文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

聖女の魔力は万能です 1

2022-07-13 12:47:05 | 書評:その他

 

 異世界にあるスランタニア王国に「聖女候補」として召喚された、OLの小鳥遊聖。「候補」というのは、なぜかもう一人御園愛良という高校生くらいの女の子。そして聖女召喚の儀を取り仕切った第一王子は、なぜか聖には目もくれず、愛良だけを連れて部屋を出ていく。

 勝手に召喚しておいて、あまりと言えばあまりの仕打ちに腹を立てた聖は、城を出ていくといったが、周りは第一王子よりはまともな臣下ばかりで、あわてて機嫌をとって引き留める。流れから言って真の聖女は聖なのだが、第一王子にはそれがわからない。まあ、この手の話には、アホ王子が良く出てきて、取り巻きもアホということが多いのだが、幸いこの話ではアホはその王子だけのようだ。この巻には王様は出てこないのだが、「なろう」の方を読む限りはまともな人物のようである。

 第一王子とあるが、王太子とは書かれていないので、次の王になるかはよくわからないが、こんなのが王様になったら、その国は滅んでしまう。仮に王太子であったにしても、私なら廃嫡してしまうだろう。

 聖は美人なのだが、どうも結構なブラック企業に勤めていたようだ。毎日が残業続きで、休みの日も仕事をするのは当たり前。だから年齢=彼氏いない歴の喪女である。しかし、王国の薬用植物研究所で働くようになってから彼女の本領が発揮されていく。

 なにしろ、効果が5割増しのポーションをものすごく作ったり、美味しいうえに、身体能力の上がる料理をつくったり、サラマンダー討伐で黒焦げになった第3騎士団長を助けたり、美少女の友達ができたり。体の方もどんどん健康的になり、それまでかけていたメガネもいらなくなる。

 なお、この騎士団長とは、いい感じになり、聖の喪女歴も終わるかな。さて、このあと二人の仲はどう進展していくのか?聖の聖女としての能力は?

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

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トナリのイケショタくん

2022-07-11 13:59:30 | 書評:その他

 

 このお話の主人公は17歳の高校2年生西浦十和子と11歳の小学6年生篝実琴。結構な年の差だが、12歳男子と20歳女子の夫婦の出てきた作品もあったので、驚くほどではない。

 まあ、この年頃だと、少し歳が離れているように思えるが、大人になったら、この位の歳の差なら、結構あるような気がする。特に芸能人だったら、女性の方が20歳くらい年上だったりする。平均寿命の差(男性81.64歳、女性87.74歳:令和2年簡易生命表:厚生労働省)を考えると、このくらい年上の彼女がいた方がいいかもしれない。

 これはそんな二人が織りなすラブコメといえるだろう。二人はマンションの隣同士の幼馴染。二人の出会いは、6年前十和子が隣に引っ越して来たときに遡る。

 人形が壊れて泣いていた十和子だが、それを直してくれた実琴に胸キュン。自分からお嫁さんにしてくれと告白して以来の仲だ。実琴の方も、可愛い十和子にまんざらでもないようである。ちなみに、実琴は、歳の割にはしっかりしており、近所で噂の神童という設定なので、普通の小学6年生と思ってはいけない。

 読むとなんだかほっこりした気持ちになってくる。こんなカップルが本当にいたなら応援したいな。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

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このヒーラー、めんどくさい 1

2022-07-09 09:32:31 | 書評:その他

 

 このお話は冒険者アルヴィンとヒーラーのカーラのパーティのお話。もともとは同人誌発のようだが、現在は商業誌に連載されている。テレビアニメにもなった。

 アルヴィンは、30歳と歳は割といっているが、実力は皆無といっていい駆け出しの冒険者だ。あまりに弱すぎて、誰もパーティを組んでくれない。

 そして、カーラはダークエルフのヒーラー。一応聖職者であるが微塵もそうは見えない。こちらも相当に難があるということで、パーティを組んだことがない。本人曰く

「どうやら皆私を高値の花みたいに思っているらしく・・・声かけられないようで・・・」

(p10)とものすごく自己評価が高い。でもアルヴィンに言わせれば

「「沼地の毒草」だろうね」

(p10)だということらしい。

 そんな二人がなぜパーティを組んでいるかと言えば、カーラが、自分から300m離れると死ぬという呪いを間違ってかけたからだ。

 そもそも男女のパーティと言えば、ラブコメ的な展開になるのだが、1mmもそんな気配はない。普通は、ダークエルフと言えば、容姿が整っているという設定なので、彼女にしたいと思う人は多いだろう(特に2次元愛好者)。しかし、カーラに関しては、絶対にそんな気持ちにはならないだろう。(よほどの変わり者だったら分からないが)

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

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QED 源氏の神霊

2022-07-07 10:04:44 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 QEDシリーズ、本編の方は完結したとばかり思っていたが、まだまだ続いていたようだ。おなじみ、桑原崇と棚旗奈々のコンビが歴史上の謎と組み合わせて、現実の事件の謎を暴くというものである。

 ところで、桑原崇と棚旗奈々って、まだ結婚していなかったんだね。桑原君、寺社巡りばかりしていないでそろそろ決めようよ。計算したら奈々ちゃんなんてアラフォーだよ。いつまで待たせるんだ。

 奈々ちゃんのの妹の沙織なんて二度も結婚しているのに、それも二度目は子連れ結婚。まあ、相手が熊つ崎こと小松崎くん(明邦大学の崇の同級生で奈々の先輩。空手部の首相だったという設定。その体つきから、崇は熊つ崎と呼んでいたが、最近その熊つ崎というのも略して「熊」と呼んでるらしい)だったので、収まるべきところに収まった感じはあるんだが。

 さて今回の歴史上の謎は源頼政に関するもの。この人物、鵺退治で有名だが、なんと77歳で以仁王の令旨に呼応して、平家に対して挙兵している。どうしてそんな老齢になって挙兵したのか?そして京都府亀岡市には、彼の遺骸を祭っている頼政塚というものがあり、地元には、この塚に無礼なふるまいをすると祟りがあるという伝承がある。どうして彼は祟り神として扱われるようになったのか?

 そして現実の世界では、この頼政塚で水瀬正敏という男が割腹自殺をしているのが発見される。そしてその息子の義正が、遠く離れた関門海峡で死んでいるのが発見された。そして、新下関大学助教授の玉置愛子も関門海峡に浮かぶ死体で発見される。

 この物語に出てくる場所は、主に宇治の平等院、下関市の赤間神宮。出てくる主要人物は、頼政の他に木曾義仲そして安徳天皇。

 面白かったのは、木曽義仲の話。義仲に連れ添った女性武将としては巴御膳が有名だが、他にも葵御膳とか山吹御膳という女性もいたようだ。これは初耳。

 そして決定的なのが安徳天皇女帝説。こちらもなかなか興味深い。ただし現実の事件の方は、今時源氏の末裔とか平家の末裔とかを気にする人間がそう沢山いるとは思えない。そもそも源氏とか平家だとか言っても、それは男系のみ。女系の方で見れば、良く分からなくなっているのではないだろうか。

 崇の次のセリフはいただけない。

「陰陽道や九星気学は、明らかに統計学ですからね。(以下略)」(p219)


 いや、誰もそんな統計知りませんから。どこが明らかやねん。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

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随筆銭形平次 12 銭形平次以前

2022-07-05 23:18:19 | 書評:その他

 

 野村胡堂といえば銭形平次で有名だが、それに関して作者がエッセイを書いていることを最近知った。これもその中の一つである。書かれているのは、著者の探偵小説から捕物小説の遍歴。

 驚いたのが胡堂がものすごい高学歴だということ。何しろ一高から東京帝大の法科大学に進んでいるのだ。ただし、東京帝大の方は、父の死亡により学費が続かなくなったので中退して報知新聞に就職したようだ。野村氏が一高に入るときの勉強ぶりがすさまじい。

 一高の入学試験を受けるとき、私は四月から七月上旬まで三ヶ月半の徹夜をした。全く眠くないわけではない、帯も解かずに机に齧かじり付いて一と晩を過ごし、ウツラウツラとしてまた勉強を始めるのである。


もちろん3か月半もまったく寝なかったら、人は死んでしまうので、適当に居眠りはしていたのだろうが、居眠りしている以外は勉強していたんだろう。私に言わせれば非効率の極みなのだが。

 なお東京帝大の法科大学と書くと、「法学部かな?」疑問を持つ人がいるかもしれないが、昔の帝大はその下に色々な大学があり、それぞれのトップがいた。だから学長というとそれぞれの大学のトップか帝大全体のトップか分からないので、全体のトップを総長と呼んだと聞いたことがある。つまり社長と支店長のようなものだ。

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

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野生のラスボスが現れた(1)

2022-07-03 10:33:05 | 書評:その他

 

 これも異世界ものの一つ。部隊は、エクスゲート・オンラインというゲームの世界。「野生の」というのは、公式ラスボス(魔神王というらしが)ではないという意味である。ある男性一般人が、自分の作成したキャラを鍛え上げ、ついにはゲーム世界を統一してしまった。そのキャラの名はルファス・マファール(♀)。黒い翼をもつ天翼族という設定だ。

 ただ、世界がルファスにより統一されたままでは面白くないということで、ルファス率いる覇王軍と勇者達の率いる光の軍とに分かれて、公式ラスボスそっちのけで戦いを繰り広げることになる。そしてルファスは負け亜空間に封印されてしまう。とここまでがゲームの話。

 ところが、このあとおかしなことがおこる。画面にアロヴィナスという創造の女神が現れ、ゲームの話だと思って、適当に答えているうちに、なせかルファスとなってゲームの世界に転移してしまう。それはルファスが封印されて200年後の世界だった。別にトラックにひかれたという訳ではない。気が付いたらそうなっていたのである。ルファスを倒した連中は7英雄と呼ばれていたが、もう3人しか生き残っていない。そして生き残っている者も魔神王の呪いによりステイタスが半減している。

 ただこの世界は、ゲームの世界のように死んでも何度でもやり直せるという訳ではない。死んだらそれで終わりなのだ。だから人々のレベルはものすごく低い。そんな中でルファスはゲーム時代のレベルやステイタスを引き継いでいるので無敵状態だ。ルファスには覇道12星天という強力な部下がいるが今は半数がどこにいるか分からない。行方の分かっている者のうちの2人も魔神王に与しているという。

 覇道12星天にルファスが帰ってきたことを分からせるために、その力を見せつける必要がある。この巻では雄羊アリエスとの闘いが描かれるが、果たして残りの12星天も同じように行くのか。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

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ばくおん! !7,8

2022-07-01 08:30:28 | 書評:その他

 

 

 女子高生×バイクというコンセプトのこの作品。女子高生でバイク好きだといっても別にギャルではない。バイク以外は普通?の女子高生なのだ。この7,8巻では、九州へのツーリングのことがメインに語られるが、他の話も結構挿入されている。

 面白かったのは、スズキ愛が爆発している凛ちゃんの話だ。なんと「魔法少女ブルセーラースズキ」に変身しちゃうのである。そして、次々と他メーカーのバイクをスズキに変えていくのだが、果たして・・・。

 彼女たちは、九州へのツーリング前に安全祈願に行くのだが、ライバル関係にあるバイク神社が2社出てくる。特に名前は出てないが、壬生という地名と凛が恩沙とスマホで話しているとき「全国バイク神社認定第一号」というのが出たことから、栃木県にある安住(やすずみ)神社と大前(おおさき)神社がモデルのようだ。しかし、神主がヘルメットをかぶり、後ろに神輿を配したデコバイクで喧嘩神輿(要するにバイク同士で正面衝突する)なんて、そりゃ実名はだせないよな。

 彼女たちは、「つまさきだちスタイル」というチームを結成する。名前の由来は、女の子ばかりで身長の関係でどうしてもバイクにまたがるとつま先立ちになるからだろう。チームを作ったのは、凛がバイク部に入っておらず、バイク部長の恩沙と犬猿の仲(傍から見るとお前ら仲がいいなと思うようなじゃれ合いなのだが)ということで、どうしても部に入ろうとしないからである。だから、部とは別に凛もメンバーのチームを結成したのだ。

 とびっきりの美少女が出てくるわけではないが、出てくる少女たちはどれも可愛らしく、話も笑えてなかなか楽しい。個人的にはスズキ愛の凛ちゃんがお気に入りだが、これは余談。ちなみに、女子高生をわざわざ女子校生と書くような場面はないので念のため。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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