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いきのこれ! 社畜ちゃん(1) (電撃コミックスNEXT) |
(絵)結うき、(原作)ビタワン | |
KADOKAWA |
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いきのこれ! 社畜ちゃん(2) (電撃コミックスNEXT) |
(絵)結うき、(原作)ビタワン | |
KADOKAWA |
この漫画は、小さな(ブラック)IT企業に勤める社畜ちゃんの日々の奮闘を描いたものだ。どのくらいブラックかというと、社内の休憩室に設置されている自動販売機で栄養ドリンク類やエナジードリンク類が全部売り切れているくらいだ(1巻p25)。
いたるところで笑えるのだが、ツッコミどころは多い。例えば課長が部屋を持っているらしい。これは明記されてはいないが、100ページに出向(これも実態は偽装出向くさいが)から戻った社畜ちゃんが課長から呼び出されている場面がある。呼び出されるというのだから部屋を持っているんだろう。しかし社畜ちゃんが勤務しているのは小さな(ブラック)IT企業という設定だ。私は大手企業で課長をやった経験があるが、課長クラスで自分の部屋を持っている者はいなかった。役員クラスならともかく、課長で部屋持ちなんていったいどんな会社だ。(外資系ならあるのかもしれないが、そんな感じは受けなかった)
時間外も休日出勤もまったく手当がつかないらしい(1巻p58)。「これだけはたらいているんだから、「残業手当」とか「休日手当」とかいっぱいもらえるのかも」という後輩ちゃんに、社畜ちゃんは「そんなものはない」とバッサリ。明らかに違法なのだが、それが当然だという雰囲気がある。
同期も他に1人しか残ってないようだ。2巻の34ページに社畜ちゃんが同期ちゃんと居酒屋で飲み会をやっているとき、<いままでは「生き残り!」と思っていたが、実は「逃げ遅れ」なんじゃないか>というようなことを言っている。この会社はヤバいと思った人はみんな逃げているようだ(笑)。
しかし、一番のツッコミどころは、これだけ可愛らしい女子が沢山働いているブラック企業なんてないぞというところかも。
※初出は、「風竜胆の書評」です。