本書は、ホーンテッド・キャンパスシリーズの2作目となる。ホラーな事件に雪越大(モデルは新潟大と思われる)オカルト研究会の面々が挑むというものだ。
霊は当然のように出てくるが、オカ研のメンバーにはそれを払うような能力はない。この時点ではいわゆるみえる人が2人いっるだけだ。じゃあどのように事件を解決するのか。ホラーの起きた原因を突き止め、場合によっては霊を説き伏せるのだ。収録されているのは次の5編。
〇シネマジェニック
映画研究会がコンペに出すためにとった作品に、いるはずのない女が移っていた。その女の正体は分かったものの元気に過ごしており、来週には結婚するという。
〇彼女の彼
法学部2年の綿貫は、二年前失踪した岸本美織の幻が急に家のあちこちで見るようになったという。
〇幽霊の多い居酒屋
光桐学院御用達の居酒屋に「幽霊居酒屋」と呼ばれているものがあるが、なぜか気味悪がられたりせずに、よく打ち上げや飲み会で使われていた。
〇鏡の中の
非常勤講師の矢田の紹介で訪れた2年生の新藤という男は、鏡に映らないようになった。
〇人形花嫁
雪大OGの松原鞠花は、夫の家に伝わる活き人形の不気味な現象に悩んでいた。
このオカルト的な部分を縦糸とするなら、横糸は八神森司と灘こよみのラブコメだろう。傍からみれば明らかに相思相愛なのだが、なかなか二人の仲は進展しない。特に森司の方は、自分が灘のような美少女にモテるはずがないと思い込んでいるというヘタレぶりである。なおこよみは、森司のことを八神先輩と呼んでいる。確かに高校のころは森司が1学年上だったが、1浪して大学に入っているのに対して、こよみの方は現役で合格しているから、二人は実は同級生なのだ。でも、これは男子にとってはちょっと辛いかも(笑)
どんな事件が出てくるかより、二人の仲はどうなっていくのかの方が気になる、気になる。しかし、森司君、無事にこよみちゃんからチョコレートをもらえたようで。ちなみにこよみのタイプは火盗改めの長谷川平蔵らしい。これは森司君、大丈夫か?
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