最近よく「京大短歌」出身者の歌集を目にするが、本書の作者も、「京大短歌」に参加していたらしい。ちなみに、著者の名前の読み方は「さかきばら ひろ」さんといい、奈良女子大の出身だということだから女性である。
まず目を引くのが表紙イラスト。サムネイルだとちょっと分かり難いが、いかにも怪しげなどこかの呪術師のようなイラストが描かれている。タイトルが「悪友」ということは、「君の悪友は、ラノベやファンタジー小説に出てくるような呪術師なんかい」とついツッコミたくなる。
短歌の中に英語が入っているものは見たことがあるが、この歌集に収められている歌のように、ポーランド語が入っているものは初めて見た。Krakowとタイトルがつけられた章の中に含まれる歌だ。ちなみにKrakowはポーランドのクラコフと言う南部にある歴史ある都市のようだ。章のタイトルがKrakowなので、この章に収録されている歌はクラコフにインスパイアされて詠んだ歌なのだろう。ちなみに正式のポーランド語ではoの上に「’」が付くらしい。
漫画・アニメや映画からもインスパイアされて歌を詠んだのだろう。そのようなタイトルが付けられた章がいくつかある。ただ、残念ながら私はそれらの元ネタにはあまり詳しくはない。この辺りがジェネレーションギャップなのだろうか。
章のタイトルと収められている歌の間の関係性については、正直どうしてこの歌がこのタイトルの章に入れられているのかよく分からないものもある。訪れた場所や観た漫画・アニメや映画などでインスパイアされたものは分かりやすいのだが。
☆☆☆