信頼の原則――最高の組織をつくる10のルール | |
クリエーター情報なし | |
ダイヤモンド社 |
・ジョエル・ピーターソン、 デイビッド・A・カプラン 、(訳)田辺希久子
強い組織を作るにはどうしたら良いだろうか。カリスマ的な経営者が存在すればいいのか。優秀と言われる人間を集めればいいのだろうか。本書が教えるのは、そのようなことではなく、いい組織を作ろうと思ったら、「信頼」により裏打ちされた組織でないといけないということだ。
それではどうしたら私たちは、信頼できる人間になれ、他者を信頼できる人間になれるのだろうか。気に病むことはない。本書にはそのためのルールが10に渡って解説されているのだ。どれをとってもなかなか示唆に富んだ内容が書かれていると思う。
ところで、私の知っている会社で、信頼とは程遠いように思える会社がある。ころころ変わる人事労務制度。新入社員もベテランも、同じように人役という頭数だけで数え、各人のスキルについては度外視。そのくせやたらと「人材」などという耳障りの良い言葉を使いたがる。そして、何かあるごとに、どんどんと細かいところまで行われるようになる管理。その他にもいろいろあるが、この辺りで止めておこう。大体人事だとか労務だとかが幅を利かせているような組織で信頼が生まれる訳がないというのが、私の経験則である。そんな連中に本書を読ませてやりたいと思ったのは余談。
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※初出は、「風竜胆の書評」です。