可愛らしい山ガールたちを描いた「ヤマノススメ」の3巻目。主人公は雪村あおいという高校生になったばかりの少女。この巻では、あおいは、富士登山に挑む。ご来光を見るためだ。同行するのは、葵の幼馴染の倉上ひなた、1年上の斎藤かえでそして中学2年生の青羽ここな。
富士山といえば、日本一高い山である。そして高い山には高山病がつきものだ。高山病とは、高い山では空気が薄くなるため、酸素が不足し、頭痛などを引き起こすものである。ひどい場合には死亡することもあるが、個人差が大きい。張り切るあおいだったが、この巻でも高山病が大きな障害となる。
話は基本的にあおいが山登りをしていくうちに色々な人と知り合い、成長していくというものである。最初は人づきあいの苦手だったあおいだが、山登りを通じて、どんどん変わっていく。全体を流れるゆるふわな感じは私の好みだ。お気に入りは、ここなちゃん。まだ中学生なのに女子力が高く、雰囲気もゆるふわな感じなのに、なにげに山ガールとしてのスペックも高いところがなんともいいと思う。さらに珍しいことにこの巻では出張が多くあまり出てこないあおいの父親が出てくる。でもやっぱり雪村家では母親の力が強いようだ。
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※初出は、「風竜胆の書評」です。