主人公の甘澤こころ(あまちん)は公立綿積高校の1年生。とても可愛らしい容姿で、クラスの男の子たちはメロメロ。しかしこころは自称♂。口癖は「勃つわあ」。(ただし、本当の性別は幼馴染みの上下タツミですら知らない。)
この作品は、そんなあまちんが巻き起こすコメディだ。あまちんの格好が面白い。なにしろ上半身は女子の制服。髪形もツインテールで完全な女子である。しかし、下半身はズボン。スカートは、コスプレのような時しか履かない。でも最近は女子もズボンを履く高校があるので不思議ではないのか。
一言で言えば、この学校はヘンな人が一杯。なにしろ、主席合格者が恋愛シミュレーションゲームの大ファン。こころがそのヒロインにそっくりだったため、色々とやらかした結果、ついたあだ名が「Mr,変態メガネ」。何事も自信がなかったクラスメートが、自分には可愛いがあると女装の道に目覚めたり。どう見てもアブナイ人が美術部の副部長だったり。
あまちんの家族にしても、やはりヘンだ。母親は大きな洋服会社を経営していて、よくあまちんをモデルにしていることは全巻で明らかになったが、この巻には父親が登場している。父親は喫茶店のオーナーだが、大の少女漫画ファン。あまちんとタツミの仲が気になっている。
さてさて、あまちんは本当に♂なのか。タツミとの関係はどうなるのか。すべての謎は次巻以降に続く。
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※初出は、「風竜胆の書評」です。