こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

雪の断章

2007-03-26 00:00:00 | 未分類
佐々木丸美さん『雪の断章』を読みました。

倉折飛鳥は孤児だった。
五歳の時、迷子になった大通り公園で、初めて見ず知らずの人の親切を受けた。
八歳の頃、本岡という家に引き取られ、切れ目の無い仕事と、その娘による学校での束縛を受けた。
あまりの仕打ちに耐え切れず、街に飛び出すと、かつて親切にしてくれた青年に再び出会った。
彼は滝杷祐也という名で、話を聴くと帰るよう説得されたものの、結局は引き取ってくれた。
祐也に引き取られた後、同じアパートの住人たちにも愛情を与えられて、生き生きと育っていく。

思春期に、大きな事件にぶち当たり、動揺しますが、飛鳥なりの正義感で雄雄しく立ち直り、
秘密を抱えて生きていきます。
その頑固さは、幼いのかもしれませんが、共感を覚えます。
みずみずしい美しさを持って大人になった飛鳥は、今後、どんな困難があろうとも、
顔を上げて立ち向かっていくのだろうと感じました。

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空色勾玉

2007-03-25 00:00:00 | 未分類
荻原規子さん『空色勾玉』を読みました。

狭也は、六つの頃、鬼に追われ両親を失い、生き延びた果てに羽柴の両親に拾われ育てられた。
十五になり、祭の前に出会った祭の楽人たちに、狭由良姫の生まれ変わりと教えられた。
闇を怖れ、一度は月代王の采女となった狭也だが、宮の宮殿で縛められて夢を見ていた「輝」の末子
稚羽矢と出会い、不思議な運命を切り開いていく。

イザナミノミコトとイザナミノミコトの後日談のような物語です。
不快な現実から逃げていた狭也が、たくましく成長していくところがジュブナイルかな?
と感じられたところです。

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新・特捜司法官S-A 4

2007-03-24 00:00:00 | 未分類
麻城ゆうさん『新・特捜司法官S-A 4』を読みました。

新進女優キラリンことゼドナの姉・美奈子の死から、セドナは立ち直りつつあった。
しかし、偽者の「進化レポート」によって、人間不要論を
部分的にしろ信じてしまいそうな傾向を見せ始めた。
一方、秋津は撮影現場のプールで、シートにくるまれた死体を発見してしまう。
人類から新たに進化した種になるというネオヒューマン。
自然な種の移行を望む特捜司法局と秋津たちだが・・・。

一種の選民思想を巧妙に浸透させようとする陰謀で、純粋なセドナが、姉を殺された影響で
人類を憎んでしまうのではないかと心配です。
被害者が出る前にくい止められるといいのですが。
あと、『JOKER』のファンといたしましては、何気なく後日談が語られていることが
うれしいですね。バーリーさんも出てくるし、今後の展開が楽しみです。

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赤朽葉家の伝説

2007-03-23 00:00:00 | 未分類
桜庭一樹さん『赤朽葉の伝説』を読みました。

万葉は、三歳になるかならないうちに、‘‘辺境の人’’においていかれた。
引き取られたのは、彼女がおいていかれた井戸端の三軒先の若夫婦のもとだった。
実の子と、何の分け隔てもなく育てられ、学校にも通わせてもらったが、
なぜだか文字を憶えることができなかった。
そんな万葉のもとに、ある日、赤朽葉製鉄の奥様が現れ「うちの嫁にきなさい」と言い残し
去っていく。

製鉄華やかなりし頃、赤朽葉の嫁として、子を産み育て、家を守ってきた万葉。
戦後の上昇景気のもと、不良文化に影響され、時代の寵児として生き、
漫画家として燃焼した毛毬。
そしてバブル崩壊後、何者でもない平凡な娘として成長し、生き方に悩んでいる瞳子。

高度経済成長、バブル景気、そして平成の世に至る現代史を背景に、
鳥取の旧家に生きる三代の女性たちの生き様が描かれています。

それぞれの時代の女たちが、典型的な時代の申し子として生き生きとして描かれており、
その喜怒哀楽がしみじみと感じられる物語です。

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メイド刑事4

2007-03-22 00:00:00 | 未分類
早見裕司さん『メイド刑事4』を読みました。

日本で最も犯罪発生率が低い奇跡の県・姉尾。
しかし、それは県警本部長の桜木が権力と恐怖で住民を抑圧し、さからう者は「黄金の剣」という
暗殺集団に始末させるという独裁社会であった。

桜木の屋敷にメイドとして潜入した葵は、奇妙なうめき声の聴こえる地下に乗り込み、罠にかかる。
気がつくと、警官殺しの濡れ衣を着せられていたのだ。
「黄金の剣」と県警に追われながら、桜木のやり方に疑問を持つ人々の協力を得て
反撃の機会をうかがう。

正義感の行き過ぎの恐怖と、弱い者・道に外れた者を救う道の大切さを教えられた気がします。
あと、偏らない考え方や自分で物を考えることも大事ですよね。
色んな人の意見を聴く耳を持ちたいと思います。

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