8(日)、12/15(日)、12/22(日)、12/29(日)

 年末年始=年末12/31まで診療、年始1/4から診療開始


*月曜日朝一番で登園できるよう治癒証明なども日曜日に書きますのでご利用ください。



【3】ポータブル鼻吸引器(医療用)の無料貸し出しを始めました!

 鼻水、風邪のシーズンです。
 小さい子は、鼻をかめなくて、鼻水が咳になったり、鼻が詰まり呼吸し辛くて睡眠できなくなったりしてたいへんです。

 口で吸う鼻吸引器では、なかなか効果が出ません。

 そこで、当院では、医療用のポータブル鼻吸引器(医療用)の無料貸し出しを始めました。

 鼻水でお困りの方は、診療の時、お気軽にご相談下さい。



【4】クリニック隣り、みんなの子育てひろば“あすなろの木”のお知らせ

みんなの子育てひろば“あすなろの木”では、

テコンドー教室を毎週日曜日に開催しております。

日頃、子育てで忙しいお母さんでも

仕事でお子さんと接する機会の少ないお父さんでも

お子さんと一緒にテコンドーを習いながら、

お互いのコミュニケーションを図ることができます。

御興味のある方は、ご連絡ください。



毎週日曜日 / 親子クラス AM9:30-10:30 / 小学生クラス AM10:30-11:30 

連絡先 / あすなろの木事務局 03-5547-1191

************************************

以上です。


寒くなって、下痢や嘔吐、咳鼻水など風邪を引くことが多い季節です。

どうか体調をくずされませんように。
ご無理をなさらず、十分に休養をとって下さい。


今年も残すところ、あと2ヶ月となりました。
お元気でお過ごしください。


小坂和輝
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自民党の最高裁軽視には、あきれるとの毎日新聞社説。私達国民がきちんと国会議員を取捨選択をせねば!

2013-11-01 10:23:01 | 国政レベルでなすべきこと

 毎日新聞社説は、ごもっともなご指摘です。


 最高裁の判決は、当然あるべきものでした。
 子は、親を選んで生まれることはできないわけであり、婚外子であるから相続分が2分の1になるのは、自身にはいかんともしがたいいわれのない差別です。
 もちろん、憲法14条に反し違憲です。


 最高裁の判決を重視した法改正を期待いたします。


 新聞はじめジャーナリズムは、これからもひとりひとりの国会議員の発言、考え方をわかりやすく有権者に伝えていただき、

「国権の最高機関が、司法判断が出たからといって、ハイハイと従うわけにはいかない」

「自民党として最高裁の判断はおかしいというメッセージを発するべきではないか」

「違憲審査権があるからといって、オートマチックには受け入れられない」

「最高裁決定によれば、安心して婚外子を産めるようになってしまう」−−など

 信じられない発言をされる国会議員を、私達国民がきちんと取捨選択していきたいものです。


*****************************************************************
http://mainichi.jp/opinion/news/20131031k0000m070144000c.html

社説:最高裁を軽視 自民党は思い上がるな

毎日新聞 2013年10月31日 02時31分(最終更新 10月31日 02時43分)


 憲法で保障された最高裁の違憲審査権に異議をとなえ、軽視するかのような自民党の姿勢にあきれる。

 最高裁が9月、結婚していない男女間の子(婚外子)の遺産相続分を結婚した男女間の子の半分とした民法の相続格差規定について、違憲判断を示した。それを受け、政府は規定を削除し、差別を是正する民法改正案の今国会提出を目指している。だが、自民党の法務部会が「伝統的な家族制度を崩壊させる」として、法案の提出を了承せず、今国会での是正が不透明な状態になっている。

 憲法14条の「法の下の平等」という国民の基本的人権の擁護に基づく最高裁の結論だ。三権分立に照らしても、司法の判断をないがしろにすることは許されない。早急に党内手続きを進め、今国会で法改正を成し遂げねばならない。

 29日の部会での発言を紹介したい。「国権の最高機関が、司法判断が出たからといって、ハイハイと従うわけにはいかない」「自民党として最高裁の判断はおかしいというメッセージを発するべきではないか」「違憲審査権があるからといって、オートマチックには受け入れられない」「最高裁決定によれば、安心して婚外子を産めるようになってしまう」−−などだ。

 もちろん、個々の議員の意見だ。自民党総体としての考え方ではないだろう。最高裁の判断に従うべきだとの声も一部であった。だが、全体として反対意見に押され、部会の結論がまとまっていないのは確かだ。

 自民党よ思い上がるな、と言わざるを得ない。

 日本は法治国家として、憲法の規定で立法、行政、司法の役割や権限を定めている。三権が互いにチェック機能を働かせる中で、国民主権の実現を目指す仕組みだ。違憲審査権に基づく最高裁判断を立法府が尊重するのは当然のことだ。1票の格差問題にも通じるが、三権の一角である司法判断への鈍感さは目に余る。

 自民党の憲法改正草案では、「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は、互いに助け合わなければならない」との規定を新設する。そうした考えに基づき、正妻の相続分の引き上げなどを主張する意見も部会で出た。

 法務省にそれを検討させることを条件に、民法改正案を了承しようという動きもある。だが、交換条件はなじまない。まず、司法の最終結論を立法府が重く受け止める。その上で、必要ならば別途検討するのが筋ではないか。菅義偉官房長官は最高裁の決定後、「厳粛に受け止め、立法的な手当てを早くしたい」と述べていた。自民党総裁である安倍晋三首相のリーダーシップが問われる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする