文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

放送大学成績発表

2020-02-18 10:34:16 | 放送大学関係

 放送大学のシステムWAKABAで先般受けた放送大学2019年度2学期の成績発表があった。結果は

(放送授業)
・Webのしくみと応用(’19)Ⓐ 
・コンピュータとソフトウェア(’18) A

(面接授業)
・社会基盤とインターネット技術 B

となっており、これで卒業まであと8単位だ。放送授業についてはこんなものだと思うのだが、この面接授業の結果については多いに異論がある。レポートの提出によって成績が付くのだが、完全に講師の主観でつけられている。大学入試のセンター試験において記述式の導入が見送られたのも分かる気がする。どんな授業だったかは、完全に記憶から消えているので、提出したレポートの写を確認した。それでも、授業内容を思い出せないのだから、まあそんな内容だったのだろう。別に単位が欲しい訳ではないので、こいつが講師になっていたら、二度と履修しないと思う。

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巴里マカロンの謎

2020-02-17 08:50:53 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 あの小鳩常悟朗と小佐内ゆきの小市民コンビが11年ぶりに帰ってきた。思えば、「春期限定いちごタルト事件」、「夏期限定トロピカルパフェ事件」、「秋期限定栗きんとん事件」と続いたのだから、次は「冬期限定」なんちゃら事件だと思って待っていたのだが、見事に裏をかかれた(笑)。

 考えてみると、冬期限定のスイーツ材料というのはあまり無いかもしれない。あるのはこたつに入ってのみかん位か。しかし、みかんなら缶詰で年中食べられるだろう。林檎も冬の果物といっていいかもしれないが、年中見ているし。

 ということで、本書は4つの作品が連作短編として収められている。収録されているのは、表題作の、「巴里マカロンの謎」、「紐育チーズケーキの謎」、「伯林あんぱんの謎」、「花府シュークリームの謎」といずれもスイーツにかけた表題がつけられている。なお、最初の3つは東京創元社のミステリー専門誌「ミステリーズ!」に発表されたもので、最後の1つは書下ろしである。どんな作品かをごく簡単に紹介しよう。

〇巴里マカロンの謎
 小鳩くんは、小佐内さんに連れられて、名古屋にオープンしたパテスリー・コギ・アネックス・ルリコで新作マカロンを食べることに。ティー&マカロンセットで選べるマカロンは3種類ところが新作マカロンは4種類。4種類全部を味わいたいと、小鳩君はつれてこられたわけだ。ところが、小佐内さんのマカロンが4つ。そして第4のマカロンには指輪が入れられていた。

 二人は、この事件を通じて、コギのオーナーの娘である、名古屋の私立礼智中学に通う古城秋桜(コスモス)と知り合う。小佐内さんは、秋桜から「ゆきちゃん先輩」とすっかり懐かれたようだ。

〇紐育チーズケーキの謎
 秋桜の文化祭に行った二人だが、小佐内さんがガラの悪い男子生徒に拉致されてしまう。彼らは何かを探しているようで、それを小佐内さんが持っていると疑っていた。

〇伯林あんぱんの謎
 新聞部で記事を書く人間を決めるのに、ジャム入り揚げパンを使ったくじを行った。1つだけマスタード(実はタバスコ)が入っているのだ。しかし、パンを食べた人間は全員おいしいと言う。果たして、当たったのは誰か?

〇花府シュークリームの謎
 秋桜が、無実の罪で停学になった。行ってもいないパーティで飲酒をしたというのだ。その証拠とされたのは、明らかな合成写真。一体誰の仕業か。

 このシリーズ、完全に忘れられていたと思っていたが、新作が発表されてうれしく思う。謎自体は、いかにも小市民を目指す小鳩くんらしいが、このように荒事のないミステリーというのもなかなかいいものである。このシリーズ、一応全部持っているのだが、「秋期限定」のみレビューを書く前に、どこかに行ってしまったのがとても残念。

☆☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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オニキス -公爵令嬢刑事 西有栖宮綾子ー

2020-02-15 11:06:54 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 この作品は、清原紘さんの描く表紙イラストに一目惚れしたようなところがある。私は、一次審査を、小説の場合には、表紙イラストで行うことが多い。(新書や専門書の場合は、テーマが面白そうかどうかによる。新書って、同じようなデザインの表紙のものが多いし。)

 さて、本作の主人公の西有栖宮綾子という名前は、実は通称で、本名はメアリ・アレクサンドラ・綾子・ディズレーリという生粋のお嬢様。父親がイギリス公爵、母親が宮家(特例で女性宮家を認められている)という設定だ。ただ綾子の階級警視正というのは、大規模警察署の署長ができるもので、今の制度では、いくらキャリアでもさすがに20代ではなれないようだ。作品中にも歳の話があったが、ヒロインの年齢は・・・(以下略)。

 収められているのは3つの事件。どれも検察の裏組織一操会が裏で糸を引いていて、綾子が箱崎警察庁長官の依頼で、「監察特殊事案対策官」として、それらに挑むというもの。

 一つ目の事件「消えた八、五七二万円を追え」は、I県警の安芸中央警察署で拾得した現金が警察署の中で消えたという事件だ。正確には八、五七二万三、一一〇円。モデルは明らかに一時よく報道されていた広島中央警察署で特殊詐欺の証拠品八、五七二万円が消えうせたあの事件だ。私がネットで調べたところ端数があるのかないのか分からなかったのだが、ここでは三、一一〇円という派数がつけられている。実はこの端数が伏線の一つになっている。綾子には安藤隼警視が下にいるが、この事件で鳥居巡査部長という二人目の下僕いや、部下を手に入れた。

 二つ目の事件「警察の不祥事なし」は、O県警の鹿川警察署という小規模警察署の署長が庶務嬢と署長室で不倫の最中腹上死してしまったというもの。検察から派遣されてきた「銀鷲の鬼池」という悪徳検事に一杯食わせる方法がなんともすごい。

 三つ目の事件、「あの薬物汚染を討て」では、L県警で県警本部や所轄に覚醒剤が蔓延していた。そして御子柴県警本部長が鞄に仕掛けられていた爆弾で大怪我をする。御子柴本部長は、2週間前にこの覚せい剤汚染に対処するため、切り札として赴任したばかりだった。この事件の悪徳検事は、白蜥蜴の剣崎。この剣崎の化けの皮を剥がす綾子の方法が面白い。ところでL県警となっているが、作品を読むと舞台は明らかに京都府だ。

 本作の内容を一言で言えば、ハチャメチャということだろう。何しろお金持ちのお嬢様で、やっていることは無茶苦茶。薬師寺涼子(田中芳樹:「薬師寺涼子の怪奇事件簿」シリーズ)と岬美由紀(松岡圭祐:「千里眼」シリーズ)を足して(2で割らずに)もっとハチャメチャにしたと思えばいい。1000億や2000億などは、はした金の扱い。父親のディズレーリ公爵からはもっと使えと発破をかけられるくらいの大金持ちである。

 買収あり、拷問あり、殺人ありで、検察の中に秘密組織があり、平気で殺人を犯す。失敗は死。そして検事に銀鷲だの白蜥蜴といった二つ名がついているのだ。でもこんな作品は意外と好きかもしれない。なろう系の異世界ものでは主人公が無双するようなものが多いが、この作品も警察小説やミステリーとして読むとツッコミどころが満載なのだろうが、一種の異世界ものとして読めば結構読める。なんとも痛快なのだ。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

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放送大学2020年度1学期科目登録

2020-02-13 10:35:31 | 放送大学関係

システムWAKABAから、放送大学2020年度1学期科目登録を行った。登録したのは以下の6単位分。

放送授業

・解析入門(’18)

・経営情報学入門(’19)

 

面接授業

・銀河天文学

・情報メディアと社会

 

 この間受けた試験の合否をいわゆる「裏技」によって確認しようと思ったのだが、最初は再試験を受けるような感じだった。まさか2科目とも落としたかなと思ったが、しばらくすると2科目共履修済という表示が出るようになった。どうも科目により、少しタイムラグがあるようだ。おそらく既に知っていることも多く、今回はそう負担感はないと思うので、復習のつもりで勉強しようと思う。順調にいけば、2学期末で6度目の卒業になり、あと「生活と福祉」のコースしか残っていないが、あまり興味がないんだよなあ。他のコースと共用の科目を中心にいこうか。

 

 

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コンピュータとソフトウェア

2020-02-13 08:10:55 | 書評:学術教養(科学・工学)

 

 本書も、同名の放送大学における教科の教科書である。かってシャープの顧問だった宮永好道さんは次のような名言を残している。「パソコンは、ソフトが無ければただの箱」

 この言葉はパソコンに限らず一般的にコンピュータ全般についても言えるだろう。コンピュータを使って何をやらせるかが問題なのだ。コンピュータはそれだけでは何もできない。本当にただの箱なのである。しかし、ソフトウェアと組み合わされることにより、出来ることが飛躍的に増えるのだ。これまではアナログ的に作っていたものも、どんどんコンピュータを使って、デジタルに置き換わっている。

 本書は、このコンピュータの仕組みから始まり、インターネットのような通信技術との組み合わせ、プログラムの基本とアルゴリズム、データベースにオブジェクト指向の考え方など、コンピュータについて勉強したい人には、一通りの基礎的な項目が揃っていると思う。

 ただプログラムの説明としてプログラム言語として「ドリトル」が使われている。これは教育用に開発されたプログラム言語であり、小中の教科書や副教材などに採用されているという。大学でも利用を勧めているが、私のようにはるか昔に高校・大学を卒業した者にはあまり馴染みがない。

 私は別にソフト関係の仕事をしていたわけではないので、馴染みがあるのは、BASIC、FORTRANで、精々PASCALくらいである。どこかに「ドリトル」の文法を纏めたものを付けて欲しかった。またこの部分はアルゴリズムだけ示して、CやJAVAでのプログラミング例を示しても良かったかもしれない。

 大事なのは、どうやって問題に対処するかというアルゴリズムであり、どんなプログラム言語を使うかは副次的な問題のような気がする。

 とはいえ、本書を一冊理解すれば、コンピュータの基礎的なことは分かると思う。

 

☆☆☆☆

※初出は「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

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Webのしくみと応用

2020-02-11 08:24:28 | 書評:学術教養(科学・工学)

 

 この記事を読んでいる人は、まず間違いなくインターネットを使っていると思う。(プリントアウトをしたものを誰かに読ませるような人がいれば別だが、そのような人はおそらくいないだろう)そしてインターネットのサービスで最もよく使われているアプリケーションが、Webだろう。

 本書は、このWebのしくみについて基礎から解き明かしたものだ。放送大学の同名の教科の教科書でもある。

 インターネットの起源は1969年に稼働したARPANETだと言われている。それから半世紀、スマートフォンの普及とともに、それまであまりパソコンと縁のなかった人もWebを使い始めた。もはやWebに全く触れたことがない人というのは珍しいだろう。

 しかし、その原理まで理解している人は少ない。本書を読んで理解すれば、そのあたりはある程度理解できるものと思う。ただ、やはりこういった方面はある程度の予備知識がないと理解しにくいものだ。分からないことが出てくれば、それこそネットで調べればいいと思う。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

 

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現代電力輸送工学

2020-02-09 09:56:27 | 書評:学術教養(科学・工学)

 

 本書は、送電、変電、配電などの電力流通技術に関する専門書だ。このような電圧の高いものを扱う電気工学を、俗に強電と言うが、この強電技術はかなり枯れた技術である。本書は1992年に出版されたものだが、今読んでも使えるところは多いだろう。

 ただ、今となっては、第5章の送電線の保護については、少し書かれていることが古くなっている。表示線継電方式などは、新しいものはないと思うし、今の電力ではデジタルリレーが全盛のはずだ。デジタル技術は、同じようなハードウェアでも、ソフトウェア次第で色々なことが出来、これまでのアナログ技術でやっていた分野をどんどんデジタルに置き換えている。

 そうは言っても、二相回路理論や直流送電にも触れており、本書をマスターすれば、例えば電験を受験する際にもかなり役立つものと思われる。

 故障計算は、対称座標法の説明がメインで、1回線の場合しか扱っていないものもあるが、平行2回線の線路が多いことを考えれば、二相回路にも習熟しておくことが望ましい。特に零相電流については、平行2回線特有の零相循環電流が問題になることも多いので、この方面を専門としたいなら習熟しておいた方がいいだろう。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

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問題解決力を高める「推論」の技術

2020-02-07 09:39:21 | 書評:ビジネス

 

 本書は、問題解決によく使われる推論の3つの技法について解説したものである。すなわち、帰納法、演繹法、アブダクションの3つだ。帰納法、演繹法についてはロジカルシンキングについて書かれた本ならまず載っているのだが、3つ目は他の2つのように訳語がないことから最近言われ始めたのだろう。アブダクションについてはあまり覚えがない(私が知らないだけかもしれないが)。

 本書の構成は、まず推論力とは何かを定義して、その後、帰納法、演繹法、アブダクションについて、それぞれ章を割いて説明している。それを読めば、どういったものか、その使い方、トレーニング方法などが分かると思う。しかし実際には、これらを単独で使うよりは組み合わせて使う場面の方が多いだろう。ということで、最後の章で、これらの合わせ技を解説している。

 しかし本を一度読んだだけでは本当のスキルは身につかないのはもちろんである。問題の大小に関わらず、実際に使っているうちに、だんだんと洗練されて自家薬籠中のものになっていくのだ。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

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系統樹思考の世界

2020-02-05 09:31:13 | 書評:学術教養(科学・工学)

 

 ここで言う系統樹とは、そもそもの由来を図で表したものだ。「樹」という言葉が入っているように、「ツリー」状に書かれることが多い。つまり色々な多様性を系譜関係によって体系化し、整理するものである。

 「系統樹思考」とは、「進化」の過程を見る視点を与えるものだ。ただし、この進化は生物に限ったものではない。本書にも例が出てくるが、書体の進化なども系統樹として纏められるのである。

 物事を整理するためには、2つの視点がある。一つは本書に述べるような「系統樹思考」だが、もう一つは、分類思考と呼ばれるものだ。その違いは、前者が対象物の系譜関係に基づいて体系化するのに対して、後者は対象物そのものをカテゴリー化するということである。

 著者は農学部出身で、生物系の研究者ということから、生物での適用例が多いが、考え方はビジネスなどにも応用できると思う。ただ、残念なことに、私には非常に読みにくいのだ。これは自分の興味の方向や問題意識の在り方とも関係してくるのかもしれないが、一度読んだだけでは、すらすらと頭に入ってこないのである。もっと簡潔に分かりやすく書けないものだろうか。

☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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計画の科学

2020-02-03 08:53:42 | 書評:学術教養(科学・工学)

 

 部屋の隅から、大分昔に買ったものがひょっこり出てきた。本書である。この本は、副題の通り、PERTとCPMについて解説したものだ。PERTとは、Program Evaluation and Review Techniqueの略であり、CPMとは、Critical Path Methodの略である。元々PERTとCPMは別個に開発されたものだが、これらは相性が非常にいいので、一体として考えた方が合理的である。

 皆さんは工程管理で棒グラフのようなものが使われているのを見かけたことはないだろうか。これはガントチャートと言われ、今でもよく使われている。ガントチャートが各工程を棒グラフで表すのに対してPERTでは矢印のネットワークとして表す。この工程を始めるためには、どの工程が終わっていなければならないかなどが一目で分かる。CPMとは、どの工程がクリティカルで余裕がないのかを見定め、全体の工程を送れないようにしようというものである。

 実はこれらはもう半世紀以上も前に開発されており、その有用性はずっと叫ばれているのだが、ガントチャートを駆逐するほど普及しているようには思えない(私が知らないだけかも知れないが)。ただOR(オペレーションズ・リサーチ)の教科書には載っていることが多い。ただ本書のように一冊丸ごと解説されているようなものは少ないだろう。

 PERT自体はそう難しいものではないので、本書を読めば使えるようになるだろう。ただ工程における工期の見積もりなどは、ある程度の経験がないと難しいかもしれない。本書は、1965年に出たものだが、まだ絶版にはなっておらず、普通に売られているようなので結構なベスト&ロングセラーだろう。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

 

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