・梁瀬昌宏
本書は世界170カ国を添乗員として訪れたという著者が、自分の体験、添乗員になる方法、添乗員の魅力や心構えなどを綴ったものだ。
海外添乗員はいろいろな国に行けて、そのうえ給料までもらえる。実際にはいろいろと厳しいこともあるのだが、世界をあちこち回るのが好きな人にはなんとも魅力的な仕事だろう。これは60台後半になっても年間250日の海外添乗をこなしている浅野さんという方のコラムに書いてあるのだが、若ければめちゃめちゃもてるらしい(笑)(p88)。
本書にはツアーコンダクターの資格として「旅程管理主任者」という。これは3日の研修を受ければ、合格率90%以上で簡単に取得できると書かれていた(正確には+実務経験)。実は私は「国内旅行業務取扱主任者」(現国内旅行業務取扱管理者)を試験で取った。これは旅行業務に関するお目付け役のような資格で、営業所毎に法に定める通りに置かなければならないようだ。
一方「旅程管理主任者」とは、旅行業法が改正されたときに定められた資格で、これがないと添乗はできない(サブで添乗する場合を除く)ということなのだが、言葉が似ているのでなんだかややこしい。ただ私の場合は旧旅行業法での資格を取ったので、研修は終了しているとみなされるようで、後は実務経験を積めば晴れて国内旅行に限り添乗できるのだが今のところその予定はない。
なにしろ、この本には、
<海外添乗員に向いているのは、お世話好きな方です>(p66)
とか
<添乗員は、いわば現役アスリートのようなものです。勿論、本当のアスリートの方とは違いますが、体力がないと添乗はできません。この10年、毎年1回はフルマラソンに参加しています。>(p83)
なんて書かれている。この時点で、自分には添乗員の仕事は向かないことが分かる(笑)。
また、海外添乗員になるためには、英語は必須ではないらしい。
<意外のようですが、英語が全くできなくてもお客様の心を掴む添乗をしている添乗員が多々います。>(p68)
これはお客様と話すときに一番使うのはやはり日本語だからということのようだ。しかし、トラブルを考えると英語ができるに越したことはない。次のページにもあるように、添乗員が一人で業務するようなケースだとトラブル処理は添乗員がすべて英語でこなさなければならないからだ。(p69)
本書は添乗員としての仕事などが記されており、旅行が好きで添乗員を目指している人には大いに参考になるだろう。また、添乗以外の仕事を目指す方にとっても参考になるところは多いと思う。
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