最初に著者の名前について、何と読むのか頭を悩ませた人も多いと思うが、「かくたに けんいち」さんである。ブルーベリーサプリのわかさ生活の社長であり、日本女子野球の創立者、女子野球漫画である「花鈴のマウンド」の原作を書くなど、なかなか多才な人だ。
さて今回の舞台も星桜高校。著者の作品は大体この学校が舞台だと思って良い。主人公は、この学校のカレー研究会(部でなく研究会なのは部員が3人しかいないから)のリーダーである香坂玖実という女子高生。「喫茶こよみ」の孫娘でもある。本書は、小説仕立てで、玖実が、フィンランドからやってきたという設定のブルーベリーの妖精・ブルブル君の協力を得て、「洛央商店街”食”フェスタカレー大会」に参加するための美味しいカレーを作るというものだ。なお、このブルブル君は、星桜高校を舞台にした他の作品にも出てくる。
こういったものは、敵役が出てくると良いスパイスになる。この話では高級フランス料理店「グランメゾン」錦野の一人娘で料理部のエースと言う設定の錦野蘭がその役を務める。彼女が最初出てきたときは、悪役令嬢タイプかと思っていたが、実はツンデレタイプで面倒見もいい人。そして最後には玖実と友達になる。
なお、イメージマップというのは、マインドマップやメモリーツリーとも言われ、中心から放射状に、関連するものを記入していくというものだ。記憶法や各種の企画などに使われている。
タイトルからはもっと色々なマップが沢山掲載され、細かくその作り方を解説しているもののような印象を受けるが、実際には小説がメインで、マップは各章末に少しずつ出来上がっていくのを見せるような構成になっている。色々なマップを例として見せるやり方もあるだろうが、このように、テーマを一つに絞って出来上がる過程を見せるという方法もあるのだろう。
☆☆☆