文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

ばくおん!!9,10

2022-10-10 11:35:09 | 書評:その他

 

 

 

 女子高生×バイクというあまり見ないようなコンセプトのこの作品もこれで10巻までレビューしたことになる。本編は15巻まで出ているが、派生している作品も結構あるので、まだまだ先は長い。丘乃上女子高等学校のバイク部を中心とした話だ。2年生では、主人公の佐倉羽音、天野恩沙、鈴乃木凜、三ノ輪聖、1学年下の中野千雨、そして年齢不詳で、いったい何回留年しているんだと思う来夢先輩。ちなみに、凜は正式なバイク部員ではないが、よく彼女たちといっしょにいる。また、バイク部の面々と、「チーム・つまさきだちスタイル」を結成している。

 羽音、恩沙、凛、来夢はそれぞれ、ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキのバイクに乗っている。聖は、いろいろ変遷はあったものの、お金持ちのお嬢様らしく、最後はドカティで落ち付いたようだ。

 9巻では、バイク部+凛を2チームに分けて、7時間耐久レースに出場する。羽音、聖、千雨で1チーム、来夢、恩沙、凛でもう1チームだ。後者のチームでは、走る順番を決めるために、恩沙と凜が公衆の面前で相撲を取っている。これには笑ってしまった。果たしてレースの結果は?

 10巻で笑えるシーンは、バイク漫画が描きたいと言っていた、聖のクラスメート。なぜか、バイク漫画のはずが、BL漫画になっていた。それからなぜか、羽音と凜が80年代にタイムスリップする。そこで凜は子供時代の大好きな父親(凜、少しツンデレなところがあるがええ娘や!!)と出会う。

 笑えるシーンも結構入っており、楽しい漫画だ。また可愛らしい少女たちとバイクを組み合わせたというのもなかなか斬新だろう。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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今日から使える物理数学

2022-10-08 08:53:03 | 書評:学術教養(科学・工学)

 

 

 物理数学というのは、物理学によく使われる数学というくらいの意味だ。別に、そのような特殊な分野があるわけではない。

 本書は、大学2年程度の内容をブルーバックスの1冊としたものである。「物理」数学とあるが、理学部の物理学科に限らず、工学部でも十分に使える内容である。実際に私は工学部(電気)であるが、2回生(関西では〇年生とは言わずに〇回生という)が終わるまで、この内容の事は勉強していた。今は、昔と比べ専門書がものすごく高くなった、現在においては、このような廉価版の本が出るというのはうれしい。

 特徴としては普通の専門書に比べると、解説がかなり詳細で分かりやすいということだろう。だからといって、簡単な内容ばかりを扱っている訳ではない。この本の内容を身に着ければ、書かれている分野においては、困ることはまずないだろうと思う。

 こういったものを勉強するにはコツがある。書かれている計算式を、実際に追っていくのだ。別にノートに綺麗に書く必要はない。テキストの余白だったり、広告の裏だったりでもいい。大事なのは、読んだだけで分かった気にならないということである。

 本書は、微分方程式から始まり、ベクトル解析、複素解析、フーリエ解析とよく使われる数学的なツールが一通り解説されている。しかし、残念ながら線形代数や統計学については触れられていない。内容が解析分野に偏っているのだ。とはいいながらも新書版で300頁以上もある本だ。おそらくこれに線形代数や統計学を加えると、厚さが冗談にならなようなものとなるのだろう。続刊として線形代数偏や統計偏を期待したい。

☆☆☆☆

 

 

 

 

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悪役令嬢の怠惰な溜め息 1

2022-10-06 11:40:51 | 書評:その他

 

 本書も異世界悪役令嬢もののひとつだ。異世界悪役令嬢ものには、一つのパターンがある。主人公が、やっていた乙女ゲームの世界に転生する。それもヒロイン役ではなく、悪役令嬢として。ゲームの中では、婚約者だった王子をヒロインに寝取られ、いわれのない罪で断罪され、婚約を解消されたうえ、処刑か追放される。このゲームの結末を知っている主人公は、なんとかバッドエンドを回避しようといろいろ手を尽くすというもの。

 主人公はアラサーのOL。残業から帰宅して、乙女ゲームクリスタル・ラビリンスをプレイしていたはずが、気が付いたら、6歳のシェグーレン公爵家の次女エセリアとして転生していた。

 どうもこの世界でエセリアは、家の階段から転げ落ちたらしい。メイドに「心配してくれてありがとう」と言うと、「「あなたが受け止めなかったせいよ!」とお叱りにならない・・・」と引かれる始末。どうもエセリアは我儘三昧で育ったらしい。

 ともあれ、こちらの世界のアラサーまで生きた記憶のあるエセリアは、とても6歳の養女とは思えないようなことを始める。

 最初は、娯楽の少ないのがこの世界なら自分で娯楽を作り出せばいいと、異世界ものでは定番のリバーシを作る。けん玉や人生ゲームと、こちらの世界の記憶があるエセリアは、やりたい放題。

 特に面白いのは、BLを流行らせたこと。この世界の女性陣からの支持はすごいらしい。エセリアはこれを利用して、教会に銀行の役目をさせることに成功する。教会といえば、敵役として出てくることが多いが、この世界では割と物分かりがいいようだ。エセリアの言う通り、銀行の役割を受け入れ、おまけにBLまで芸術として認める。

 しかし、一番避けたかった第一王子・グラディクトの婚約者になってしまう。もしシナリオ通りになれば、エセリアの恐れている国外追放が待っている。エセリアは全力で婚約解消に向けて動き出すが、無事に婚約は解消できるのか。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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Aチャンネル4~6

2022-10-03 15:47:43 | 書評:その他

 

 

 

 可愛らしい女子校生たちの日常を描いた作品。アニメ化もされているので覚えている人も多いことだろう。作中で特に大きな事件が起こるわけではなく、いかにもありそうな日常の出来事を描いている。

 主な登場人物は、葵ヶ丘高校の2年4組のるん(百木 るん(ももき るん))、ナギ( 天王寺 渚(てんのうじ なぎさ))、ユー子( 西 由宇子(にし ゆうこ))の同級生3人組と、1学年下で1年7組のトオル( 一井 透(いちい とおる))。これにトオルのクラスメートでトオルと仲良くなりたいユタカ(今井 豊(いまい ゆたか))とミホ(野山 美歩(のやま みほ))の二人が絡んでくる。

 るんには、外に出ている兄が二人いるようだが、いずれも強度のシスコン。以前はトオルと三人でるんに男を近づけないようにしていたらしい。るん自身は、超天然な性格だが、彼女の友人にヒラちゃんというるんに輪をかけたような天然少女が出てくる。まさに類は友を呼ぶというやつだろう。

 ナギは近眼が酷く、眼鏡が外せないが、眼鏡を取ると超絶美少女に変身。性格はクールで、突っ込み役だが、超ズボラでヒッキー。彼女はブラコンの気があるようで、兄に対する態度と父親に対する態度が全然違う。

 ユー子はモデルにスカウトされるくらいである。長身でスタイルもよく、ケイ子という妹がおり、姉妹仲はものすごくいい。関西出身で、しゃべる言葉も関西弁。怖いことは大の苦手。

 トオルは、幼馴染のるんの事が大好きで、そのために暴走気味。小さく、幼児体形なのがコンプレックス。ただ、それを除けば優等生であり、ユー子の妹のケイ子からは、「かっこええ」と尊敬されている。

 ユタカは典型的なKYで暴走気味。ミホからは腐れ縁とされている。目が点で描かれていることが多いが、目を見開くと途端に美少女に変身。

 ミホは、真面目な優等生タイプだが、ユタカには苦労させられているので、その扱いは結構厳しい。でも、彼女がいないと技をかける相手がいなくなり寂しいようだ。よくユタカに関節技やチョークスリーパーをかけている。

 美少女たちの日常はとても楽しい。でもこんなに美少女は固まって無いような・・・。

☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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わが中学時代の勉強法

2022-10-01 10:44:18 | 書評:その他

 

 本書は、物理学者なのに、夏目漱石門下であり、随筆家としても知られる、寺田寅彦さんの少年時代の勉強法を描いたエッセイである。彼は熊本にある旧制五高で、当時英語教師だった夏目漱石と出会い、大きな影響を受けた。その後東京帝大理科大学に進み、そこの物理学の教授にまでなっている。

 これは、寺田さんが高知県にある旧制中学校を受験した時の思い出話だ。旧制中学というのは、現在の高校相当だが、ほとんどの人は義務教育だった尋常小学校卒業までで、その上の高等小学校や中学校は誰もが行くところではなかった。この点今の学制とは全然違う。その点をまず頭にいれて読む必要があるだろう。

 寺田さんは、高等小学校3年のときに、中学を受験して、この時は不合格になっている。しかし、これによって一念発起して翌年も受験し、成績がよかったので2年に編入された。つまり、長い目で見れば辻褄があったことになる。今だったら考えられないことだが、昔の教育制度は、けっこうフレキシブルだったようだ。最近は教育職場のブラック度が知れ渡り、教員を目指す人が少なくなっていると聞く。また教師自体の質も大分低下している節もある。昔のように飛び級を認めれば、多少なりとも解消する方向に向くのではないだろうか。

 さて、肝心の寺田さんの勉強法だが、一言で言えば、やりたい時にやって、毎日時間を決めてやったというわけではない。また寺田さんの家もこれを許すような環境だったようだ。ただ、本は多読といっていいほどたくさん読んだようだ。これによって読解力がかなりつき、それがいろいろな科目にプラスに影響したのだろう。

 もちろん、当時は塾も予備校も無かった。今のように当たり前のように塾や予備校に行ってなんでも習うというのは、少し考える必要があるのではないか。そういった親たちに次の言葉を送りたい。
「10で神童、15で才子、20歳過ぎれば只の人」
そう、大金をはたいて、只の人となるために、子供を塾や予備校に通わせているという現実を世の中の親はもっと知るべきだろう。

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

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