文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

書評:尾道茶寮 夜咄堂 猫と茶会と花吹雪(つくも神付き)

2017-09-27 10:38:21 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)
尾道茶寮 夜咄堂 猫と茶会と花吹雪(つくも神付き) (宝島社文庫)
クリエーター情報なし
宝島社

・加藤泰幸


 近所の書店で見かけた本書。何度も行った尾道が舞台ということで買ってみた。どうもこの前作があって、これが2巻目になるようだ。

 内容は、亡き父から尾道の古民家カフェを受け継いだ大学1年生の若月千尋がそこに住んでいるつくも神たちと織りなす物語といったところだ。

 このつくも神たちは、黒髪美少女とナンパ好きなおっさん、そして犬という取り合わせ。しかし、つくも神といっても、特にそれらしい力があるわけでもないし、そういった存在がいる割には怪奇な事件が起こるわけでもない。つくも神たちが何らかの事件を解決するような話でもないので、そういったことを期待すると少しがっかりしてしまうだろう。

 描かれているのは、千尋がお茶の道に関して成長していく物語だろうか。 いくつかの問題解決はしているが、決してそれが本筋というわけではないのだ。

 ところで、主人公は大学1年生ということだ。確かに尾道には尾道市立大学があるが、彼はそこの学生なのだろうか。もっとも尾道なら福山が近いのでそちらの方ならいくつか大学がある。しかし、カフェの経営と大学生の両立は難しいだろう。授業のある時はつくも神たちに丸投げをしているのだろうか。

☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

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