Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

「スピティの谷へ」

2007-03-13 21:46:10 | チベット文化圏
もう一冊、本の紹介。
「スピティの谷へ」は著者の謝孝浩氏と二人のカメラマンが数年にわたってスピティに通い、作り上げた本。

Amazon.co.jp: スピティの谷へ: 本: 謝 孝浩,丸山 晋一,三原 久明

ダンカル・ゴンパのリンポチェも登場するし、郵便やさん、牧童、7歳で出家する男の子、養女になったネパール人の女の子など、スピティで出会う様々な人の姿が柔らかな視線で描かれている。

著者の謝さんにはもう10年近く前、ブータンのツアーの添乗員としてお世話になったことがある。
その時もとても優しい雰囲気の人だと思ったが、文章も人柄がにじみ出ている感じ。あの頃から将来は文筆業と決めていらしたから、この本が出た時は他人事ながらとてもうれしかった。

この本は写真も多くて、それがまたすばらしい。余計な物音が一切しない、空気が薄く透き通っていて、空が近いスピティの雰囲気がどのページからも感じられる。

ところでこの本にはスピティの「夜会」の話が登場するが、しばらく前にNHKの「地球に好奇心」でスピティの結婚の話を取り上げていたのを思い出した。年老いた母親の世話をする末娘と、土地の相続権を持たない次男坊が祭りの後の夜会で知り合い、恋仲になるが結婚を認めてもらえず悩む話。これも確かラルン村の話だった。

辺境の平和で静かな村にも、どことも同じように悩みがあり、悲しみがあり、楽しみや喜びがある。

できたら透明人間になって、本の著者たちのようにスピティの四季をそっとのぞいてみたいものだ。

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