また温泉ブログに逆戻り。
いつもの温泉仲間、仙台のお姉さまと二人で、今回は新潟に行って来た。
実は新潟県に足を踏み入れるのはわが人生で初めて。なぜか日本海側には縁がなくて今まで来たことがなかったが、東京駅からMaxときに乗れば越後湯沢まではほんの1時間で着いてしまう。こんなに近かったなんて~。
越後湯沢からはほくほく線というのに乗り換える。
ドアの開閉はボタン式、ワンマンカーで降りる時に運転手さんに運賃を払うと言ういかにもローカルな列車。
出発してしばらくは山の紅葉や刈入れの済んだ田圃の景色を楽しんでいたが、六日町を過ぎると次々にトンネルに入ってしまって周りが見えない。
駅の案内板を見れば六日町から犀潟まではほとんどがトンネルの中。山の中の豪雪地帯、この線ができるまでは大変だったろう。
越後湯沢から50分で「まつだい」に到着。
ここも無人駅なのだが、駅舎に道の駅がくっついているのでずいぶん立派な建物だ。
ここからは宿の車で20分。
松之山温泉の看板と言うか見晴台を過ぎ、大きな建物などまったく見えない地味な温泉街をはずれたところでお宿に到着。
越後松之山温泉 凌雲閣
昭和13年に建てられたという建物は古い病院かなにかのようで印象的。
中に入ると玄関にずらりと並んだスリッパがまたすごい。
なんでも今夜は地元の小学校卒業生の同窓会があって40人以上の団体が入っているとか。
そんなわけで我々は2階の一番奥まった部屋、「紅陽」に案内された。
扉を開けるとまずは小さな炉の切ってある6畳間。
続く8畳間は角部屋で明るい。ぬり壁や置いてある食器棚、小さな鏡台などがいかにも「昭和」で、リアルタイム昭和育ちの我々には懐かしい。
目の前には食事処や浴場のある新館がそびえて景色は良くないし、トイレからも遠いのは不便だったが、夜は「昔の小学生たち」がにぎやかだったので、離れた部屋にしてもらえて本当に良かった。
宿に到着したのは3時と早かったが、団体が来るとあってはゆっくりしていられない。そそくさとお茶をいただいていざお風呂へ。
ぴかぴかの廊下を歩き、フロントの上に掛かる真っ黒に変色したパイプを眺めて新館へ。
長い渡り廊下を通り階段を下りて、と浴室までの道のりは遠いのだが、お風呂に近づくにつれて今まで嗅いだことのない不思議な匂いが漂ってくる。
そして婦人湯という小さい方の浴室の扉を開けると、まるで道路工事のコールタールのような匂いが鼻を突く。油臭の温泉というのは聞いたことがあったが、これがそうだったか、と初体験。
お湯はやや黄色がかっているが湯の花などはなく透明。湯口には柄杓があって飲めるらしいのでちょっとなめてみるとこれがしょっぱい!匂いも強烈で、これはすごい。なんでも地殻に閉じ込められた1200万年前の海水が噴出したものだそうで、日本三大薬湯とか。ありがた~いお湯だが、これは最初から長く入るのはまずいかも、と短めに切り上げて婦人風呂を出る。
と、さっきは人が入っていた隣の家族風呂が空いている。ここは源泉がちょっと違うと言うし、これは入らねば。
扉を開けるとまるで家庭のお風呂のようなピンクの柄付きタイルで覆われた小さな浴室。浴槽は2人がやっとぐらいの大きさだが、狭い分だけ匂いは一段と強烈。コールタールに薬を混ぜたような匂いがする。そしてここのお湯もなめてみれば、しょっぱい上に苦くてすごい味。死海の水をなめた時と同じような味だ。効能書きによれば飲用すると胃腸病、貧血によいとあるが、いくら薄めてもこのお湯はそうそう飲めまい。
大浴場のお湯は循環加水だが、家族風呂は源泉掛け流し。源泉が熱いので水を入れるが、やはり成分が濃いためだろうか、上がってからしばらくは汗が引かず、心臓もバクバクしてしまった。松之山温泉おそるべし。
ついでに夕食後は男女入れ替わった大浴場。
婦人湯の倍もある大きさなのはいかにも昔風。
強烈な温泉を堪能し、部屋でうとうと休んでいると食事を知らせる電話が掛かってくる。また長い渡り廊下を通って新館の食事処へ。
部屋には4組のテーブルがあるが、それぞれ十分な距離をとってあるので他は気にならない。
そしてテーブルの上にはお料理がずらり。
この他にもお刺身、モズクの寒天寄せ、白和え、ご飯に鯉こくが来て全部で14品。
鍋には海鮮ときのこがいっぱい。他にも地のきのこを使った料理が何品もあって、でも一番おいしかったのは鮭の白子の煮つけ。
デザートの岩梨の酒ゼリーも珍しく、ここの料理はどれもありきたりではないのがとてもよかった。
ただし期待したコシヒカリのご飯はやわらかめでごく普通。期待しすぎたかな。
夜は温泉のためか、毛布まで入った布団のためか暑くて寝苦しく、寝汗を流しに家族風呂に入ったら油臭がしみついて、夕方またお風呂に入るまで抜けなかった。
朝食も煮物が多く、ありきたりの干物や納豆がないのが好もしい。
食事をしていると各テーブルをこんなものが回ってきた。
米の葉で作ったバッタ。まるで本物みたいに良くできている。誰が作ったのかは聞きそびれてしまった。山菜や茸採りの名人と言う料理長だろうか。
団体が入り満室で、従業員の皆さんはとても忙しそうだったが、部屋割りや食事処をよく考えていただき、ゆっくり過ごすことができた宿だった。そしてなんと言ってもあの強烈なお湯。あれはぜひまた入りたいなあ。
帰りは宿の跡取りだろうか、てきぱきとした美人の女将さんの息子さんに送ってもらってまつだい駅に戻った。
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いつもの温泉仲間、仙台のお姉さまと二人で、今回は新潟に行って来た。
実は新潟県に足を踏み入れるのはわが人生で初めて。なぜか日本海側には縁がなくて今まで来たことがなかったが、東京駅からMaxときに乗れば越後湯沢まではほんの1時間で着いてしまう。こんなに近かったなんて~。
越後湯沢からはほくほく線というのに乗り換える。
ドアの開閉はボタン式、ワンマンカーで降りる時に運転手さんに運賃を払うと言ういかにもローカルな列車。
出発してしばらくは山の紅葉や刈入れの済んだ田圃の景色を楽しんでいたが、六日町を過ぎると次々にトンネルに入ってしまって周りが見えない。
駅の案内板を見れば六日町から犀潟まではほとんどがトンネルの中。山の中の豪雪地帯、この線ができるまでは大変だったろう。
越後湯沢から50分で「まつだい」に到着。
ここも無人駅なのだが、駅舎に道の駅がくっついているのでずいぶん立派な建物だ。
ここからは宿の車で20分。
松之山温泉の看板と言うか見晴台を過ぎ、大きな建物などまったく見えない地味な温泉街をはずれたところでお宿に到着。
越後松之山温泉 凌雲閣
昭和13年に建てられたという建物は古い病院かなにかのようで印象的。
中に入ると玄関にずらりと並んだスリッパがまたすごい。
なんでも今夜は地元の小学校卒業生の同窓会があって40人以上の団体が入っているとか。
そんなわけで我々は2階の一番奥まった部屋、「紅陽」に案内された。
扉を開けるとまずは小さな炉の切ってある6畳間。
続く8畳間は角部屋で明るい。ぬり壁や置いてある食器棚、小さな鏡台などがいかにも「昭和」で、リアルタイム昭和育ちの我々には懐かしい。
目の前には食事処や浴場のある新館がそびえて景色は良くないし、トイレからも遠いのは不便だったが、夜は「昔の小学生たち」がにぎやかだったので、離れた部屋にしてもらえて本当に良かった。
宿に到着したのは3時と早かったが、団体が来るとあってはゆっくりしていられない。そそくさとお茶をいただいていざお風呂へ。
ぴかぴかの廊下を歩き、フロントの上に掛かる真っ黒に変色したパイプを眺めて新館へ。
長い渡り廊下を通り階段を下りて、と浴室までの道のりは遠いのだが、お風呂に近づくにつれて今まで嗅いだことのない不思議な匂いが漂ってくる。
そして婦人湯という小さい方の浴室の扉を開けると、まるで道路工事のコールタールのような匂いが鼻を突く。油臭の温泉というのは聞いたことがあったが、これがそうだったか、と初体験。
お湯はやや黄色がかっているが湯の花などはなく透明。湯口には柄杓があって飲めるらしいのでちょっとなめてみるとこれがしょっぱい!匂いも強烈で、これはすごい。なんでも地殻に閉じ込められた1200万年前の海水が噴出したものだそうで、日本三大薬湯とか。ありがた~いお湯だが、これは最初から長く入るのはまずいかも、と短めに切り上げて婦人風呂を出る。
と、さっきは人が入っていた隣の家族風呂が空いている。ここは源泉がちょっと違うと言うし、これは入らねば。
扉を開けるとまるで家庭のお風呂のようなピンクの柄付きタイルで覆われた小さな浴室。浴槽は2人がやっとぐらいの大きさだが、狭い分だけ匂いは一段と強烈。コールタールに薬を混ぜたような匂いがする。そしてここのお湯もなめてみれば、しょっぱい上に苦くてすごい味。死海の水をなめた時と同じような味だ。効能書きによれば飲用すると胃腸病、貧血によいとあるが、いくら薄めてもこのお湯はそうそう飲めまい。
大浴場のお湯は循環加水だが、家族風呂は源泉掛け流し。源泉が熱いので水を入れるが、やはり成分が濃いためだろうか、上がってからしばらくは汗が引かず、心臓もバクバクしてしまった。松之山温泉おそるべし。
ついでに夕食後は男女入れ替わった大浴場。
婦人湯の倍もある大きさなのはいかにも昔風。
強烈な温泉を堪能し、部屋でうとうと休んでいると食事を知らせる電話が掛かってくる。また長い渡り廊下を通って新館の食事処へ。
部屋には4組のテーブルがあるが、それぞれ十分な距離をとってあるので他は気にならない。
そしてテーブルの上にはお料理がずらり。
この他にもお刺身、モズクの寒天寄せ、白和え、ご飯に鯉こくが来て全部で14品。
鍋には海鮮ときのこがいっぱい。他にも地のきのこを使った料理が何品もあって、でも一番おいしかったのは鮭の白子の煮つけ。
デザートの岩梨の酒ゼリーも珍しく、ここの料理はどれもありきたりではないのがとてもよかった。
ただし期待したコシヒカリのご飯はやわらかめでごく普通。期待しすぎたかな。
夜は温泉のためか、毛布まで入った布団のためか暑くて寝苦しく、寝汗を流しに家族風呂に入ったら油臭がしみついて、夕方またお風呂に入るまで抜けなかった。
朝食も煮物が多く、ありきたりの干物や納豆がないのが好もしい。
食事をしていると各テーブルをこんなものが回ってきた。
米の葉で作ったバッタ。まるで本物みたいに良くできている。誰が作ったのかは聞きそびれてしまった。山菜や茸採りの名人と言う料理長だろうか。
団体が入り満室で、従業員の皆さんはとても忙しそうだったが、部屋割りや食事処をよく考えていただき、ゆっくり過ごすことができた宿だった。そしてなんと言ってもあの強烈なお湯。あれはぜひまた入りたいなあ。
帰りは宿の跡取りだろうか、てきぱきとした美人の女将さんの息子さんに送ってもらってまつだい駅に戻った。
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