本書は「地方都市の駅前はなんで賑わわない? 」シリーズの第二弾にあたるものだ。「地方は活性化するか否か」(学研プラス)という単行本も出ている同じ著者による本の続編にあたるという。
とある高校の「地域活性研究部」に属する女子校生5人が、時に顧問の社会科教諭・峯岸峰子先生(美人だけどアラサー独身だそうです)も含めて、ワイワイ・ガヤガヤ言いながら、地域の活性化について考えていくというもの。
副題をもう少し詳しく言うと、「活性化するための施設を活性化させるなんて悪い冗談だわ」ということ。でも、こういう例は腐るほど聞いたことがあるのではないだろうか。特に箱物の場合。お金が入ると、知恵のないところほど、箱物を建てようとする。しかし、まったくその後にかかる維持管理費は計算に入れていないのだ。そのうちそんな施設のことは、忘れ去られてしまう。解体すればいいのに、その解体費用も工面できないので、廃墟のようになってしまう。
一番の原因は、地方が少子高齢化が進んでいるということ。近くに人口の多い大都市があればいいが、どうして、外出もままならない高齢者が増えて、そんな施設を利用しようと思うのか・
そしてどうして駅前を活性化しようと思うのか。地方はどんどん公共交通機関が無くなり、車社会になっている。地方は車がないと本当に不便なのだ。現に私の故郷は昔は単独町制を敷いていて、実家は町の中心部といっていいところにあった。だが、時代の流れで近隣の市と合併したのはいいが、市の中心部に行くのに、市のコミュニティバス以外は公共交通はなくなったのだ。また、駅周辺には大規模な駐車場を展開できない。大規模な無料駐車場が整備されている郊外店に人が集まるのは当然なのだ。しかし高齢化が進み、車を運転できない人が増えたときどうなるのだろう。
ともあれ、女子高生が地域活性化について考えるというのはいいことだ。ワイワイ・ガヤガヤ、キャピキャピと、そういった場面を想像するだけで楽しい。
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