Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

カルディでロシアパン

2021-11-06 11:28:49 | 雑談

最近、面白そうな輸入品はもっぱら業務スーパーで探すことが多い。
が、久しぶりにカルディを覗いてみたらなんと!

 棚の片隅でロシアパンのボロディンスキーを発見!
ロシア製ならぬラトビア製で1つ500円。

早速買って帰って試食。
 
真っ黒でどっしり、しっとりしたライ麦パン。クミンが入っていないのがかなり残念で甘みも少ないが、ドイツのライ麦パンとはちがうこの食感が好き。
一緒に買った珍しいレーズンジャムを乗せるとおいし~、けどこれはクリームチーズも乗せたら絶対にもっと合うはず。
ちなみにレーズンジャムはトルコ製、なのでラム風味とはあるけれどアルコール分は0%。

このボロディンスキー、前から取り扱いがあったのか、今回だけなのかは不明。
いずれにしろ他の品に隠れたような棚の隅にあったし、それほど売れるとも思えない。
賞味期限がすごく長いのでまだ残っていた2,3個を買い占めようかと思案中。

コロナ大流行でも自国製ワクチンは信用できないと接種率が上がらないロシア、プーチンは意外に強権発動しないし、まだ当分遊びに行けそうにない。
せめてロシアパン、日本でももっとメジャーになってほしい。


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21年秋の関西遠征 2 芦屋の谷崎潤一郎

2021-11-03 12:04:25 | 国内旅行

ヨドコウ迎賓館の見学を終えて芦屋川の駅前バス停へ。

 川にかかる橋からライトの建物が見えるが、意外に低い所にあるのに驚く。

ここからバスでJR、阪神の芦屋駅を過ぎ、緑町で降りて市立美術館と図書館に挟まれた谷崎潤一郎記念館へ。

 
こちらの建物は旧谷崎邸というわけではなく、純粋な資料館。
訪問した日には「細雪」の特別展で直筆の原稿などの他、モデルとなった松子夫人の姉妹や関係者の写真がたくさん、また松子さんの着物などが展示されていて興味深かったが、
 庭以外は撮影不可、展示室は1室だけ、ともうちょっと充実した内容を期待していたのでこれで入館料500円はちょっと高いなとがっかり。
 ただ売店には谷崎の本がガッツリ並んでいて購入できるので、Kindleにダウンロードしてある作品集には入っていなかった2冊をお買い上げ。

ここから阪神芦屋駅までは歩いて15分、次は魚崎駅で下車。
 
住吉川沿いに六甲ライナーの高架駅が伸びている、その脇を5分ほど。

  

やってきた「倚松庵」こそ谷崎の旧宅。
東京出身の谷崎は関東大震災を機に関西へ移住したが、阪神間に21年住んでその間に13回も引っ越しをしたのだとか。が、この家には7年も住んで、「細雪」の家もこちらがモデルというからよほど気に入った家だったのだろう。

ありがたいことにこちらは入館無料。
 
係の方にご挨拶して玄関を上がるとまずは洋風の応接間。
 
小さな食堂も洋風だけれどその次の部屋は和室で
  
台所にお風呂場、廊下に置かれた電話機など、おお、細雪の世界だ。

2階には8畳、6畳、4畳半と3部屋。
  
 
真ん中の6畳間にはいろいろな資料が展示されているが、小説の中に出てくる大雨災害の写真もあって、「細雪」が登場人物たちはもちろん、事件も実際の出来事をうまく取り入れているのがよくわかる。

もう一つこの部屋には大家と立ち退きをめぐってもめた件がくわしく解説されていて、これがいかにもわがままそうな谷崎らしくて面白かった。

延床面積45坪と言うこの家、小説で想像していたよりも小さかったけれど、これが昭和初期の中流(よりも多分ちょっと上)の典型的な住宅だったとか。
谷崎資料館からこちらにまわったのは大正解だった。


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21年秋の関西遠征 1 ヨドコウ迎賓館

2021-11-02 16:39:22 | 国内旅行

京都在住の友人、お稽古事の発表会があると言うのでそれを口実に関西へ。

 新幹線の車窓から見える富士山が雲一つない青空に映えて見事。
これを見て写真を撮らない日本人なんていない、とばかり車内のあちこちでスマホのシャッター音。

運賃が30%引きになるJRジパング俱楽部ではのぞみに乗れないので、新神戸までちょうど3時間。
それから神戸市営地下鉄、阪急と乗り継いで芦屋川にやってきた。
 
駅を出て、芦屋川沿いに山の方へ歩いて行く。

 
途中、カウンターのみの小さなカフェがあったのでお昼を食べて行くことに。
店内はやや年配のマスター一人だけ、壁にかかったメニューは夜のバー営業のためのものらしいが、「ランチはできますか」と聞くと「仕込みが終わってるものならなんでもできる」とのお答え。
それでは、とサラダをお願いすると予想外に時間がかかって
 
登場したのはイチジクやシャインマスカット、チキンやハムも入ったおしゃれな一品。
丁寧に入れられたコーヒーはとてもいい香りで、思わず裏を見てしまったカップはマイセン。さすが芦屋だ。

エネルギー補給をしてさらに行くとライト坂と名付けられた急坂があり
 
しばらく上った左手に目指すヨドコウ迎賓館の看板があった。

 
門を入ってからもまたちょっと坂が上っていて、木の間隠れの建物を横目にやっと入り口の車寄せに到着。
この建物はフランク・ロイド・ライトが灘の酒造家、山邑太左衛門のために1918年に設計したもの。帝国ホテルの設計が1921年だからほぼ同時期。なので大谷石を使った直線的なデザインが昨年明治村で見たホテルの玄関の雰囲気とよく似ている。

玄関で入場料500円を支払い、すぐに2階へ。
ここにあるのは大きな応接室。入り口のすぐ脇には大谷石製の大きな暖炉があり、
  
  
天井のすぐ下には通風用の小さなドアがたくさん並んでいるのがかわいい。大きな羽目殺しの窓からは外光がふんだんに入って明るく
  
大谷石の柱、作り付けのマホガニーの飾り棚が落ち着いた雰囲気で素敵な部屋だ。

  
応接室のすぐ脇には小さな給湯室、そのまた隣にはトイレがあるが、ここの窓まで素敵。

 
3階に上がると片側がすべて大きな窓になった長い廊下があって
 
訪れた時には床にカーペットが敷き詰められていたが、ここには畳敷きの和室が並んでいる。
もちろんライトの設計にはなかった和室だが、施主の注文で弟子の遠藤新、南信が工夫したものとか。
欄間が緑青を浮かせた銅板になっているのが面白く
  
 
このモチーフがいたるところに使われているのも統一感があっておしゃれだ。

 
こちらの部屋は家族の寝室だったそうで
  すぐ近くに洗面所と浴室がある。
 
廊下には作り付けの収納がたくさんあって、こんな所もとてもモダンな感じがする。

さらに4階に上がるとそこは食堂。ここにも大谷石を使った暖炉があり、
  
 
天井には明り取りの小窓がいっぱい。食堂に続く厨房には欧米製の高価な電気製品が並んでいたとか。

この4階には食堂しかなくて、3階の屋根部分は大きなバルコニーになっている。
 
この壁にも大谷石の飾りがあるけれど、素晴らしいのはここからの景色。
 
 家並みの向こうに芦屋川の駅はもちろん、大阪湾まで見える。

 
館内にあったこの模型を見れば山の中腹に建てられて変わった形をしたこの建物の全体像がよくわかる。
この家は1947年に淀川製鋼所の所有になって以来、社長宅になったり、一時は独身寮(!)として使用されたこともあるそうだが、今までいろいろ見た建物の中でもこの家ほど住みたいと思った家はないかもしれない。
とにかく外の景色と内装の調和が素晴らしく、建てるならこんな家が建てたいもの。

と、500円で夢を見られるヨドコウ迎賓館だった。


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