2月5日
ホテルは朝食付きだけれど、台湾に来たら朝ご飯屋さんに行かねばならない。
そこで外へ出ると、ホテルの並びでおじさんが中華式のクレープを焼いている。
以前どこかの市場でも見たことがあるが、手にペタペタする生地を持って鉄板の上にクルクルっと擦り付ける作り方。実に器用で、見とれて写真を撮らせてもらうと「お食べ」と焼き立てを一枚くれた。
モチモチとしてちょっと塩気もあるクレープはこれだけ食べてもおいしいけれど、朝ご飯屋ではこれに卵が入った蛋餅になる。こういう専門店で焼いているんだ。おじさん、ごちそうさま。
さらに歩いて向かったのは高雄で有名な「興隆居」。と言っても以前に行った本店は混んでいるので、ホテルに近い復興店へ。
こちらは予想通り、というか拍子抜けするほど空いていて、その分観光客慣れしていないのか鹹豆漿がなかなか通じなくてアクセントチェックまでされてしまった(笑)が
無事に肉汁したたる湯包に濃厚な鹹豆漿、おこわおにぎりの飯糰をゲット。ただし飯糰はあまり好みではなく、ここはやっぱり蛋餅か葱餅にすべきだったか。
10時半にホテルをチェックアウトして地下鉄一駅、台鉄の高雄駅へ行き、次の台南まで自販機で自強号の指定席券を買う。
こちらの自販機はなんと11か国語対応。しかし漢字のありがたさ、翻訳しなくてもなんとなくわかる。
随分きれいになった高雄駅。
プラットフォームは地下だ。
台南まではわずか35分、高雄の郊外に出たらもう着いてしまう感じ。
古めかしく広々としたプラットフォームに、駅弁屋の売店がかわいい。
が、駅舎は修復工事中で外観が見られないのが残念。
駅からはタクシーで今夜の宿に行き、チェックインには早いので荷物だけ置いて台南の市内観光に出る。
台南に来るのはマンゴー狩りに来た2014年以来だ。
まずは近くのカフェでおいしいイチゴソーダでのどを潤して
お昼は老舗ちまき屋さんへ。超有名店ながら全く変わらない店構え。
八宝肉ちまきは9年前から10元しか値上げしていなくて、でも相変わらず二人で一つで十分な大きさ。
街の中心へ向かうと以前も見た旧台南測候所や教会が現れ
渡るのが大変なロータリーの真ん中に立つと
元台南州庁の國家台灣文學館と、元宵節の提灯に飾られた今だ現役の消防署がかっこいい。
このロータリーから南に下り、台灣文學館のお向かいにある旧台南警察署へ。
ここは2018年以来、台南市美術館の1号館になっているのだ。
そこで200元(約900円)の入場料を支払って中に入れば
1931年に建てられた旧館はアールデコの意匠がかっこいい!
真ん中に大きなガジュマルの樹が植えられた中庭はカフェスペースになっていて
裏側には新しく大きな展示スペースが増築されている。
この元警察署の斜め前には大きな孔子廟があり
その並びの武徳殿や旧山林事務所など日本植民地時代の建物を過ぎると
2019年にオープンした台南市美術館2号館が見えてくる。
四角い箱を不規則に積み上げたように見えるこの建物は最近活躍の目覚ましい坂茂氏の作品。
坂氏は同行の友人の個人的知りあい、自分も氏の被災者支援などの活動に感銘を受けているのでやってきたわけ。
入場券は1号館と共通なので持っているものを見せればすぐに入れる。
中央、大きな吹き抜けのロビーの真ん中にはちょっと東京スカイツリーを思い出させるような柱があり、天井の透ける模様がきれい。この天井は日光を反射して室内温度を上げないようにできているのだそうだ。
積み上げられた箱の一つ一つが展示室になっていて、廊下を回りながら各部屋を見て行く。
収蔵品は1号館、2号館とも主に台湾出身の現代作家たちで
フェミニズムをテーマにした部屋があったり
台湾原住民の衣装を元にしたファッションデザインがあったりするが、正直どちらも収蔵作品より建物の方が興味深い。
それでも特に2号館には大勢のお客さんが来ていて
ミュージアムショップもなかなかいい感じだ。
さて、そろそろ部屋の用意もできただろうと宿に向かって歩いて行くと、
華やかな赤い提灯でいっぱいの鄭成功廟があった。
鄭成功は台南の英雄、母親が日本人と言うことでそんな母子像もある。
廟脇に並ぶ提灯はよく見ると日本語が書いてあって、これらは台南と友好都市の山形市の子供たちが絵付けしたのだそうだ。
鄭成功廟の隣にも廟があって、その前には道路を半分ほどもふさいで大きなテントが建てられている。
中で料理人が準備をしていたのはやはり元宵節のお祝いのためだろうか。それにしても大胆なお祝い会場だ。
宿に着く前にもう一か所立ち寄り。
ここも間口は小さいけれど有名な果物屋さん。日本語を話すおばさまにお願いしたのは
フルーツの盛り合わせとトマト、170元。
おばさまにも「トマト、好き?」と聞かれたが、台南ではトマトを生姜と梅砂糖入りの醤油ダレに付けて食べる、これがおいしいのだ。
宿に持ち帰って夜食べたが、盛り合わせもさすがのおいしさ、食べごろを待って高雄から持ってきた鳳梨釋迦ともども、堪能した。
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