Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

イエメンの食とカート

2007-03-06 01:48:11 | 中近東/北アフリカ
イエメンの食事はおいしい。何の予備知識も期待もなく行ったので、これはうれしい驚きだった。

到着してそうそうの朝食でまず食べたのが豆の煮込み。白いんげんのような豆がトマトベースのソースで煮込まれているのだが、これにたまねぎ、唐辛子、オリーブオイルなどを適当にトッピングして食べる。これが毎朝、どのホテルでも出て、味を比べるのも楽しかった。イエメンでは味噌汁のような存在らしい。

次の昼食に出たのは魚。

タンドールのような窯で焼かれていて、見た目よりずっとおいしい。
同じ窯で焼かれた薄いナンのようなパンと食べる。

イエメンの名物料理として有名なのはサルタ鍋と呼ばれるもの。

これも見た目はぱっとしないが、野菜をいろいろなハーブや香辛料で煮込んだ料理で、最後に卵でとじてある。フェヌグリークという、日本ではなじみがないがカレーに入っているらしいハーブが決め手らしく、ちょっとした苦味がある。レストランによっては石鍋で作られていて、これだけは店の正面で作っていたりする。

よく出たのはローストチキン。道路脇のドライブインでおじさんが炭火焼きしてくれたチキンは特においしかった。

滞在中、羊は一度も出なかったが、これは日本人のための手配だろう。羊好きとしては残念だったが。

サラダ類もよく出た。市場でもいろいろな野菜を売っていたし。
 
で伝統的には床に座って、パンでおかずをつまみながら食べる。

食後のデザートでおいしかったのはデーツ(なつめの実)。それまでおいしいと思ったことがなかったのだが、イエメンで目覚めてしまった。もっともなつめをよく食べる国にはそれほど行っていないので、イエメンが特においしいかどうかはわかりません。

もう一つおいしかったのは街中のフルーツジュース屋。果物を選ぶとその場でジューサーにかけてくれる。にんじんを頼んだらジョッキ一杯に4,5本絞ってくれて、値段は確か30円ぐらいだったと思う。おすすめ。

カートの話

さて、昼食が済むとイエメン人はカートの時間。

 
市場で仕入れたカートの葉をまた念入りに選別して、あとは午後じゅうもぐもぐと葉っぱを噛み続けるのだ。しかも噛んだ葉は口の中にためておくので、午後会うイエメン人は皆、こぶとり爺さんのように片ほほがふくらんでいる。

軽い覚醒作用があるというカート、少しもらって試してみたが、お茶の生葉を噛んでいるようで何がよいのかさっぱりわからない。
しかもこのカート、結構な値段するのだ。もちろん質にもよるだろうし、具体的な値段は忘れてしまったが、日給の半額ぐらい毎日カートに費やすと聞いてびっくりした覚えがある。TV Bros の記事でも「貨幣流通の半分近くがカートに流れる」とあるので聞き間違いではなかったようだ。

けして豊かではないイエメン経済で、単なる嗜好品に莫大な費用がかけられている。しかもこのカートのために輸出作物であったコーヒーの畑がどんどんつぶされているという。経済にはど素人が考えてもこの状況はまずいだろう。

カートにはもう一つ困ったことがある。カートを買うとビニール袋に入ってくるのだが、イエメン人はこの空き袋をそこいら辺に放り投げる。そのためイエメンはどこへ行ってもビニールのごみだらけ。特に紅海沿いの幹線道路など、道端の潅木にびっしりとビニール袋がからみついてまるで花が咲いたよう。今まで行ったどの国よりごみが多かった。

よその国の嗜好品のこと、外国人がとやかく言えるものではないが、せめてビニール袋のポイ捨てはやめてほしいものだ。素敵な国なのだから。

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コメント
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