Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

仁和寺&サウジアラビア@東京国立博物館

2018-02-24 22:23:19 | 機内食・映画・美術展
今年は年間パスポートの購入を放棄した東京国立博物館だけれど、仏像好きtrin様のおすすめもあってまた足を運んでしまった。

 お目当てはもちろん現在開催中の「仁和寺と御室派のみほとけ」展。
密教好きとしてはやはり行かねばなるまい。

みぞれがぱらつくような寒い平日の午後、さすがに入場の行列などはなかったが会場内は思ったより混んでいて、年寄りばかりではなく結構若い人も多いのが予想外。

展示の初めの方は書が多くて、国宝である空海の真筆がもちろん目玉なのだろうが、書に関しては知識も審美眼も皆無の者には文字通り豚に真珠、猫に小判。

第一会場では巨大な子島曼荼羅以外にはあまり興味を惹かれるものはなく、これで1600円は高かったかも、と思いながら第二会場へ。

するとこちらには入ってすぐに写真撮影OKゾーンがあって大人気。
 中央の金ぴかの千手観音の両サイドに
 
風神・雷神や二十八部衆がずらりと並んで壮観。
これは一般には非公開の仁和寺の観音堂を再現したものだそうで、仏像は本物、背後の壁画は最近はやりの高精細画像。
  
仏像は江戸時代の物なので時代はないが、探せば男前もいらっしゃる。

 この展示では仏像の並ぶ背後の回廊も見事に復元されていて
 
観音様もいいけれど、やっぱり地獄の方に興味をひかれてしまうのはやがて行くところだからか。

ここから先は写真を撮るな、と係員が声を張り上げていたが、この先が怒涛の秘仏大集合で圧巻。

目玉は大阪の葛井(ふじい)寺からいらっしゃった千手観音様。
 写真は絵葉書から
8世紀の乾漆像なので木彫とは違う柔らかさがあり、天平時代のお顔はたおやかで美しい。
 
特に1041本もあると言う手がすごいのだが、裏に回るとこれを背負っている様が良く見えて、まるで宝塚のレビューの羽根飾りみたい。

この千手観音を始め、月に一度、年に一度、あるいは数十年に一度しか開帳されない秘仏がいっぱい。
  写真はパンフレットから
中でも兵庫県神呪寺の如意輪観音とか福井県中山寺の馬頭観音など素晴らしくて、これぞ東博の威光と言うべきか。

後半の充実度に予想以上に時間がかかり、平成館を出た時には閉館時間まで40分ほどになってしまったが、これもtrin様おすすめの「アラビアの道 サウジアラビア王国の至宝」展も見なければ、と次は表慶館へ。
 
空調の故障で館内は寒い、と係員の皆さんもコートを着ているが、平成館が暑かったのでこちらはほっとする心地よさ。

展示は石器時代から現代まで、アラビア半島にあった文明を追っているが
 エジプトやメソポタミア、ギリシャ・ローマなどいろいろな文明がこの地を通ったことがわかる内容。
 
素朴なラクダや、日本のお茶事にも使えそうな茶碗がかわいく
  
カーバ神殿のものをはじめ、扉のコレクションが個人的にツボ。
 
古代アラビア文字が刻まれた墓碑がたくさん展示されているのも独特な感じだ。

去年オマーンから片足だけ入らせてもらったサウジアラビア、近々観光ビザの発給を再開する(した?)予定だそうで、この展覧会はそのプロモーションといったところだろうか。

旅友の中には以前、観光が許可されていた頃にツアーで行ったことがある人が何人かいたが、外国人でも女性は黒いゾロゾロを着なければならず、メッカにはムスリム以外は近寄ることもできなかったそうで、観光資源は非常に乏しかったと聞いた。

さて、観光を再開するサウジ、何を売りにするつもりだろうか。

相変わらず東博はおもしろい。


にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする