本書も放送大学のテキストのひとつである。本来は自然と環境コース開設科目だが、今在籍している生活と福祉コースの共用科目となっている。生活と福祉コースは、別にそれほど興味があるわけではないが、全科生として在籍できる最後のコース(他のコースは全て卒業してこのコースが最後に残った)ということで便宜的に所属している。でも本来のこのコースの科目にはあまり食指が動かないので、共用科目を中心に履修するつもりだ。
それはさておき、本書によれば、進化とは、生物種の遺伝的な性質が時間の経過とともに変化することである。だから、俗に退化と呼ばれるものも、生物学上は進化のひとつなのである。大事なことは、その変化が個体だけに適用されるのではなく、生物種全体に適用されるということだ。生物は進化をすることにより、多様性を確保してきた。
本書には基本的なことから、応用的なことまで、進化に関する様々なテーマが掲載されている。例えば、ゲノムなどのミクロレベルから、動植物の進化に関するマクロなレベルまで。寄生や共生と言ったテーマでも1章を割いている。本書を読めば、この方面を希望する人には、基礎的な知識が得られるものと思う。そうでない人が読んでも、章によっては結構面白いのではないかと思う。
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