京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 「熟女」にもなれなくて?

2009年10月29日 | こんな本も読んでみた
読書週刊が始まっている。秋の夜長に…
11月1日は古典の日。古典とは… 古今東西を問わずに、ジャンルの別もなく模範として愛読されてきた書物…。ではあっても、私には日本の古典文学に限定されてしまう。ただ、今何かを読むといっても、ちょっとなあ…。

歴史は好きだ。歴史小説も好き。歴史の好きな女性を「歴女」というらしい。
若い女性の間でも人気がある、みたい。だが、彼女たちがいくら龍馬を追いかけたって「歴女」にはなれないのだ。該当者枠は「熟女」に限ると。熟女って…

    熟 == ウれる(果実が十分に成熟する。)
         ナれる(調和してよくまじって味がよくなる)
                   :‘99年版漢和辞典による

    熟する == 十分にみのる    :最新の広辞苑で

淑女(しゅくじょ)はあっても、熟女(じゅくじょ)など載っていない。
ちなみに淑女は == 善良で徳のある女性・品位のある女性  とある。

齢だけくったって、「淑女」も「熟女」も圏外、とあらば?
  幼女・少女…まさか、天女・美女、烈女?イメージが悪い…、
 (善男)善女。しかし…善女も今一つ。「熟女」も“イメージ”には程遠い。
そこで歴史小説もパス!!

読み出したのは『懐かしき友への手紙』三木卓著(河出書房親書)。
目次を見ると「耳」「指」「膝」「肌」「眼」…と。身体器官の感覚を横軸に、家族や友人、知己など懐かしい人たちとの交流の記憶が時には本名で登場してくる。短編9編の連作。

「人はあちこちこわしながらも、勇敢にたたかっていく」
身体の不調や体力の変化を受け入れようとすれば、老いることは人間の自然な過程となるわけだ。病や体の違和感を通して、他者への感謝となったり共感があり、いたわりが感じられてくる。不思議なぬくもりを感じたりもしている。
「人間であることは、はるかにおもしろいことだった。…すべては満足と感謝の中にある。」 でもその裏で、少し哀しい…かな。
コメント (5)
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