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ホクサイと飯さえあれば(1) (ヤングマガジンコミックス)
鈴木小波
講談社
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ホクサイと飯さえあれば(2) (ヤングマガジンコミックス)
鈴木小波
講談社
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ヒロインは山田文子(あやこ)という少女。通称「山田ブン」父親がくれた表札にもブンと書かれている。
ブンは、大学に入るために、千葉県の田舎から東京は北千住に引っ越してきた。彼女が入ったのは美術関係の学部。北千住には東京芸術大学の千住キャンパスがあるが、そこがモデルなのだろうか。ただし、東京芸術大学で千住キャンパスにあるのは音楽関係の院や学部のようだ。
彼女の友達になったのが、同じ大学に通うために東北から出てきた有川絢子。ブンと同じあやこである。ただし通称はジュンちゃん。彼女は教育学部のようだ。ちなみに、成人しているらしい。もし東京芸術大学がモデルなら、教育学部はないので、違うのかな。そして、謎の少年凪。彼は塀を越えて隣の寺の墓場から出入りしている。
そしてホクサイだが、彼女がいつも抱いているぬいぐるみのようだ。ホクサイがしゃべっている場面があるが、きっと脳内で自分だけが聞こえているのだろう。ちなみに、普通のホクサイの他に、携帯用でバックにぶら下げる小さいホクサイもある。このホクサイ、正体をいろいろ調べてみるとどうも忍者のようだ。
ブンは、食べることへの情熱が凄い。なにしろ引っ越しのときに最初にやる事の予定が、ご飯を炊くこと。しかし、渋滞のために、引っ越しの車が遅れてしまう。しかし、そこはブンちゃん、なんとコーラの空き缶で飯を炊いてしまうのだ。
この作品は、ブンがいろいろなものを作る話で構成されている。身近な材料でできるものばかりだから、レシピもついているので、試してみてはどうかな?
最後にブンの科白で気に入ったものをひとつ紹介しよう。
「ご飯は1人で食べた方が絶対に美味しい!!!」(1巻p104)
最近のかたまらないと飯も食えない連中に聞かせたい言葉だ。特に、ボッチ飯とか便所飯とか言っている連中に。
☆☆☆☆
※初出は、「風竜胆の書評」です。