![]() | 江戸の性事情 (ベスト新書) |
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・永井義男
色々な本に唄われてるように、江戸時代の性に関する考えかたは今と大きく違っていた。例えば、現在においては、妻が元フーゾク嬢だとしたら、普通はそれを大ぴらにはしないだろう。ところが江戸時代は、妻が元吉原の太夫だということが自慢の種になったのである。
ところで、本書では、アレの値段が書かれている。ピンの方は、「呼出し昼三」と呼ばれる遊女で、その値段は1両1分。これがキリの方になると夜鷹の24文で、蕎麦一杯の値段と同じだったらしい。ちなみに当時の紙屑の値段が、竹籠二杯で200文だったらしいから、夜鷹の値段は紙屑より大分下ということになる。
おまけに当時はもれなくビョーキが付いてきた(これはピンの方でも似たようなものだったらしいが)ようだから、抗生物質なんてない江戸時代は、いろいろと大変だっただろう。
この道に関する限り、昔も今もそう変わらないようで、現在使われている各種テクニックは既にこの時代に開発されていたという。ただし、パ〇ずりだけはなかったようで、昔はそれができるほど大きい人がいなかったらしい。また、昔は足で女性の大事なところをウニャウニャする「足くじり」というテクニックが一般的だったようだ。当時は水虫なんてなかったのだろうか?
この他、妾は職業の一つだったとか、遊女と芸者の違いは、おおっぴらか隠れてやるかの違いだとか、不義密通は大事にせずに金で解決する場合が多かったとか驚くようなことが満載。流石は、性のワンダーランド、花のお江戸である。
最後に本書に載っている川柳で、思わず吹き出したものを紹介しておこう。
馬鹿夫婦春画を真似て手をくじき
馬鹿夫婦春画を真似て腰痛め (p96)
まあ、あれを真似する人はいないと思うけど、いい子はくれぐれも気をつけるように(笑)。
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※初出は、「風竜胆の書評」です。