盛岡から花巻を経由し、釜石線で向かったのは遠野。

無人駅の続く釜石線では大きな駅で、駅舎にホテルも入っているが、駅を出て予約をしておいた宿に向かう。
宿は駅の真裏にあるが、出口が片側にしかないのでぐるっと線路を回らないといけない。それでも5分ほどでたどりついたのがこちら

民宿とおの
とおの屋 民宿とおの
普通の民家の玄関を開けて声をかけると予約の電話に出られた若旦那がにこやかに「おかえりなさい」と出迎えてくださる。こちらにお世話になるのははじめてなのだけれど。
早速通された部屋は2階の8畳。

すっきりと明るい部屋で一人には広々。女性には好きな浴衣を選べるサービスもある。
到着したのが5時過ぎ、夕食は6時半からとのことなのですぐにお風呂をいただいて汗を流す。どこも清潔で気持ちがいい。
昼食のじゃじゃ麺がなかなか消化しきれず、不安を感じつつ時間になったので階下の大広間へ。
ここは大きな囲炉裏を囲んでお客さんみんなで食事をする。
本日の会食者は男性二人連れ、ご夫婦一組、一人旅の若い女性一人。
火の入った囲炉裏を眺めつつ、まず登場したのは
トマトのコンソメ。トマトの汁を時間をかけて抽出した物で、これがすっきりと洗練された味。予想外のおしゃれさにうれしい驚き。
続いて鱧とマツタケのお吸い物。民宿でマツタケが出るとは思っていなかった。
さらに

囲炉裏でこんがり焼かれたヤマメ、馬肉のユッケ

地元産の豚肉とジャガイモの煮物、キャビアの乗ったジャガイモのムース

まん丸に皮をむかれたカブに、ゴマ豆腐。付け合わせのごぼうがすごくおいしい。
虹鱒のグリルは火の通し加減が絶妙。
もうお腹がはちきれそうなのだけれど

梅茶漬けからデザートの豆乳ムースまで、おいしくて結局すべていただいてしまう。
宿の情報を探していた時、日本酒にこだわる宿とあったので食事に期待していたが、ここまで洗練された料理が出るとは思っていなかった。地の素材を使いつつ、すっきりと本当に軽やかな食事。
調理担当の若旦那はまだ20代のイケメンだ。
食事中も盛岡からの常連という男性二人組みが座を盛り上げてくださり、心配した初対面同士の会食もとても楽しかった。たまにはこんな食事もいい。
そして翌朝、朝食も囲炉裏にかかったお味噌汁をいただく。

朝のおかずは家庭風の味付けで、こちらは甘い。
囲炉裏の前でサービスしてくださったのはこの宿を始めた一代目のおかみさん。
この方がお話好きで、大広間のふすまの由来を話してくださる時など、そのやわらかいお国言葉とあいまって名人芸。
この襖絵、何年か前に宿泊された90歳の画家が食事中に興が乗って、裸になって手で書き上げたものなんだそうだ。
まるで遠野物語の一節のような話だが、古くは見えないこの家には昭和50年代(!)に住み着いたという座敷童子もいると言う。
そんな話を聞いていたせいだろう、昨晩は夢の中で布団の周りを歩く足音を聞いた。手を伸ばしたらビロードの手触りの服をつかんだが、するりと逃げられてしまった。これって結局は金持ちにはなれないというお告げだろうか。
食後ものんびりさせていただいて、出発しようと階下に下りると今度は2代目の旦那がいた。常連さんによると釣りばかりしているというこの2代目もまた大層感じが良くて、これで9450円は安い。
この宿に泊まっただけでも遠野まで来た甲斐があった。
←人気ブログランキングへ一票、お願いします。


無人駅の続く釜石線では大きな駅で、駅舎にホテルも入っているが、駅を出て予約をしておいた宿に向かう。
宿は駅の真裏にあるが、出口が片側にしかないのでぐるっと線路を回らないといけない。それでも5分ほどでたどりついたのがこちら


民宿とおの
とおの屋 民宿とおの
普通の民家の玄関を開けて声をかけると予約の電話に出られた若旦那がにこやかに「おかえりなさい」と出迎えてくださる。こちらにお世話になるのははじめてなのだけれど。
早速通された部屋は2階の8畳。


すっきりと明るい部屋で一人には広々。女性には好きな浴衣を選べるサービスもある。
到着したのが5時過ぎ、夕食は6時半からとのことなのですぐにお風呂をいただいて汗を流す。どこも清潔で気持ちがいい。
昼食のじゃじゃ麺がなかなか消化しきれず、不安を感じつつ時間になったので階下の大広間へ。

本日の会食者は男性二人連れ、ご夫婦一組、一人旅の若い女性一人。
火の入った囲炉裏を眺めつつ、まず登場したのは


さらに


囲炉裏でこんがり焼かれたヤマメ、馬肉のユッケ


地元産の豚肉とジャガイモの煮物、キャビアの乗ったジャガイモのムース


まん丸に皮をむかれたカブに、ゴマ豆腐。付け合わせのごぼうがすごくおいしい。

もうお腹がはちきれそうなのだけれど


梅茶漬けからデザートの豆乳ムースまで、おいしくて結局すべていただいてしまう。
宿の情報を探していた時、日本酒にこだわる宿とあったので食事に期待していたが、ここまで洗練された料理が出るとは思っていなかった。地の素材を使いつつ、すっきりと本当に軽やかな食事。

食事中も盛岡からの常連という男性二人組みが座を盛り上げてくださり、心配した初対面同士の会食もとても楽しかった。たまにはこんな食事もいい。
そして翌朝、朝食も囲炉裏にかかったお味噌汁をいただく。


朝のおかずは家庭風の味付けで、こちらは甘い。
囲炉裏の前でサービスしてくださったのはこの宿を始めた一代目のおかみさん。
この方がお話好きで、大広間のふすまの由来を話してくださる時など、そのやわらかいお国言葉とあいまって名人芸。

まるで遠野物語の一節のような話だが、古くは見えないこの家には昭和50年代(!)に住み着いたという座敷童子もいると言う。
そんな話を聞いていたせいだろう、昨晩は夢の中で布団の周りを歩く足音を聞いた。手を伸ばしたらビロードの手触りの服をつかんだが、するりと逃げられてしまった。これって結局は金持ちにはなれないというお告げだろうか。
食後ものんびりさせていただいて、出発しようと階下に下りると今度は2代目の旦那がいた。常連さんによると釣りばかりしているというこの2代目もまた大層感じが良くて、これで9450円は安い。
この宿に泊まっただけでも遠野まで来た甲斐があった。
