本書は、世界で使われる交渉術を集めたものだ。日本の中で行う交渉だったら、これまでと同じようなやり方が通用するだろう。しかし、グローバル化した現代は世界が相手だ。「所変われば品変わる」といった諺もあるように、交渉術も色々なやり方がある。日本式のやり方では限界があると思った方がいい。
そうは言っても、心情的に日本人には合わないものもあるだろう。だからこちらがそのような交渉術を使う必要はない。孫子の言葉に「敵を知り己を知れば百戦殆うからず」というものがある。
そうなのだ、どんな交渉術があるのかを知っておかないと、その交渉術を使われ、相手のペースに巻き込まれて知らないうちにこちらが不利な契約を結ばされる恐れがあるのだ。だが、相手がこのような交渉術を使っていることが分かれば、対処の方法はあるだろう。
誠意を持って対応するという日本人のやり方は大切だが、相手が必ずしも同じようにしてくれるとは限らない。よく、日本での契約書はあれほど簡単な反面、外国相手だと、細かいところまで決めて置かなくてはならないので膨大な量になると聞く。これは文化が違うので仕方がないことなのだが、日本式しか知らないと、大失敗をする可能性がある。
本書を読んで、世界ではどのような交渉術を仕掛けられるのかを知っておくと、世界を相手にビジネスをする人には役立つに違いない。
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※初出は、「風竜胆の書評」です。