「ジェシカさまよ」
と、kei婆ちゃんが、この日のあさ、ホール家の一人娘・Jessieのお目覚めを今や遅しと待ちくたびれて、芝居もどきの神妙さでもうしあげたものであった。
男の子のだけどと前置きし、ジェシーに自転車を譲ってくれたおばちゃんがいたことを告げた朝。青と黄のツートンカラー、“ピンクの自転車”ではなく、補助車も付いてはなかったが、なんの問題もない三歳児だった。
早速に補助車を付け、練習開始。歩いて十分ほどのお気に入りの公園まで、ガラガラガラガラと騒音をまき散らして日参していたものだ。母親が自転車で同行。行きはよいよい、帰りは歩いたほうがましなことがあるらしかった。母親の不機嫌さが家内の環境汚染、私らの吸う空気を汚してしまう…。自転車二台を引いて、お疲れはごもっともだった。本人は我関せず? いやいや、マミィちゃんのぶつぶつに小さな胸を痛めていたことだろう。でもその後もときどきそういうことはあった。
四歳の誕生日プレゼントだという自転車に乗るジェシー。
一人前の男として自由の世界にいで立つ龍馬さんのおそばにも寄れないが、心なしか顔つきも少女らしさを増し、悠然と落ち着き払ったかに見えるジェシカさま。
寿司好きの彼女のために求めた絵はがき。
キティちゃんの切手第2弾を貼って投函。
第一声は!?
早くひらがなぐらい読めるようにしてやって~~な、マミィちゃん!