文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
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ドラマレビュー:浅見光彦シリーズ35 風のなかの櫻香

2016-03-29 11:46:56 | 映画・ドラマ

 TBS系「月曜ゴールデン」の最終回を飾る「浅見光彦シリーズ35 風のなかの櫻香」。速水もこみち版の光彦は、これが4作目となる。なお、「月曜ゴールデン」は、4月から「月曜名作劇場」にリニューアルされるということだ。

 このドラマは、奈良の尼寺「尊宮寺」で育った孤児櫻香(さくらこ)の出生に関係した、親子3代にわたる悲しみの物語を描いたものである。

 「尊宮寺」のモデルは、原作では法隆寺の隣にある「中宮寺」だったが、ドラマの方で使われたのは、東京青梅市の「安楽寺」という寺のようだ。ただ、猿沢の池や興福寺五重塔、平城宮祉なども出ていたので、奈良でも撮影は行われている。

 尊宮寺で、厳しくも大切に育てられた櫻香だが、寺に、「櫻香を出家させるな」という謎の手紙が届く。それまでは平穏に暮らしていた櫻香だが、そのころから彼女の運命は大きな転機を迎えることになる。光彦は取材で尊宮寺を訪れたのだが、母の雪江が寺の慶尊御前と古い知り合いだったことから、櫻香の出生の秘密を調べることになるのだ。

 原作では櫻香は中学生だったが、これではさすがに若すぎる。ヒロインと光彦との絡みも、このシリーズの魅力の一つなのだが、相手が中学生ではただのロリコンになってしまうだろう。そのせいか、ドラマでの櫻香は、年齢が大きく引き上げられ、おそらく女子大生だと思われる設定となっている。ちょと面白い性格の女性のようだが、役を演じる志田未来の好演が光る。

 しかし、櫻香が何度も秋波を送っているのに、にぶちんの光彦は気が付かない。結局櫻香は、得度して尼さんになることになったようだが、光彦はまたしても嫁とりの大きなチャンスを逃したようだ(笑)。

 刑事が光彦をさんざん容疑者扱いして横柄な態度をとっていたのに、刑事局長の弟だと分かると、急に掌を返したようになるシーンはいつもの通り。今回は、光彦が所轄で容疑者扱いされているときに、洋一郎が、そこの署長が同期だということで現れるのだが、陽一郎は刑事局長で階級は警視官、所轄の署長だと階級は警視正か警視であり、これが同期ということがあるのだろうかと疑問に思った。

○原作:内田康夫「風のなかの櫻香」
風のなかの櫻香 (徳間文庫)
クリエーター情報なし
徳間書店



○出演
・速水もこみち(浅見光彦)
・佐久間良子(浅見雪江)
・風間杜夫(浅見陽一郎)
・志田未来(櫻香)
・石野真子(七原聖子)
・前田吟(荒井元博)ほか

☆☆☆☆

※本記事は、書評専門の拙ブログ「風竜胆の書評」に掲載したものです。





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