7月20日
朝、目を覚ましてテントを出てみると
すぐ近くで大きなヤクが何匹も朝食中。
こちらは自分の朝ごはん。
皆さんはお粥を食べているが、入院を経験して以来白粥嫌いになってしまったのでクリームチーズにイクラと安キャビアを独占。
キャンプ地のお隣さんはモンゴル人の大家族。
立派な4WDでやってきて、早々とテントを片付けて出発準備中。
そこで我々もテントの撤収にかかるが
今日から荷物を運んでくれるのは昨晩から待機中のこのラクダさんたち。
中東方面でおなじみのヒトコブラクダではなくフタコブラクダだが、荷物を載せる準備のため背中が見えないのが残念。全体にヒトコブより小さくておとなしそうだ。
みんなで準備体操をして、8時半に出発。
ダラダラとした登りを雪山の方へ歩いて行く。
キャンプ場からはこのワンコがずっと同行。
この子、片足を車にでも轢かれたのか怪我しているのだが、何が面白いのかずっと付いてくる。
途中の川だけは車を1台呼んで渡らせてもらったが、
すれ違う欧米人たちはみんな馬、モンゴル人たちは4WDで追い抜いて行き、歩いて行くのは我々のグループのみ。
え~、車で行けるなら車で行きたいよ~、と軟弱者は文句をたれるが、山歩きベテランの諸先輩方は黙々とペースを保って歩き続ける。
ところで今回のツアーは題して「モンゴル最果ての花園を求めて」。
そのタイトルに偽りなく、周りの草原には花がいっぱい。
これは歩きだからこそ楽しめるが、しゃがみこんで写真を撮っていると息は切れるわ、ますます遅れるわでちょっと大変。
やがて後から荷物を積んでやって来た我々のラクダ隊が追い抜いていき
湖のほとりでお昼休憩。
今日のお弁当は野菜たっぷりのサンドイッチ。
ここから先は傾斜がきつくなって、最年少者が最後尾でヘロヘロ。
やっとたどり着いた標高3100mの峠にはモンゴル式のオボーと呼ばれる石積み。
4WDでやって来るモンゴル人の皆さんはここが目的地。モンゴルではこれに石を一つづつ乗せながら周りを3回まわるのだそうだ。
この峠から見えるのがタバンボグド山塊。
目の前に見える左側がアレクサンダー氷河、右側がポターニン氷河で、2つの氷河に挟まれた黒いナラン峰の右奥の白い山がモンゴル最高峰、4374mのフィティン峰。
と、ここまではいい天気の中を歩いてきたのだが、この峠で氷河からの冷たい風に吹かれているうちにどんどん雲が湧いてきて山もかすんできた。
そこで先を急ごうと峠を下るうちに
やがて雨が落ちてきてそれがみぞれになり、雨脚も激しくなる。そのうちに足元は湿地になって、気を付けていないと靴が泥や水たまりに落ちてしまう。
と言うわけでこの後は写真など撮る余裕もなく1時間歩いて、15時になんとかキャンプ場に到着。
レインウェアを着なかったパンツはびしょぬれ、指先も冷たくなってしまったが、先に着いていたキッチンスタッフがダイニングテントを張ってくれていたので助かった。
暖かいお茶を飲んで休んでいるうちに天気は回復して、今夜の寝床も作ってもらえた。
ここも標高3100mほど、2つの氷河が目の前。
今夜もシェフがたくさん料理を作ってくれたけれど、標高差500m、15キロを歩いたら疲れてしまってスープ以外は食べられなかった。
夜は寝袋の中に湯たんぽ代わりのボトルを入れて、朝の5時ごろに目を覚ますと月の明るいこと。
今回は月が明るすぎて満天の星空を拝むことはできなかった。
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