京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 空は高く、そぞろ歩いて…

2009年10月13日 | 日々の暮らしの中で
露草を見つけ、きれいに根っこから頂戴して帰った。根元近くに小さな花がひとつ。

赤まんまもしっかり根付き、伸びた茎からはいくつも赤い花がついた。道端や草むらなどどこにでも生えている草に、少しの栄養を与え、成長の促進を図ってみた。すくっと伸びた。…が、所詮は
    ひねもすの埃のまんまの赤のまんま     虚子
なのだろうか。ちょっとお気の毒。そして、ちょっと飽きてしまったの…。

そこで今度はツユクサだ。地面を這って増える似たもの同士だけれど、名前がはかなげで、ゆかしい。今の季節、まだ花開くのだろうか、小さなふくらみをいくつも付けている…。植物の葉や花を直接に摺りつけて布を染めるのに用いた露草だが、水に落ちやすく褪せやすいという。移ろいやすいは人の心…。朝に咲き昼にはしぼむ花、これまたはかないこと。

鹿ケ谷カボチャがぶら下がっていた。ひょうたん型をしている。ぼつぼつがあるほうが形がよいそうで、普通のかぼちゃより栄養価は高いのだそうだ。畑で収穫した野菜を売っているおばあちゃんから、アフリカから来た人が八個も買ってくれたことがあったと聞いた。お国の味と似ているのだとか。甘みは少ないという。

植木鉢をひっくり返した。斑入りの沈丁花のいただきもの。あわてて土を掬い入れていたらみみずが出てきた。危うく触るところだった。「みみず鳴く」、地中での静寂を破られ鳴いていただろうか…。『虫愛づる姫』にもなれなかった、畑仕事に縁遠い理由かもしれない。

何をしているやら、好天の秋の一日だった。
コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする