文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
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書評:窓際OLトホホな朝ウフフな夜

2015-04-12 10:27:20 | 書評:その他
窓際OL トホホな朝ウフフの夜 (新潮文庫)
クリエーター情報なし
新潮社


 北杜夫氏の娘さんで、自他共に窓際OLと認める斎藤由香さんの、面白エッセイ、「窓際OLトホホな朝ウフフな夜」(新潮文庫)。ネタになっているのは、精力剤マカ、会社のヘンな人たち、父親の躁病の凄まじさなど。

 斎藤さんは、入社以来十数年在籍した広報部から、健康食品事業部に、突然異動を命じられる。それがマカとの出会いになった。マカとは、ペルー原産のアブラナ科の根菜で、天然のバイアグラとして注目されているらしい。以後、勃起不全に悩む男たちを救う「マカの伝道師」の道をまっしぐら。今ではすっかり、勃起障害や勃起不全に悩む殿方に、愛の手を差しのべる「マカ教」の教祖さまだ。

 それまで、あまり注目を浴びていていなかったマカだが、スポーツ新聞の記者に売り込んだら「硬化バツグン!愚息ムクムク」という記事がデカデカと出たそうな。これでマカの人気はウナギ登り。斎藤さんも、精力剤をテーマに「週刊新潮」にエッセイを連載することになったり、日本初の女性ED評論家として、健康セミナーで講演することになったり。

 斎藤さんの勤める会社もなかなか面白い会社のようだ。なんでも、新しい事をやるときは、「面白いかどうか」が、最後の決め手らしい。社員の方も、自由気まま。会社員の枠に収まりきらないヘンな人がいっぱいのようだ。

 例えば、海外のCM撮影でNYに行ったプロデューサーとスタッフが、モデルが都会的すぎてイメージに合わないからと、中南米に飛んで、1週間の予定が1ヶ月も連絡がとれず、いつ帰国するんだと、宣伝部長がオロオロするという事件があったという。上司とけんかするのが生きがいと言った人や、忘年会の二次会で、副社長室に忍びこんでカラオケで大騒ぎした人もいたらしい。

 それにしても、斎藤さん、「勃起不全」だとか「中折れ」といった言葉がためらいもなく出てくる。これは慣れなのか、開き直りなのかは分からないが、その堂々たる態度は清々しいほどだ(笑)。もう全編爆笑の連続。読むときは、お腹の筋肉のよじれにご注意を。

☆☆☆☆

※本記事は、姉妹ブログと同時掲載です。


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