珍しく、2週間続けて映画館に足を運んでしまった。
まずは有楽町駅前、読売会館8階の角川シネマ有楽町。
日比谷、有楽町の映画館も昔とはすっかり変わってしまったけれど、ビックカメラの上がこんな名前の映画館になっているとは知らなかった。
こちらにやって来たのはこれを見るため。
「パリタクシー」 Une Belle Course
それほど大きな劇場ではないけれど、平日午前中でも驚いたことに9割ほどの入り。
そのまた9割が自分も含めておばちゃん、おばあちゃんだったのはこのタイトルから予想した通り。
お話は92歳の女性主人公が自宅を出て高齢者施設に入居するためタクシーを呼ぶ。その道中、自分が昔住んでいた所に寄り道してもらいつつ、運転手に自分の人生を語り、心を通わせるというもの。
向かう先はもちろん名所旧跡ではなく、昔の住居の面影はなくなった、となるわけだが、パリ市内をあっちへ行ったりこっちへ行ったりするうち、エッフェル塔やら凱旋門やらを通り、セーヌ河畔で休憩したりとパリの街並みを見せるのは期待通り。
始めはただの会話に飢えた年寄りと思われた主人公、実は過酷な人生を歩んできていて、中に一か所ひえ~と思うような場面もあるのだが、ストーリーはまあこういう展開になるだろうと予想する通りの予定調和。
しかしこういう人情噺は定石通りがいいのだ。
主人公を演じているリーヌ・ルノーというシャンソン歌手は実年齢も90歳を超えているそうだが、えくぼが可愛くてエレガント。さすがフランスの女優は美しく年を取る。
が、それ以上にいいのはタクシー運転手役のダニー・ブーン。こういう運転手、いるよねという不愛想でがさつな彼が打ち解けるにつれて笑顔を見せるようになる、それが自然で魅力的なのだ。
タイトルから想像するほど軽い内容ではないけれどかわいらしい映画。
またパリに行きたいなあ。
そしていつもの通りの二本立てで、次はおなじみ日比谷ミッドタウンへ移動。
「Air エア」
今度は思いっきりアメリカンな映画で、ナイキのエア・ジョーダン誕生話。
ナイキよいしょ映画っぽいので普通なら選ばないが、ベン・アフレックとマット・デイモンを信用して見た。
冒頭、背景となる1985年頃のCMやらテレビやら音楽が出てきて、リアルタイムで知っているこちらとしてはこれが楽しい。オフィスの場面の電話やら緑の文字のコンピューター画面やらも懐かしい!
お話はバスケットシューズでは出遅れていたナイキがデビュー前のマイケル・ジョーダンの将来性に賭けて契約を交わすまでなのだが、その後の大成功は誰もが知っているわけだからそこにサスペンスや驚きはない。
あくまでどうやってジョーダンを口説き落としたかと言うだけの話をここまでエンタメ映画にしてしまうのがハリウッドのすごい所。
契約に際しては母親の発言権が大きいのに驚いたが、考えてみればマイケルはまだ学校を出たばかりの子供なのだから無理もない話。そこに強欲そうなエージェントもがっちりついているのもいかにもアメリカ。
マーケティング戦略やらプレゼン、社是などもアメリカ企業にいた者としては懐かしかったが、ナイキのスローガン「Just do it」の由来のくだりには笑った。
ベン・アフレックは「アルゴ」で感心したが、やっぱり才人だと思う。
ところでナイキ本社のあるポートランド、仕事で2回ほど行ったことがある。
ホテルで食べたブルーベリーパンケーキが忘れられない。
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