会社を50代で辞めて勝つ! 「終わった人」にならないための45のルール | |
高田 敦史 | |
集英社 |
本書の内容を一言で表せば、「フリーランスの勧め」ということか。著者はトヨタの部長だったが、54歳の時に退職してフリーランスの道を歩みだす。
本書には、著者の会社での歩みや、専門知識を持つことの重要性などが書かれている。また、大切なことは、仕事を通じて会社から手に入れることも述べられているのだ。もちろん犯罪になるようなことはしてはいけないことは言うまでもないが、仕事のやり方やノウハウなどはそれなりの組織にいないとなかなか身に付かない。こういったものをしっかり身に着けようということである。
もちろん会社勤めからフリーランスになるというということにはそれなりのリスクがあるだろう。会社勤めなら定年ということから逃れられないが(例外もあるが)、フリーランスには定年はない。会社勤めなら、いやな仕事もしなければならない代わりに、毎月それなりの収入が入ってくる。フリーランスなら嫌な仕事はしなくてもいい反面、自分の食い扶持は自分で稼いでいかなくてはならない。そのあたりはしっかりと自己責任で見定めないといけないのである。
よく会社でどれだけ出世をしても、退職したらタダの人だということを聞く。しかしフリーランスとして活動をする時に、元トヨタ部長だということが役に立たなかったとは思えない。もちろんフリーランスを長く続けていると次第に元の肩書も利用できなくなるだろうが、フリーランスになりたてのころは役に立ったのではないかと思う。だからこういったことも含めて、独立できるかどうかを考えていかないといけないのだ。著者と同じようにしてもうまくいくという保証はないが、将来フリーランスとして働くことを考えている人には参考になることも多いだろう。
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※初出は、「風竜胆の書評」です。