このタイトルは「おひとりさま」をもじったものだ。主人公は、上条星羅という24歳の女性。美人だが無表情。趣味は一人で釣りに行くこと。ただし、うまく狙った魚が釣れたときだけは、「悦・・・♡」とうっとりとした表情で、「たまらん!!!」とつぶやくのが口癖だ。ついでに言えば、この、「悦・・・♡」とうっとりとした表情で、「たまらん!!!」とつぶやくのは、どうも父親ゆずりのようだ。
星羅は、何事にも興味が薄いが、釣りにはすっかり嵌ったようである。星羅は釣りバカ一家に育ち、この父親は淡水釣りバカ、祖父は海釣りバカ、兄はルアー釣りバカと色々こだわりがあるようだ。この中で苦労している母親は、星羅だけは普通に育って欲しいと願っていたが、それにも関わらず立派な釣りバカに育ったようである。ちなみにキャスティングはプロ並み。でも男は釣るより釣られたいらしい。理想は自分より釣りのうまい男だそうなので、さてどうなることやら。
星羅は、こんな家族に囲まれて育ったため、器用になんでもこなすようだ。でも、例えばチヌ釣りでは海釣りバカの祖父が一枚上。釣り好きの人なら本書を十分に楽しめると思うし、知らず知らずのうちに釣りの知識がついていくものと思う。
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